小説『ハイスクールD×D ~古代龍の覚醒~ 』
作者:波瀬 青()

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○グレモリー家 私有温泉

「ガハハハハハハハッ!!それでお前は一日に二回も問題を起こしたのか!!」
「笑い事じゃないですよ……あの後、部長にこっぴどく怒られたし……」

俺は今、グレモリー家の所有する和風温泉に浸かっていた。
高級感に溢れてるけど、これが無料で利用できるなんてお得だな。

木場は先ほどからイッセーが来るのをまだかまだかと待ち構えている。
キモいぞ木場……暫く見ない間に残念なイケメンになったもんだ。

「………で、シトリーとのレーティングゲームが決まったんですけど対策とかあるんですか?」

堕天使の総督とはいえ、アザゼルさんは今は俺達グレモリー眷族の先生なのだ。
アドバイスくらいしてくれないだろうか?

「それも含めて、明日の朝説明するさ。
明日からはこんな風にのんびりできないから覚悟しとけよ」

明日はゲームに向けて修行を開始する事になっている。
俺はゲームに参加できないので皆のサポートをする事になる。

「仲間のサポートか……組手位しか出来ないけど大丈夫かな」
「前に比べてお前は格闘も魔法もかなりのレベルに達してるからな。まぁ……適当に教えて平気だろう」

アザゼルさんは笑いながら言うが、俺にとっては深刻な問題だった。

「真面目にやってくださいよ……
ゲームにも出れない、修行にも付き合えないんじゃ完全に足手まといじゃないですか……」

俺が大きな溜め息を吐いた時、浴場の扉が勢いよく開かれた。

「オラオラ!暴れるなよギャスパー!!」
「ひぃぃぃぃん!!放してくださいイッセーせんぱあぁぁぁぁぁい!!」

入り口には全裸のイッセーが、バスタオルを巻いたギャスパーをお姫様抱っこをして仁王立ちしていた。

「イッセー……お前……」

俺は傍目から見たらバスタオルを巻いた美少女を襲っている様にしか見えない親友を白い目で見つめた。
美少女じゃなくて女装野郎だけどな。

「イッセー君、僕は君がどんな趣向をしていても構わないよ!!」

真顔でそう宣言する木場に俺は全力でひいた。
イッセーも気持ち悪そうな顔をして叫んだ。

「俺はノーマルだ!」
「いいから放してくださいぃぃぃ!!」

ギャスパーは先程からずっと抵抗しているが解放されない。

「五月蝿い!お前も男なら男らしくしろぉ!!」

イッセーは腰を落とし、ギャスパーを空中に放りだした。
下には俺たちの入浴している湯船が。

ザブーン

派手な水飛沫を上げてギャスパーはに入水した。

「いやぁぁぁぁぁ!熱いよぉぉぉぉぉ!イッセー先輩の馬鹿ぁぁぁぁぁ!!」

あられもない声を張り上げるギャスパー。
壁を隔てた向こう側には部長達女性陣が入浴中なので、俺たちの騒ぎは筒抜けだった。
クスクスと笑い声が聞こえた。

「イッセー、ギャスパーをいじめちゃだめよ」

苦笑まじりの部長の声で、それに気付いたイッセーは顔を赤くしていた。
イッセーは照れを隠すように湯船に飛びこむ。

騒々しいなぁ……

俺はさっきとは別の意味で溜め息を吐いた。
ふいにイッセーが俺に近づいてきた。それにひっついて木場も寄ってくる。
正直むさ苦しい。

「なぁエージ。お前って色んな魔法使えるよな?」

ちょっと興奮気味のイッセーが俺に聞く。
何なんだ?

「使えるけど……」

俺の返事に満足そうに頷き、声を潜めてイッセーは再度問う。

「じゃあさ………透視とかってできないか?」

!?
俺はその発想に至った友人に驚愕した。
やっぱりお前は性欲の化身、イッセー様だぜ!

