小説『ゼロの使い魔!?〜覚醒の邪竜〜』
作者:イザナギ()

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題名:治療に失敗、契約続行?

さて、部屋に戻ってすることになったのが、忘れていた、ルイズの説得だ。
一日留守にするっていったらなんか怒られた。

「タバサとの約束でね」
「だからなんでタバサにあんたを貸さなきゃいけないのよ!」
「彼女の母を治療するって契約を……どしたの?」

突然目を丸くし、驚いたようだった。
…………なんか変な事いった?

「あんた、回復できるの?」
「…………あ」
「……ばか」

そこか!すっかり忘れてた。そういえばルイズの姉って病気なんだっけ?
いやーうっかりうっかり。

「(私はそのために回復魔法覚えたのかと思ったのに)」
「(いやー、仲間とかにまとめて回復できたり、状態異常になったら治せるからさ、FEじゃ無理だし?だから、なんだけど。それに200年前だし)」
「(ま、いいんやないの?どーせ、治す気やったんやろ?)」
「(なに当たり前に会話に入ってるのさ)」
「(そうよ! あれ? ていうかそもそも誰?)」
「(マイやマイ。昨日は、ちゃんとした喋り方で、本来はこっちが素なんや。よろしゅうな)」
「(これはどうも)」
「(じゃ無くてさ。どこにいて会話に加わってるの? まぁいいや、どうせ立ち会うんでしょ? タバサの母親の治療に)」
「(当たり前や。ところでええんか? なんか怒ってるみたいやけど。ちなみにうちはあんたの部屋の前や)」
「え?」
「聞いてる?」

念話に集中しているうちにルイズが話を聞いてないことに気づいたみたいだった。

「もう一回」
「はぁ。ちぃ姉さまを治しなさいって言ってるのよ」
「なんで?」
「なんでって、私の家族で……!」
「関係ない。僕はタバサが気に入ったから治しに行く。そのちぃ姉さまとやらは知らないし、この国を見てると、礼を言うべき相手に礼を言わない人が多い。きみの家族を治したとして、ちゃんとお礼を言われるのかな?僕はね、基本的に人の思いを大事にする。礼を言わないようなやつに、なにかする義理は無いね」

ま、原作を覚えてる限りではそんな人じゃないみたいだけど。
物事に、絶対はほぼありえ無い。限りなく100%に近くても大概の場合一厘程度、可能性が残ってる場合はある。もっとも、この世界じゃなく、僕が元々いた地球での話しだけどね。

「ちぃ姉さまはそんな人じゃないわ」
「さて、それが本当に事実だとしても、僕は対価なしになにかを行うことは無い。今回のことでもタバサの母親の治療には、タバサ自身を対価にしている。無条件に治療するのは、信頼できる仲間本人か、相手を苦しめたり、脅したりするときだけだよ」
「う、うぅ……」

おっと、ちょっと殺気がもれたかも。まぁまったくなにも使わずにできることなんてない。走るのには体力や筋力が必要、とかそんな風に、どんなものでも必要なものはある。
それに見合う対価をルイズは提示できるのか。興味がある。
ちなみに苦しめたりするときに治療するのは、傷つける→治療→傷つける→治療→傷つけると、精神的にきついことができるからね。

「うぅー、思いつかないわ。そもそもあなたがなにをあげたら喜ぶか、なんてわからないし」
「そうだねぇ、タバサの母の治療が終わったら、君の姉の治療に入る。で、成功したら剣を買ってもらおうかな。もちろん、僕が選んだやつをね」
「え? そんなことでいいの?」
「この世界にはどんな武器があるか興味があるんだ。まぁ成功しなかったら賞金稼ぎでもして稼ぐだけだけど」
「わかったわ! ……ん、じゃあタバサの母親を治したらすぐに戻ってきなさいよ! すぐに出発するから」
「はいはい。じゃあ遅くても明日には帰ってくるから。これ、お守り。これもってたら護衛とりあえずはいらないから。じゃあ、いこう、ネオ。(マイ、外の広場に集合)」
「ん、れっつごー」
「やる気ないねぇ、ま、いいけど」

そういって窓から飛び降りた。
着地すると上のほうから声が聞こえたので手を振ってみた。……呆れていた。

そのままタバサとの集合場所に向かった。ちなみに、武器ってのは当然デルフだ。攻撃力とか、使える回数とか、命中とか特殊効果とか、すっごく気になるよね! ……ぼくだけか。


あ、マイがもういる。あっちにいるのは、タバサと、シルフィードかな?

「やぁ、そこの竜で移動するのかな?」
「……(こくり)」
「じゃ、よろしく」

シルフィードに近づいた瞬間、めっちゃ怯えられた。

「きゅいきゅい!(何者なのね、怖いのね!)」
「や、別に怖い存在じゃないし」
「きゅい、きゅいぃー!きゅい!(何いってるのね!お姉さまの目は誤魔化せてもシルフィの目は誤魔化せないのね!そんな禍々しい気配をしてる存在が、怪しくないわけないのね!)」
「怪しいって……」
「? さっきからなにを?」
「シルフィが、僕を怪しいって、あれ? みんなには聞こえてないの?」
「シルフィードは喋ってない」
「きゅいきゅい鳴いとっただけやな」

