小説『ハイスクールD×D ~古代龍の覚醒~ 』
作者:波瀬 青()

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魔方陣の転移が終わり目を開けると、そこは何時もの部室だった。
転移に失敗したんだろうか?

『皆様、この度はグレモリー家、フェニックス家の「レーティングゲーム」の審判役を担うことになりました、グレモリー家の使用人グレイフィアでございます』

校内放送でグレイフィアさんの声がした。

『今回のバトルフィールドはリアス様とライザー様のご意見を参考にリアス様が
通う人間界の学舎「駒王学園」のレプリカを異空間に用意しました』

マジか!?これレプリカなの!?本物にしか見えないぜ……
でも真夜中のはずなのに空が真っ白だ。これは確かに普通の学園じゃない。

『両陣営、転移した先が「本陣」でございます。リアス様の本陣がオカルト研究会の部室、
ライザー様の本陣は生徒会室です。「兵士(ポーン)」の方は
「プロモーション」をする際、相手の本陣に赴いてください」

『プロモーション』は相手陣地に『兵士』が進んだ場合 『王(キング)』以外の駒に
変化することができる。力の弱い俺は『プロモーション』で自身を強化しないといけない。

「全員、この通信機を耳につけてください」

姫島先輩から配られたのはイヤホンマイクタイプの通信機だ。

「戦場ではこれで味方同士やり取りするわ」

部長がそれをつけながら言った。俺も部長にならい、イヤホンマイクを装着した。

『開始の時刻となりました。このゲームの終了時刻は人間界の夜明けまでとします。
それではゲームを開始します』

キンコンカンコーン

学校のチャイムが鳴った。
俺達のレーティングゲーム初戦が開幕した!



レーティングゲーム

眷族を有する爵位持ちの上級悪魔が互いの下僕を競い合わせる。メンバーはチェスの駒に合わせて
1チーム最大で15人が参加できる。

このゲームが今、悪魔の間で流行っている。

って前に部長から教えてもらった。俺は今、搭城さんとイッセーと一緒に体育館に向かっている。
トサカ野郎の本陣は新校舎、俺達の部室は旧校舎にあるので、ルート確保の為に
そこを占拠することになったからだ。

木場は運動場の茂みにトラップを仕掛けに行って、部室とアーシアさんは部室で待機。

部長は言っていた俺たちの作戦の結果でゲームの流れが変わると!
絶対に成功させる!!

俺たちは体育館の裏口から侵入した。正面から入ったら目立ちすぎるからな。
ステージの隅からコートを確認する。誰もいない……
塔城さんがボソリと呟いた。

「……先輩…敵です」

塔城さんの呟きが聞こえると同時に体育館に声が響く。

「グレモリーの下僕さん!ここに入り込んで行く所を監視させてもらったわ。出てきなさい!」

どこかから侵入が見られていたらしい。
俺たちは潔くステージに現れる。正面の入口に四人の女の子が居た。
たった今入ってきたようだ。

「ゲッ」

イッセーが呻き声を上げる。開始前にみた資料によると、
そこに現れたのはチャイナドレスを着た『戦車(ルーク)』の子が一人
瓜二つの双子と幼い棍を使う『兵士』三人だった。イッセーは棍を使う女の子に一度やられたらしい。
呻くのも道理だ。

「一人多いな……」
「…エージ先輩たちは『兵士』をお願いします。…『戦車』は私がやります」
「了解だ。イッセー、準備はいいか?」

俺は隣に立つ親友に確認する。

「任せろ!ブーステッド・ギアスタンバイッ!!」
『Boost!!』

イッセーの倍加が始まった。
俺とイッセーはステージから飛び降り、相手の方へ駆けだす。

「イッセー、どっちがいい?」
「前回のリベンジをするに決まってんだろ!!」

イッセーは迷わず棍使いの女の子へ攻撃を開始する。
じゃあ、俺は双子の方を倒しますか!!改めて双子の方をみると二人の手にはチェーンソーが握られていた。
ん?チェーンソー?

