小説『ハイスクールD×D ~古代龍の覚醒~ 』
作者:波瀬 青()

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第6章 白い龍

『神の子を見張る者(グリゴリ)』に連れて来られてしまった。
じゃあ、俺は『はぐれ悪魔』って事か?

これだけでも十分な反逆行為になるんだろうな……
もうみんなの前に出れないかもしれない……

先を歩くアザゼルさんを見失わないように歩いていると
むこうから誰かが現れた。

俺はソイツの顔をみるなり睨み付ける。
何故ならば、ソイツが銀髪のイケメンだったからだ。

「久しぶりだな、アザゼル。今まで何処に居たんだ?」

銀髪のイケメンはアザゼルさんに話し掛けた。
ここでアザゼルさんを呼び捨てって……こいつ何者だよ

「ちょっと面白い奴を見つけてな……お前も気に入ると思うぞ。ヴァーリ。」

ヴァーリ?こいつの名前か

「もしかしてさっきから俺を睨んでいるその男のことか?」
「ああ、お前と同じ龍を身体に宿した者だ」

アザゼルさんの言葉にヴァーリの目付きが鋭くなる。
龍を宿した?俺とコイツが?

「…それは確かに面白い…『赤い龍(ウエルシユドラゴン)』とは別の龍なのか?」

赤い龍?なんの話だ?
俺が疑問に思っていると、ヴァーリが俺に手を差し出した。

「俺はヴァーリだ。君に興味が湧いた。よろしく頼むよ」

俺は恐る恐るその手を取った。

「俺は古城英志だ。よろしく……」
「アルビオン、お前も挨拶したらどうだ?」

ヴァーリが言うと、何処からともなく声が聞こえた。

『……ヴァーリ、私の挨拶は必要ないと思うのだか……』
「いいじゃないか、ついでにそちらの龍とも知り合いになっておけば」
『むぅ……』

な、なんだこの声?

『しょうがない……私は「白い龍(バニシングドラゴン)」アルビオンだ。』
「ド、ドラゴン?」

俺は話についていけず、間抜けな声を出してしまった。
そんな俺にアザゼルさんがフォローする。

「ヴァーリ、コイツの中のドラゴンはまだ目覚めていない。話したければ、
コイツを鍛えて強くしてくれ」
「ん?俺が鍛えていいのか?死ぬかもしれないぞ?」
「そのつもりでいい。勿論、俺も面倒見るが」

おいおい、あんたら本人を無視して死ぬかもとか言うんじゃないよ。

「よし、ならば早速実力が見たい。行くぞ」
「な、なんでいきなり!…ってアザゼルさん!引っ張らないで!!」

ヴァーリはそう言って、背を向けた。
俺はアザゼルさんに引っ張られてその後をついていった。



引っ張られて連れて来られたのは何もないだだっ広い空間だった。
広すぎだろ……東京ドーム何個分だ?

「この空間は俺達、堕天使が作った実験用のフィールドでな壊れないように頑丈にできてるから
思う存分暴れても大丈夫だ」

アザゼルさんが説明をする。
堕天使の科学力は凄いな。

「では古城英志。手合わせといこうか」

ヴァーリの背中から八枚の真っ白い光の翼が広がる。
な、なんだそりゃ!?

「『神滅具(ロンギヌス)のひとつ、『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』
これが俺の力だ」

ヴァーリが軽くいい放つ。
神滅具!!イッセーの『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』と
同等の力があるのかよ!?

「君もセイクリッド・ギアを使ったらどうだい?」

くそ!やるしかないのかよ!!
俺は右手に蒼白の手甲を装着、構えをとりヴァーリを見据える。

「それが君の力か……確かに不思議な龍の波動を感じる。
攻撃してみろ」

ヴァーリは挑発する様に指をクイクイ動かした。

「余裕かましてんじゃねぇぞ!!この野郎ぉぉぉぉ!!!!」

俺は右手をヴァーリに突きだし、魔方陣を展開する。
そのまま魔方陣から熱線を放出した。
ヴァーリは避けようとせずただ、片手を熱線に向けただけだった。

『Divide』

その音声が聞こえた瞬間、熱線の勢いが半減した。
尚も音声は続き、しまいには俺の熱線はヴァーリに届く前に消失した。
驚きで声が出なかった。

「まぁまぁだな。その魔力でここまでやれれば十分だろう。
だが、俺には届かない」

その声が聞こえたと同時にヴァーリの姿が消えた。
何処だ!?

「ここだよ」

後ろからの声に振り返ると拳を振りかぶるヴァーリの姿が目に入った。
速い!!
俺は自分の目の前に防御魔方陣で障壁を造り上げる。

パリィン!

儚い音を立てて俺が造り上げた障壁は砕かれ、
拳の勢いは止まることなく、俺のボディに打ち込まれる。

ドゴンッ!!

鈍い音が響き、俺の身体がくの字に折り曲がる。
続いて顔面に拳が振り落とされた。

地面に打ち付けられ、バウンド。

「おいおい、ヴァーリ。やり過ぎじゃねぇか?」
「アザゼル。お前は何だかんだで優しすぎるんだ。これくらいがちょうどいい」

俺はそのまま気を失った。


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