んー? ネオは聞こえてたみたいだけど、二人には聞かれていないって、どういう……、ああそっか、この右手のせいか。

「とりあえずタバサ、このままじゃ移動できないからさ。説得よろしく」
「……ん」

シルフィに近づいていくタバサ。そして……殴った。
いや最初はなんか話しかけてたみたい立ったんだけど、しばらくして話が通じなかったのか、ガツンと一撃。
…………すごい、教育方針ですね。

「乗る」
「うん、よっと」

ぱっと上に乗る。みんなもどんどん乗る。

タバサが出発、というと飛び始めた。

治療できる、といってもどれ程のものかわからない。でもいざとなったらネオに頼もう。が、問題はガリアの監視だ。ぼくにそんな政治みたいなこと、できるはずも無く。
すこし不安になりつつも僕たちはタバサの故郷に向かった。


そしてしばらくたつと、大きな湖が見えてきた。

「あそこが?」
「そう」

そのまま近くに降り立つ。きゅいきゅいうるさいけど、まぁシルフィードは気に入っているからいいや。
忠誠はとても大事だ。この世界では特にね。

「こっち」

タバサの案内で歩く。わずか歩くと大きな屋敷、というべき家があった。
そのまま歩いていくと老人が出迎えてくれた。セバスチャンで。

しばらくするとタバサがとまった。

「ここかな?」
「……(こくっ)」

少し躊躇っていたようだけど意を決したのか入っていき、僕たちもそれに続いた。

「誰ですか!? あなたたちは、私のシャルロットを「いいから眠っててや。イル・ウォータル・スレイプ・クラウディ・スリープクラウド」……」

とても強くこちらに言い放とうとした彼女を、マイが容赦なく眠らせた。ていうかこっちの魔法も普通に使えるんだね。いや当たり前って言ったらそうなんだけど。

「さて、状態異常は、毒、混乱、精神汚染、虚弱、などなど。睡眠は今無理やり眠らせたから別っと。奇跡的にというべきか、生きているし、まだ治せるものばかりだ。よかったね、タバサ」
「…………(///)」

顔が赤くなった。頭撫でてるからかな。なんか萌えがあるよね。無口っ娘って。……ネオは別だけど。ていうかこれも僕だけか。
……いくつか簡単にはいかないものもあるけどそれにしたって上級を複数回使えばいいだけだし。

「さて、えーと、まずは体力回復からかな。万物に宿りし生命の息吹を此処に、リザレクション!! これで体力は大丈夫かな。次は、卑しき闇よ、退け、リカバー。患い招きし元凶よ、退け、ディスペル!」

ここまでやったときに突然異変が起こった。
突然眠っていたはずの体が動き出し、奇声を発し、そして、また倒れた。
ただし、息が無い。

「回復をしようとしたら罠が発動する仕掛けか。もうなさそうだから大丈夫かな」
「なにのんびりしてんのや! どうすんねん!!」
「リヴァイブをかけておいたら楽だったかもね。彼の者を死の淵より呼び戻せ、レイズデッド!」

……平静を装っておりますが、実はかなりどきどきしております。
まぁ、あれだ。蘇生魔法あってよかったね!ってことで。そう思っていたんだけど、効果が薄い。

「っかしいな。しかも戦闘不能扱いのまま。死んでる状態からはもどすことができたけど、このままじゃ死んでるも同じ……。心臓もなってないけど、ほんとぎりぎりだね。あ。タバサ、しばらくこのままにして」
「なにを言っている!早く、母様治して!」
「落ち着いて。今の彼女は仮死状態。ほとんど心臓は動いていないけど、魔法の力でぎりぎり生きている。で、だ。ガリアの偉い人を此処に呼んで、死んじゃったから埋葬させてくれっていって棺にいれて埋める。そのあと、ガリアの偉い人が帰った後にまたよみがえらせる。簡単簡単」
「…………わかった。でも、失敗したら」
「そのときは契約どおり、僕を存分に使うといい。なに、ちゃんとした復活には、ちょっと考えがあるから大丈夫だよ。じゃあさっきいたセバスチャンに話を通して、終わったら、というか夜までには戻るよ。その間、ちょっと用事があるから」

ガリアで思い出した。まぁ時間的に一人じゃ無理だどね。

「ネオ、よろしく」
「はーい。面倒なことは丸投げってわけね」
「こっちもある意味面倒だけどね。足が無いからさ。……一度いった場所なら転移できるって、なんでFEスキルに含まれてるのかな?」
「……移動に困るでしょ?」
「いいけどね。助かったし。じゃあまた、すぐにね。マイは当然、タバサにもしものことが無いように、ね」

そういって分かれた。

ネオは王宮に、僕は孤児院に、それぞれ向かった。



理由は、わかるよね? 当然ジョセフとジョゼットさ。方や劣等感で方や何も知らない。僕は優しいから助けてあげようってわけなんだよね。


























あ、どうやって孤児院まで行こう? 一応場所はわかるけど。

あとがき

色々あり、だいぶ遅れました。……原作知識ほぼ皆無だからつらいです。100ぱー自業自得ですが。
ただ治療するだけじゃつまらんなー、ということと、流石に治療だけじゃまずいかな、という拙い考えの下、こんなになりました。
こんな駄作をお読みになってくださる皆々様。
これからも、暇で他にやることが無いときだけでもいいですので、よろしくお願いします。

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