「なんでそんなもん持ってんだお前ら!?」

俺は二人の目の前で急ブレーキ、バックステップで距離を取った。
あのまま突っ込んでったら俺の身体はバラバラだっただろう。気付いてよかった……

「解体しまーす♪」

可愛い声で言う台詞じゃねぇ!!
チェーンソーの駆動音が体育館に響き渡る。あんなの喰らったら一発KOだって!!

「バラララララララ!」

チェーンソーを床に当て火花を散らしながら同時に俺に直進してきた。
双子は躊躇なく俺めがけてチェーンソーを振るってきた!

「冗談じゃねぇぞ!!」

俺は双子の左右からの挟撃を後ろに軽く跳んでかわし、その反動を利用して蹴りを放った。
だが二人は俺の蹴りを避けて、またもや挟撃を仕掛けてきた。
なんて連携だ……流石は双子ってところか!!今度もギリギリでかわして、俺は右の掌に蒼白い
小さな魔力弾を作りだした。

「喰らえ!」

ソフトボール位の大きさのそれを双子へ向かって撃ち出す。
勿論、双子は避けた。俺は瞬時に今度はピンポン球位の魔力弾を両手の掌に作りだす。

「甘いぜっ!」

その二つを、回避して態勢を崩した双子に撃つ。狙いは本体じゃない、チェーンソーだ。

「しまった!」

双子の片割れが俺の意図に気付いた時にはもう遅い。俺の魔力弾が彼女達のチェーンソーを破壊していた。
格闘なら負けねぇぞ!
俺が素手で彼女達に近づこうとしたとき、

「待てエージ!!」

イッセーに止められた。俺が動きを止めると、力を倍加させたと思われるイッセーがダッシュで
俺を抜き去り、双子に攻撃していた。
ふと後ろをみると、棍使いの女の子が棍を折られて素手で向かってきていた。

「おいっイッセー!!なんで邪魔するんだよ!!」
「まぁ見てろよエージ……俺の必殺技『洋服崩壊(ドレスブレイク)』をっ!!」

少年漫画の主人公の様な台詞を吐き、イッセーは指を鳴らした。
次の瞬間、棍使いの女の子と双子の服が弾け飛んだ。そう、下着まで。

「キャァァァァァァァァァァァァァアァァァァァl!!!!!」

少女たちの絶叫が反響する。な、なにが起こったんだ!?
突然目の前に広がった女の子のオッパイ!三人ともまだ幼いけど……これはこれで破壊力抜群だ!!
俺は吹き出る鼻血を抑えながら、イッセーに視線を送る。イッセーは誇らしげに答えた

「アハハハハ!これが俺が編み出した『洋服崩壊』だ!延々と女の子の服を弾け飛ばす妄想を繰り返し!
皆無といっていい魔力の才能を全て注ぎ込んだ俺の究極奥義だ!!」
「さ、最低ー!!」
「この、ケダモノッ!!」

イッセーは相手の女の子たちから罵詈雑言を浴びせられていた。当然だろうな。
だがなイッセー……俺はお前が親友だった事を誇りに思うぜ……

俺は取りあえず、うずくまっている女の子たちに謝罪した。

「俺の仲間がエロいことしてすいません……あと、
いいもの見せてもらいました!ありがとうございます!!」
「「「死ね!!」」」

何故だろうか?謝罪してお礼の言葉まで述べたのに罵られてしまった。

「……見損ないました先輩方」

塔城さんが近づいてくる。どうやら塔城さんも終わったらしい。
チャイナドレスの子は腹を抑えてうずくまっていた。
にしても先輩方って……これをやったのはイッセー何だけど………
塔城さんは裸にされた女の子たちを見て、自分の胸を撫でている。何だ?

