小説『IS 〜化物は原作に関わらず教室の隅っこで〜』
作者:書きミン()

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二話追いかける天災
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―束!!!!!!
―ちーちゃん!うわぁあああん!!!
―どうしたんだ束!?
―うっ…怖かった…私…変な人に……












―私はずっと探している。












ちーちゃんとケンカをして、私は夕暮れの森で一人で居た。

「篠ノ之束だな」

遠くから声をかけられた。

「何?」
「子供なのに六頭身な気味の悪い知り合いは、束さんには居ないけど」

それと、私より小さく見えるのにハッキリと聞こえる声に吐き気がした。

「お前を殺せば俺は……」
男はぶつぶつ言いながら
うつろな目をぎらつかせて手を前にかざす。

「!?」

かざされた手のひらには小さな光の塊があった。

「死ねぇ!!!!!!!!!!」

光が一気に膨れ上がって、私の目の前を多い尽くす。

無駄だと本能で分かっていたけども私は頭を抱えてしゃがむ。

「あぁぁあああああああ!!!!!!!!!」
怖い、嫌だ、死にたく無い…シニタクナイ!!

冷たい風が、頭をそっと撫でた気がした。
『大丈夫』

何も起こらないのを不思議に思って目を開けると
目の前には何も無かった

そう、そこだけ木も草も無くて
まるで何かが飲み込んだ様に土が顔を見せていた。


それ以来、何故だろうか。
冷たいのに優しい風が吹いていると、安心する。
















―ずっと一緒に居てくれた。
―これは私の勘だけどね。














私は神社の石階段に一人腰掛けて虚空に話しかけていた。
「ねぇ、幽霊さん。出てきてよ」
「ほーちゃんを助けてくれたのは貴方なんでしょ?」
「何時も『あいつら』を遠ざけてくれているのは貴方なんでしょ?」

あの日以来、学校や色んな所で変な奴に良く絡まれる。
あの日のアイツと、同じ様な異様な空気を纏った奴らに。
そしてそいつらは、次の日になると必ず人が変わる。
まるで憑き物が落ちたみたいに。

「んー。何時も助けてもらっている貴方にただ幽霊さんじゃ失礼かな?」
「あっ、そーだ♪」
「束さんは貴方の新しいあだ名を思いついたよ!」
「幽霊騎士、私達だけが知っている見えないナイトさん」














―つかめない風をずっと追いかけてた。
















いつの間にかISのコアネットワークに
私の知らない何かが入り込んでいた。

『No. lost name Mother』

「何、これ」
「束さんの子供達に干渉した上に私を差し置いて『母』を名乗るなんて」

私は憤りを感じながらそれを消そうとした。

「拒絶された?」

いや、違う?

プログラムが一つずつ接続を絶つ度に
IS達(子供達)の方から繋ぎ直してる?

その後に見たのは異常な光景だった。
侵入者の近くにあったコアが他のコアに信号を送ると
それが派生するように広がっていって
その信号を受け取ったコアから侵入者へ新たな接続がつながれていく。

侵入者が接続しているコア全部に何かを送った。
私はそれを拾う。

「っ――!?」

『ありがとう 楽しかった ごめんね』
次の瞬間侵入者は全てのISとの接続を切る。

子供達がつなげようとするがその尽くが壁に阻まれた。
いや、すり抜けていった。

まるで霞みたいに。
幽霊みたいに。

咄嗟に私は接続をたどって無理矢理に接続をつなげる
それは天才にあるまじきほど細くつたないものだった。

『何故?』
私に何かが問う。

『貴方に興味が湧いたから』

『いいの?』

『束さんの質問に答えてくれるなら』
『ねぇ?幽霊騎士さん』

完全に接続が切れた。

どうして気がつかなかったのか。
私以外にISの母が居るとしたら一人だけだ。
私以外にコアネットワークを弄れるのも一人だけだ。
だって私は『貴方』を元に作ったのだから。

「ねぇ、居るんだよね?」

「束さんはずっと貴方とお話がしたいと思ってるの」
「だから出てきて欲しいな」

画面上では子供達が必死にもう一人の母親を探していた。
















―ほーちゃんとちーちゃんといっくんと貴方が私の世界だった。
















「やっーほー。貴方のアイドル束さんだよ♪」
「ちーちゃんのためなら、25時間営業スマイル0円!!」

プッ―……

PLLLL

「酷いよちーちゃん」

『……』

「私が悪かったから!」

『……束』

「何?」

『一台の打鉄がある受験生以外を搭乗者として認めなくなった』
『何度搭乗者登録を抹消しようとしても受け付けない』
『どういうことだ?』

「え?」
「搭乗者登録の操作をしない限り、登録されない様に作ったんだけどなー」
「ISには人間の意思に限りなく近いものがあるから」
「その子はその人以外に乗って欲しくないんじゃない?」
「データー送ってよ」






「もしもし?ちーちゃん?
「打鉄、その搭乗者登録されてる子にあげちゃって良いよ」
「後、その搭乗者の子の情報こっちに頂戴♪」

♪〜♪〜〜
電話を終えた私は上機嫌に鼻歌を歌う。

「そういうことだったの……」

つ か ま え た











―真実?そんなの関係ないよ









―貴方達に小さいころから言いたかった
―ありがとうを何時、言いに行こうか

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気がついたら完全な束さん視点になっていた!?
次は主人公視点に戻ります。
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