小説『ゼロの使い魔!?〜覚醒の邪竜〜』
作者:イザナギ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

題名:決闘?いじめ?返り討ち!

「諸君、決闘だ!」

さぁやってきましたヴェストリの広場。
しかしうるさいな。貴族ってのは、そんな退屈な日々を送ってるのかな。
前世の僕でもこんなのには参加しなかったと思うけど。

「よく逃げずに来たね」
「そりゃ逃げるような相手じゃないし」
「その減らず口、すぐにたたけなくしてあげよう」

結構です、とか遠慮します、とか言いたい。けど言わない、200年以上生きてるわけだし、一応。

「決闘の礼儀だ。一応名乗っておこう。僕は『青銅』のギーシュ、僕のワルキューレがお相手するよ」

そういって、青銅製のゴーレムを作り出す。……戦闘力は高くないな。武器も青銅だから大して攻撃力もないし。こちらを侮ってるのか、一体しかない。余裕と油断は違うと思うんだけど。
まぁいいか、修行場所に飛ばされて一日目は僕もそんなんだったからね。
何で一日目だけかって?……いくら自分のステータスが高くて強いからって出てくる敵が全部防御力無視の上、一撃一撃が重いからできること全部やらないと勝てなかった。最初は屍兵からだったけど、ドラゴンが出たときはやばいと思ったなぁ。……じゃなくて、えっと、名乗り返したほうが良いよね、うん。

「じゃあ僕も名乗っておくよ。僕はギムレー。『覚醒』のギムレーだ。……カジュアル発動」

本当はね、邪竜のギムレーって名乗りたかったんだよね。けど、今そのことを教えるつもりは無い。
実際ちょっとイラついてるし。

「行け!ワルキューレ!」

青銅の槍を持ってこちらに近づいてくる青銅兵(ワルキューレ)。
僕がすることはイメージすることだ。ここはFEの世界じゃないし、それ関係の縛りも無い。素手で戦うこともできる。
けどだからといって素手で戦わなきゃいけないわけじゃない。
さて、僕のすることは輸送隊とほぼ変わらない。輸送隊は必要な武器や道具をすぐ手にもち、使えるようにする。僕はイメージすることで同じように武器を取り出せる。

……うん、修行中、武器は寝る場所にあって、そこから持ってくるんだけど、そのときに持ってった武器が壊れてものすごい動揺したのは秘密だよ。

話がそれた。取り出す武器の名は……木の枝。

「君はやはり馬鹿にしているのだね、その愚考、償うがいい!」

とかいってる。
そして向かってくる青銅兵を木の枝を振るい、一刀両断する。

青銅兵の攻撃!ミス!
ギムレーの攻撃!4623のダメージ!

イメージ的にはこんな感じ。……リミッターつけててこれか。けどおかしいな、リミッターつけてても僕の物攻は4623。木の枝は攻撃力1だったし、青銅兵の防御力が10だからダメージは4614と思うんだけど。

木の枝:物攻10:命中150:必殺10

え?何この魔改造。もしかしなくてもネオのせい?手加減が難しいんだけど!?普通の鋼の剣より強い。
確か鋼の剣は物攻9のはずだし。
…………あとで他の武器も確認しておこう。
ちなみに、カジュアルは生き物にしか反応しないようだ。

「ワ、ワルキューレ!?く、まさかマジックアイテムか!なるほど、もう手加減はできないな!」

そういって青銅兵を7体作り出し、こちらに突撃させる。
僕はすばやく木の枝からヌルファイアーに持ち変える。

「これで終わりだ、流星群!」

手から七つの炎が飛んでいき、青銅兵にあたり、爆発する。
……ま、元のステータスが序章の敵キャラ位しかなかったし。魔改造もちゃんとされてるしね!
現実逃避しつつ、今度は鉄の剣を持ち、一気に接近する。僕の移動範囲?FEで例えると、とりあえず20だけど何か?

剣の腹で杖(形はバラみたいだけど)を叩き落とし、剣を突きつける。

「どうする?貴族とやらのプライドを捨て、生き延びるか。それとも、プライドを守って、惨めに死ぬか」
「こ、降参だ!僕の、負けだ……」

うんうん、こういう潔いところは素直に好感が持てる。

「まぁ、元彼女らしい二人にはちゃんと頭下げることだね。それが一番の解決方法。そして、それが君を許す条件ってことで」
「そうだね……。すまなかった、八つ当たりしてしまって、その上負けてしまうとはね。これじゃ、彼女たちに嫌われてしまっても仕方ない」
「ギーシュ、君は彼女たちを蔑ろにしてしまったのが悪い。まずはその二人に死ぬほど謝って許しを請うといい。それからちゃんと見極めなよ。自分にとって、誰が本当に大事なのかを、さ」

そこまでいうとどうも感動したらしい。無言で礼をして、謝りにいくのか踵を返す。
そして、200年培ってきた勘が警報を鳴らす。
僕に対して、というより、ギーシュに対して、だった。