「……エージ先輩はああいうのが好きなんですか?」

ああいうの?なにを言ってるんだろうか?
塔城さんの言葉の意味が分からない。塔城さんは塔城さんで、顔が赤くなっている気がする。
一体何なんだ?
首をかしげる俺をイッセーが殺意の籠った目で睨んでいた。

『エージ、イッセー、小猫。聞こえて?』

耳につけていた通信機から部長の声がした。

「聞こえてます。全員無事です」
『それはよかったわ。朱乃の準備ができたから、作戦決行よ!』
「了解!」

俺たち三人は敵四人を置いて体育館の出口目指して走り出した。

「なっ!?」
「逃げるの!?ここは重要拠点なのよ!?」

後ろからそんな声が聞こえた。そんな事は重々承知だ。
だからこそ、敵もここを狙う。そこを利用させてもらうぜ!!
俺たちが体育館の中央出口からでた瞬間、雷鳴が轟き、巨大な雷の柱が体育館に落ちた。

ドオォォォォォォォォォンッ!!!!!

雷がやんだその時、俺たちの居た体育館が消し飛んでいた。

「撃破」

姫島先先輩の声だ。空を見上げるとニコニコ笑顔の姫島先輩が翼を広げ浮かんでいた。
その右手はバチバチと電気が走っている。

『ライザー・フェニックス様「兵士」三名、「戦車」一名、戦闘不能!』

審判役のグレイフィアさんの声が聞こえた。
そう、これが俺たちの本当の作戦だ!
わざと体育館に入るところを目撃させ、闘い、姫島先輩の準備が終わり次第、離脱
そこを体育館ごと一網打尽にする!

姫島先輩の圧倒的な破壊力あってこその作戦だった。にしてもとんでもない威力だ。
こんなの絶対喰らいたくない。

「作戦成功だな!やったぞエージ、小猫ちゃん!」

俺と塔城さんの肩を叩こうとしたイッセーの手は空を切った。
塔城さんがサッと俺の後ろに隠れ、イッセーの手から逃れたのだ。

「……触らないでください…」

どうやらイッセーの『洋服崩壊』を警戒しているようだ。まぁ、それが普通だよな……

「大丈夫だよ小猫ちゃん、仲間には使わないから」
「………それでも最低です」

イッセーは後輩に嫌われたのが余程ショックだったのかうな垂れている。
でも、塔城さんが俺の後ろに隠れたってことは俺は信頼されているんだろうか?

『朱乃のあの一撃は一度放ったら二度目を撃つのにかなり時間がかかるの。連発は不可能。
相手の数が私たちを上回っている以上、油断はできない。朱乃の魔力が回復したら私たちもでるわ。
それまで各自、次の作戦を開始してちょうだい!』

通信機から聞こえる部長の声は嬉しそうだった。
よしっ!このままいっきに勝負を決める!!
俺達が木場と合流しようと、運動場へ走りだそうとしたとき、嫌な予感がした。
なんだ……急に立ち止まった俺を不審そうにイッセー達が見ている。気付かないのか?
誰かが俺たちを狙ってる……相手が今ここで俺たちを狙うなら一番強い奴から倒そうとするはずだ……
つまり………

「塔城さん!!伏せろぉ!!」

俺は叫びながら塔城さんの前に飛び出した。

ドオォン!

突然、、爆発が俺を襲った。
舞い上がる土煙り……それが視界を覆い、なにも見えない……

「ふふっ、まずは一人……」

誰か知らない奴の声がする。この場で聞こえてくる声の主なんて分かりきっている。
塔城さんを狙った敵だ。

「次はあなたが私の相手をしてくれるのかしら?『雷のm「おい……」なに?」

怪訝そうな声がする。俺を覆う土煙りが晴れない。構わず相手に向かって叫んだ。

「俺の仲間に、何してんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

俺はセイクリッド・ギアを装着した腕を思いっきり振り、土煙りを払った。

「な!?直撃したのよ!?無事なはずないわ!!」

声の主を視認する。フードをかぶった女だった。確かこいつはライザーの『女王(クイーン)』。
知ったこっちゃねぇぜ!!
アザゼルさんから使うのは禁止されてるけど、今使わないでどうする!?

「舐めたことしてんじゃねぇぞババァ!!てめぇは俺が、ぶッ倒す!!」

俺はセイクリッド・ギアから伝わる情報を元に無数の魔法陣を展開し逆襲を開始した。




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