小説『アスナの憂鬱』
作者:レノン()

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確かにみんながいる前では、このように腕を組むことすらままならない。

まぁみんな私達が付き合ってるってことは知ってるんだから別に問題はないんだろうけど・・・。

「ほら、そろそろ行こうぜ」

「う、うん」

言われるままに私は歩き出した。

そうだよ。

今日はせっかく二人っきりなんだもん。

たまには恋人らしいことしなくちゃね。

そう決意し、私たちは今日の目的地でもあるプラネタリウムを見に自然科学博物館へと足を向けたのだった。

プラネタリウムに着くとまだ開園したばかりだというのに、もうお客さんでいっぱいだった。

さすが話題のデートスポットというだけあって来場者の7割はカップルだろうか。

そして後の2割は家族連れ。

残りの1割は女の子同士の3人組というところだろうか・・・。

ってえっ、ちょっと待って。

もしかしなくても、あの後ろ姿は!!

リズとリーファちゃんとシリカちゃん!!

なんであの3人がここに・・・。

確かに今日デートなんだっ。

とは言ったけど―――。

「場所まで言ってなかったのにーーーー!!」

「おいアスナ。急に叫んでどうしたんだよ」

どうやら心の声が漏れてしまっていたらしい。

「ううん何でもないよ。ほら早く行こっ。」

そう言って私は半ば強引にキリト君を引っ張って中へと入っていった。

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