〜落とし穴の件〜
今俺はグレイを抱えて村に向かって走っている。シルファリオンを使ってな。「走る〜走る〜おれ〜た〜ち〜」ってな感じで。一応神殿からかなり離れた。これ以上は迎撃してこないだろう。
グレイ「放せって!言ってるだろ!」
ハル「うぉっ!?」
グレイが暴れ始めて抵抗した。思わず放してしまった。
グレイ「なんであそこから逃げた!俺はまだやれるって言っただろ!」
ハル「お前がやれるやれないの問題じゃないんだよ。あそこでお前がやられて、死んだりされたら困るからな。」
グレイ「何だよそれ!俺がリオンに負けるとでも「あぁ、あのまま戦っていたら負けてたな。確実に。」なっ!?」
ハル「まずお前、リオンの計画を聞いて、かなり動揺しただろ。」
グレイ「っ!それは…」
ハル「そんな状態で戦うなんて、まだお前じゃ無理だ。冷静に考えろグレイ。さっきの戦いから反省点を見つけて、次に活かせばいい。」
グレイ「…じゃあ俺はどうすればいいんだよ。リオンよりも弱いし「強い弱いのことじゃねぇだろ。」!?」
ハル「さっきの戦いは、お前があいつを説得しようとして、あいつがお前を潰そうとしていたかの問題だ。」
グレイ「っ!?それのどごが問題なんだよ!?」
ハル「もっと言えば覚悟の問題だ!お前の覚悟は弱かったんだ!だから負けた!」
グレイ「な…に?」
ハル「あいつはデリオラを倒し、ウルを超えるという目標があった。それだけの覚悟も。だがお前はリオンを救う以前に、デリオラのことで心が乱れていた。それだとどうしても隙ができてしまう。同じ実力なら、それがあるだけで負けてしまう。」
グレイ「…だけど俺はあいつを!」
ハル「止めたいか。ならそれだけの覚悟を持て!リオンを倒してでも止めるという心で挑め!そうすれば、お前の魔法も答えてくれる。」
グレイ「ハル…」
ハル「歩けるか?」
グレイ「…あぁ…」
そして俺達は村に歩き始めた。
グレイ「もうすぐだな。」
ハル「あぁ、そうだな。」
だいぶ歩いて村の門が見え始めた。あれ?確か原作では……。少し考えて、答えが出た。このままいくと馬鹿扱いされかねないな。特にナツのやつに。それなら!
ハル「グレイ、少し我慢しろよ!」
グレイ「お、おいハル!俺は歩けるって!」
俺はグレイを背負い、片手にシルファリオンを逆手に持った。行くぜ!
ハル「うおぉぉぉぉ!!」
グレイ「のはぁぁぁぁ!?」
そのままダッシュ!そしてそのままの勢いで門を垂直にのぼり、門の先を思いっきり踏み込んで飛んだ!そして、
ダンッ!!
ハル「とーーちゃく!!」
そのまま着地。もちろん足はオーラで強化しておいた。
ルーシィ「は、ハル!?」
ハッピー「ワァオー!」
後ろではルーシィたちが騒いでいた。どうだぁ!俺の脚は!
