〜ナツvsエルザ〜
アイゼンヴァルトの一件が終わり、今ギルドの前でナツとエルザが対峙している。その理由はおわかりの通り、ナツの挑んだ対決のためだ。
ルーシィ「ちょ、ちょっと本気なの、二人とも!?」
ハル「本気と書いてマジだぞ、ルーシィ。」
ルーシィ「あ、ハル!」
ハル「遅かったな、二人とも。」
ルーシィ「でも最強チームの二人が激突したら…。」
グレイ「最強チーム?何だそりゃ。」
あ、グレイ。俺も思ったことを…。
ルーシィ「ナツとグレイとエルザとハルじゃない!フェアリーテイルのトップ4でしょ!?」
グレイ「はぁ、くだらねぇ。誰がそんなことを…。」
グレイ…それを口にしたら…。
ミラ「うっぐ、うっうぅぅ。」
グレイ「あぁ、ミラちゃんだったの?」
ルーシィ「あー、泣かした。」
ハル「最強の『男』と言えば候補は色々いるからな。ま、『女』ならエルザだけどな。」
ミラ「私はただ、ナツとグレイとエルザが一番相性がいいと思ったのよ〜(泣)」
ルーシィ「あれ〜、いつもエルザのいないとこで二人がケンカするからって心配してませんでした?」
そんな会話をしている間に、エルザが鎧を炎帝の鎧に換装していた。炎帝の鎧は耐火能力の鎧、ナツには相性のいい鎧だ。エルザも本気という訳か…。
ハッピー「やっぱエルザに賭けていい?」
ルーシィ「なんて愛のないネコなの!?」
ハッピー、お前……。
ルーシィ「私こういうのダメ!どっちも負けて欲しくないもん!」
グレイ「以外と純情だな。」
そしてナツは手に炎を纏わせ身構えた。
マカロフ「始め!」
マスターの合図でナツがエルザに向け突撃を開始し、試合が始まった。
ナ「だぁぁ!」
エ「ふっ、はぁ!」
両者の攻防が激しくなっていき、共に一撃が入ろうとした瞬間、パーーーーン、と音が響いた。
そしてその音を出した、例のカエルのようなやつが前に出てきた。
蛙「そこまでだ。全員そこを動くな。私は評議員の使者である。」
レビィ「評議員!?」
ジェット「使者だって!?」
ドロイ「何でこんなところに…。」
ルーシィ「あのビジュアルについてはスルーなのね…。」
ルーシィ、そこは突っ込んじゃいけねぇなあ。
蛙「先日のアイゼンヴァルト事件において、器物損害罪他、十一件の罪の容疑で、エルザ・スカーレットを逮捕する!」
エルザ「えっ?」
ナツ「なっ!?何だとー!?」
それからしばらくし……。
皆「「「「「「「「……………………」」」」」」」」
皆静かになってしまったな。
ナツ「出せー!俺をここから出せー!」
いや、皆じゃないか。トカゲになったナツがコップの中で叫んでいた。
その後ルーシィが評議会に行こうとしたが、グレイに止められた。
ルーシィ「ハル、あなたならわかるでしょ!?エルザは捕まる方じゃないって!」
ハル「確かにエルザは捕まるべきではない。「じゃあ!」でも評議会に手を出すのは俺でも、ましてやマスターでも出来ない!」
ルーシィ「……。」
ハル「何とかしたいが、今は我慢するんだ。」
ルーシィ「……わかった。」
しばらくして再びルーシィが動いた。
ルーシィ「やっぱり放っておけない!証言をしに行きましょ!!」
マカロフ「まあ待て!」
ルーシィ「何言ってんのよ!?これは不当逮捕よ!判決が出てからじゃ間に合わない!」
マカロフ「今からどれだけ急いでも判決には間に合わん!」
ルーシィ「でも……。」
ナツ「出せー!俺を出せー!「本当に出してもいいのか?」ドキッ!?」
ナツが急におとなしくなった。
マカロフ「どうしたナツ?急に元気がなくなったな。」
そのまま黙ってしまったナツ。それに対し、マスターは魔法をぶつけた。すると出てきたのは……
レビィ「マカオ!?」
ジェ・ドロ「「えぇっ!?」」
ル・エルフ「「何でーー!?」
エルフマンが突っ込みにまわるとは。
マカオ「すまねぇ、ナツには借りがあってよ。ナツに見せかける為に自分でトカゲに変身したんだよ。」
ルーシィ「じゃあ本物のナツは!?」
グレイ「まさか、エルザを追って…。」
マカオ「あぁ、多分…。」
グレイ「シャレになんねーぞ!あいつなら評議員すら殴りそうだ!」
マカロフ「全員黙っておれ!」
マスターが騒いでる皆に怒鳴った。
マカロフ「静かに結果を待てばよい!」
皆マスターに言われ、黙ってしまった。
ハル「そうだぞ、グレイ、ルーシィ。それに…」
ルーシィ「それに?」
ハル「ナツなら抑えてある」
ルーシィ「へ……?」
するとギルドの外にレットが飛んでいき、ギルドに戻ってきたときには、気絶しているナツを引きずりながら戻ってきた。