「ギーシュ!危ない!」
「え?なにがだい?」

素早くギーシュを掴み、観客のほうへと投げる。
そして瞬間――――――――――風の塊が僕を襲い、勢いで人のいない壁にたたきつけられた。

「ふん、平民風情が、貴族に逆らうなどあってはならんことだ」
「ギトー先生!?何故こんなことを!」
「決まっているだろう?平民に貴族が負けるなどあってはならないこと。その汚名が漏れぬよう始末しただけのこと。それに平民が連れていた女子は中々いい姿だった。スクエアの貴族である私にこそ相応しい」

「本当に哀れだね。いい加減、僕も許せなくなってきたよ」

そう、たったこれだけ声をかけるだけで酷くうろたえる。
本当に、くだらない。ていうかダメージゼロだし。魔防のほうが僕高いんだから。

「ギトーって言ったっけ?決闘を邪魔したって事は、君が代わりに戦うってことでいいのかなぁ?」
「ふ、ふん!ドットであるギーシュ君を倒し、手加減したとはいえ、スクエアたる私の魔法を防いだとはいえ、いささか調子に乗りすぎではないかね?」
「いちいち五月蝿いよ。僕が聞いてるのはそんなくだらない事じゃあない。戦うか、否か。たったそれだけ。それすらも答えられないっていうんだったら、君は相当な馬鹿なんだね」
「いいだろう!私が君を倒してやろう!私は『疾風』のギトー!スクエアの私の手にかかって散ることを誇りに思うがいい!」

そういうと詠唱をし、四人に増えた。
僕はというとカジュアルを発動し、銀の剣を装備していた。当然魔改造済み。
あとロングボウももっている。魔改(ry

「「「エアハンマー」」」

偏在が魔法を放ってくるけど効かない。魔力は高めだけど、魔導師のレベル20ぐらいで、ウィンドくらいの威力しかない。
ロングボウに持ち替え、偏在に反撃する。

一瞬で消える偏在。

「これで終わりだ!カッタートルネード!!」

と、たしかスクエアで風の中で一番強い風魔法だっけ?
やれやれとおもいつつ、ウィンドに持ち変える。……レクスカリバーは周りに被害が大きすぎるからね。
うん、僕って優しいよね。

「ウィンド!」

切り裂く竜巻と、風の塊がぶつかり合う。凄まじい爆風が発生し、観客はふきとびそうだ。あ、丸いのが吹っ飛んだ。ご愁傷様。

「ぐはぁっ!!ば、ばかな!?私の最強の魔法が敗れるなど!?」
「つくづく救いようが無いよね。もう降参なんて認めないよ。一度、虐げられるものの痛みを味わうといい」

銀の剣を装備し、ゆっくりと、一歩一歩近づいていく。

「こ、降参だ!助けてくれ!」
「つまらないなぁ。ここでこそ貴族の誇りってやつの出番でしょ?貴族に平民風情が負けるなどあってはならないこと!くくく、あんた、年いくつだよ。ほら、平民風情に負けてはならないんだろ?たって一矢報いてみなよ」
「く、くるなぁ!!」
「ホントつまらないよ。ほっとけば良いとも思うけど……目障りだ。消してあげる」

ちょっとネタが入ったけど気にしないで。
一気に加速し、ギトーに近づく。そして……躊躇い無く突き刺した。

「ぎゃああっぁぁぁぁあぁぁっ!!!!!!!!」
「ほら、痛いだろう?死って怖いだろう?そんな当たり前のことを、君たちはその平民風情にやってきたんだよ?その痛みを一度味わうと良いよ。ほら、こんなにたくさん、君の血が流れてる」
「やめ、助け、ぐあぁぁあぁあぁあぁぁあぁああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

言ってる間にも切り刻む。手、足、腕、腹、腿、肩……。
その度に苦しむ姿、本当は頭を切っても死なない。カジュアルはどうも死んでも瀕死まで回復するみたいだからね。事実一部傷が治ってるし。

でも、やめない。あえて即死しないところを狙って切る、切る、切る切る切る切る切る切る切る…………。

「あ、あ、あ、あ、あ」

とうとう、声も出せなくなった。周りからも嘔吐の声が聞こえてくる。
そして、そろそろ一分。

パッと眩い光があたりを包む。

「ジャスト一分。いい夢は見れたかな?」

『え?』

あ、驚いてる。それはそうだ。だって血塗れだったギトーが、傷どころが、服一つ傷つかずにただ気絶してるだけだから。

「さて、ネオ、行こうか。眠くなってきたから。木陰で一緒に寝よう?」
「うん、いいよ。じゃああっちに行こう?」

そうして僕らは広場から去っていった。
木陰までやってきた。だから眠る。

ちなみにさっきのは邪気眼とかそういうのじゃない。ってかそんな能力もらってないし。
ネオに(念話で)頼んで、光を発生してもらう。その瞬間リライブで回復。それだけ。
凄いよねー、傷を回復すると服も元通りになるんだから。

では、お休み。……ZZZZZZ


後書き
なんかグロい?やっと残酷さが出せたっていうか、そんな感じ。
主人公は200年くらい殺し続けていたので味方じゃなければ躊躇いありません。
今回ギトーを殺さなかったのは原作がこんな初期で壊れるのは嫌だ。ということだけです。
まぁもっとも、サイトがいない時点で壊れてますがそれに気づいていません(笑)。
では次回まで御機嫌よう。

-7-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える