ルーシィ「ハル、なんで普通に入ってこないの!?敵かと思ったじゃない!」
ハル「いや、なんかいやな感じがしてな。ギャグ的な方面の…」
ルーシィ「そんなことまでわかるの!?」
ルーシィとしゃべりながら門の近くを見たところ、やっぱりあった。一応聞いてみるか。
ハル「ルーシィ、あれは何だ?」
ルーシィ「(ギクッ!)あ、あれはねぇ、え〜っと…」
ハッピー「ルーシィが仕掛けた落とし穴だよ!」
ハル「ほう、あれが…」
ルーシィ「ちょ、ハッピー!…それよか、グレイはどうなのよ!」
無理やり話を変えてきたな。まぁいいや。
ハル「あぁ、グレイなら…」
グレイ「おぇぇぇ!?」
ハル「…違う意味でダウンだな…」
ルーシィ「何したのよぉ!?」
グレイはさっきの走りに酔ってしまったらしく、ゲ○をはいていた。さすがに急すぎたか。一言行っておけばよかったな。
ナツ「それより、まだあいつらこねぇな。」
ルーシィ「そういえば、ハル達より遅いなんて…。この隙に穴を隠すのよ!」
ハル「ルーシィ、残念なお知らせだ。その落とし穴じゃこの村を守りきれない。」
ルーシィ「なんでよ!?この村の入り口はそこしかないでしょ!?」
ハル「確かに入り口はそこだけだ。だが、わざわざ入り口から入る必要はないだろ。」
ハッピー「確かにそうだね。」
ルーシィ「じゃあほかに何があるのよ!」
ハル「俺の考えだとおそらく「な、何だあれは!?」…おいでなすったようだぜ…」
皆「「「「?」」」」
俺が空を見ながらそういうと、全員が空を見上げた。そこにはバケツを抱えた巨大なねずみか空を飛んでいた。
ルーシィ「空って!落とし穴の意味ないじゃないの!」
ルーシィが嘆いていると、バケツからこぼれた液体がルーシィめがけて落ちてきた。
ルーシィ「ゼリー…?」
そして当たる瞬間、
ナツ「ルーシィ!!」
ナツがルーシィを抱えて飛んだ。そして落ちてきたゼリーは地面を溶かしていた。あいつら、なんちゅう危ないもんを…
ルーシィ「ヒィッ!?」
ナツ「何だ、あのあぶねぇ匂いは!?」
てかナツ、お前そういうの匂いでわかるのか?
そして村の人達はゼリーの効力がわかったことにより、慌てふためいている。そんな中、ナツは上空のやつらの会話を聞いているのか、かなり怒った顔をしている。そしてついにあのねずみがゼリーをばら撒きやがった。
ルーシィ「こんなのどうやって防げばいいのよぉ!?」
ナツ「皆、村の真ん中に集まれ!」
ナツはそれを見て、ハッピーとともに空へ。
レット「早く!全員村の真ん中へ!」
ハル「いそげぇ!!」
俺達は村の人々の避難誘導をした。
ナツ「右手の炎と左手の炎、二つの炎を合わせて!これで吹っ飛べ!火竜の…煌炎!!」
ナツの攻撃で、ゼリーは四散し、中央に大きな穴が開いた。しかしその残りが村長に近づいている。
「村長!」
だがこっちも…
ハル「三百六十……」
準備万端だったりして!
ハル「煩悩鳳!!」
俺は村長に当たる前に近くに行き、アイゼンメテオールによる煩悩鳳を放った。これにより、村長には当たらなかった。後は…
ハル「ちょっと失礼。」
村長「何を!」
村長を抱え、シルファリオンで村の中央へ。
ハル「ふぅ。」
ルーシィ「ナイス、ハル!」
だが、ゼリーによって村は中央を残して溶けてしまった。幸い、怪我人もいなかった。そしてボボの墓は溶けていた。そこにユウカ達が現れて…
ドカッ!
ユウカのやつが蹴り飛ばした。あの野郎…
ハル「村の人達は外に!戦いに巻き込まれないように!早く!!」
村の人達「「「「「「は、はい!」」」」」」
村の人達は俺の指示通り村の外に。村長は皆して連れて行った。
グレイ「まだ…俺もいるぞ…!」
ルーシィ「グレイ!」
ナツ「お前も一緒に行け。足手まといだ。」
グレイ「ナツ、なめんなよ!「その通りだ。」ッ!?ハル!」
ハル「お前は怪我人。少しでも休んでいたほうが、リオンとも戦いやすいだろ。それに、村の人は誰が守るんだ?」
グレイ「!!」
ハル「村の人達を頼む。できるだろ?」
グレイ「…あぁ、わかった。」
そういってグレイも村の人達と一緒に外に向かった。