ルーシィ「ウソーーー!!?」
「「「「「「「「「「何でーーーーー!!?」」」」」」」」」」
ハル「実はマカオがナツを捕まえたってのが気になってよ。それにマカオがその場にいなかったし。だから気になって少し探したら、ナツがいてよ。気絶させて運んで来たんだ。」
グレイ「そ、そうなのか……。」
ルーシィ「でも、このままじゃエルザが!」
ハル「大丈夫。直ぐじゃないけど今日中には戻ってくるでしょ。マスターもそれがわかってるんだから。」
マカロフ「そういう事じゃ。」
「「「「「「「「「「???」」」」」」」」」」
そして夕方頃、無事エルザが帰ってきた。逮捕の本当の理由は、魔法界の秩序の為だった。しかも逮捕は形だけ。別に罪に問われることはなかった。
ルーシィ「結局、形式だけの逮捕だったなんて。心配して損しちゃった。」
グレイ「そうか、『カエル』の使いだけにすぐ『帰る』!」
エルフマン「さ、さすが…氷の魔道士…半端なく…寒い……。」
ハル「右に同じく。」
グレイ、ほんとに寒いよ。
エルフマン「んで、エルザとの漢の勝負はどうなったんだ、ナツ。」
そう言えば最後まで行かなかったからな。そして何故「漢」をつける。
ついでに言うとナツはギルドに入れて少ししたら目を覚ました。
ナツ「そうだった!エ〜ルザ、勝負だ!」
エルザ「よせ、疲れてるんだ。」
ナツ「行くぞぉぉーー!」
エルザの話を聞かず突っ込むナツ。
エルザ「やれやれ。」
そしてエルザはナツに強烈なボディブローを入れ、ナツを沈めた。それを見た皆はナツを笑った。
っ!!この独特の気配…ミストガンか!?
そう思った俺はミストガンの魔法を相殺するように、オーラを周りに展開し、防いだ。さしずめバリアみたいな。しかしこの状態は俺も慣れていない為、少し眠気がきた。
そしてギルドの入り口から、覆面をしたミストガンが現れた。
ミストガン「……」
ハル「やっぱお前か…ミストガン……。」
ミストガン「……」
ハル「毎回毎回…会う度に…眠くなるの…疲れるぜ…。」
ミスト「……行ってくる。」
マカロフ「これ…眠りの魔法を…解かんか…」
ミストガン「…5…4…3…2…1…」
ミストガンが見えなくなると、皆が目を覚ました。しかしナツはそのまま寝ている。
ドロイ「この感じ…ミストガンか…。」
ジェット「あんにゃろ〜…」
レビィ「相変わらず、強力な魔法だね…」
ルーシィ「ミストガン〜?」
グレイ「フェアリーテイル最強候補の一人だ。」
ルーシィ「ふぇっ!?」
グレイ「どういう訳か、誰にも姿を見られたくないらしくて、仕事を取るときはいつもこうやって、全員を眠らせちまうのさ。」
ルーシィ「何それ!?怪しすぎ!?」
グレイ「だからマスター以外、誰もミストガンの顔を知らねぇんだ」
ハル「ちなみに俺もミストガンを姿は見たけど、顔は見たことないな。」
ルーシィ「そ、そうなんだ…。じゃあ、マスターしか顔を知らないんだ…」
?「い〜や、俺ぁは知ってんぞ。」
「「「「「!!??」」」」」
二階から声が聞こえ、上を見るとヘッドホンをつけた金髪の男がいた。
「ラクサス!?」
「居たのか!?」
「珍しいな!?」
その男はお察しの通りラクサスだ。
ラクサス「ミストガンはシャイなんだ。あんまり詮索してやるな。」
そこでナツが目を覚ました。
ナツ「ラクサス!俺と勝負しろぉ!」
「さっきエルザに負けたばっかじゃねぇか。」
ラクサス「そうそう、エルザごときに勝てねぇようじゃ、俺には勝てねぇよ。」
エルザ「どういう意味だ!」
グレイ「おい…落ち着けよエルザ…」
ハル「そうだぞ、エルザ。殺気を出すな、殺気を。」
ラクサス「俺が最強って事さ!」
ナツ「降りてこいコノヤロー!」
ラクサス「お前が上がってこい!」
ナツ「上等だ!」
おいおい、そのままいくと…。
ハル「ナツ、ストップ。」
ナツ「うわっ!」
俺はナツの横に移動し、逆刃刀の刃をナツの首に向けた。
ナツ「ハル!邪魔するな!」
ハル「このまま行けばマスターの拳が飛ぶぞ。」
ナツ「うっ…」
何とか止まったか。
ラクサス「へへっ、バーカ。」
ナツ「グウゥ!?」
ハル「ラクサス、お前もお前だ。あまり挑発するなよ。」
ラクサス「ふ。フェアリーテイル最強の座は誰にも渡さねーよ!エルザにもミストガンにも、そしてハル、お前もにもな!俺が最強だ!」
ハル「そうかよ。勝手にしてろ。」
ラクサス「ふん…」
そしてラクサスは二階の奥へ行った。