「お安い御用だぜ……任せろ、相棒」
「流石エージだ。検討を祈るぜ!」

早速俺は右手で目を覆い、魔法をかけた。
左手ではイッセーと木場に俺と同じ様に魔法をかける。
木場にも魔法をかけたのは少しでも共犯を作る為だ。

「これでOKだ。後は目に魔力を集中すれば……壁の一部が透けて見える。
俺たちは天国に行ける!」

俺の一声で俺とイッセーと木場は女湯の方に姿勢を向ける。

「さぁ、行くぞ!魔力注入!!」

俺たちは目に魔力を集め、目に注いだ。
壁が次第に薄くなっていき、そし一部が完全に消えた!

湯けむりが漂っていて大事な部分はよく見えないが、部長や姫島先輩の裸身をしっかりと目に焼き付ける。
おおおおおおおおお!!生まれてよかったぁぁぁぁぁぁ!!!!

隣を見ると、イッセーは鼻血を垂らしながら脳内メモリーに保存していた。
木場も顔を赤くしているが目を逸らさない。いや逸らせないのか、美しすぎて。
気付けば俺の鼻からも血が滴っているが、構っていられなかった。

「おお!これが日本の温泉というものか!!」

喜びの声を上げて入ってきたのはゼノヴィアだった。
タオルを身につけづに湯船に入ろうとするが、

「駄目ですよ、ゼノヴィアさん。先に身体を清めなければ」

ゼノヴィアを嗜めたのはアーシアさんだ。
先程から身体を洗っているようで俺たちの視界に入らない。

「ああ、すまない。初めてで興奮してしまった」

ゼノヴィアもアーシアさんの下に駆け寄り、視界から消える。
ちょっと視界を限定しすぎたな……

目線で合図を送り、俺たちは場所を移る事にした。
水音を立てないようにアーシアさんとゼノヴィアを見ようと静かに移動する。
だが、俺達は天国から地獄に突き落とされる。

「お前らぁ!男ならなぁ……触ってなんぼだろうがぁぁっ!!」
「あ、アザゼルさん!?」

先程まで静かだったアザゼルさんが急に俺とイッセーの首根っこを掴み持ち上げた。
アザゼルさんからは酒の匂いがした。チラッとアザゼルさんが居た場所を見ると、大量の酒瓶が!!

「酔ってんじゃねぇかぁぁぁ!」
「行ってこい!天国へ!」

腐っても堕天使総督。俺とイッセーはなすすべなく壁を越えて女湯へ。
落ちる間際、下を見ると……塔城さん!?

このまま落ちたら塔城さんに直撃して怪我をさせかねない。

「だああああぁぁぁ!!」

翼を展開して重力に逆らおうとするが、速度が少し落ちただけだった。

ドカンッ!

鈍い音が浴場に二つ響いた。

「いてて……」

打ちつけた背中がジンジン痛むが、我慢して立ち上がろうとした。
だが、目を開けて前を見ると……俺に抱きかかえられるような格好の塔城さんが!!

「えええええええ!!!」

俺は慌てて手を放し、塔城さんの下から這い出した。
塔城さんもゆらりと立ち上がり、俺に歩みよってきた。

「ち、違うんだ塔城さん!反射的に塔城さんを抱えて倒れ込んじゃって……」

背後からの殺気に俺の弁解は喉に引っ込んでしまった。

「エージ……」
「エージ君…」

部長と姫島先輩……不味い。

俺は助けを求めようと一緒に放り込まれたイッセーを探した。
イッセーは湯船の底に頭を打ちつけたのか、湯船にプカプカ浮いていた。
それを引き上げようとアーシアさんがイッセーを運んでいた。

「決してそんなつもりじゃなかったんです!
アザゼルさんが酔っ払ってて、俺たちは巻き込まれたんですよ!!」

しかし、三人の俺を見る目は感情が全く感じられない。
その上おれの格好は全裸である。もうどんな言葉も届かないだろう。

イッセー!!
俺も直ぐに逝くからな!!

その後、
俺は塔城さんにサンドバックにされ、部長にはお尻叩き千回をされ、姫島先輩にはMに目覚めるかと思うほどの拷問をされた。

………開放された時に、俺の精神が正常を保っていたのは僥倖だと思っておこう。



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