小説『ゼロの使い魔!?〜覚醒の邪竜〜』
作者:イザナギ()

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題名:タバサの襲来、転生者の存在

眠るのって気持ち良いんだよ。起きたくない。けど起きて、ネオをルイズの部屋へ運ぶ。
道は覚えたからね。あ、ちゃんと布団はあったよ。約束はちゃんと守るみたいだ。感心感心。
そうして人に会わないようぶらぶら歩く。
そして夜、昼間の決闘のあたったヴェストリの広場に着いた。
目的はリーヴラシルのルーンの効果の確認だった。
そう、だったんだ。

「もう出てきたら?ここには僕と君以外誰もいないよ」
「……気づいてた」
「当然。気配隠すのは上手みたいだけどそれだけじゃ足りないよ」

隠れていたのはおなじみ(?)のそう、タバサだ。原作では一番好き。どこが、とか言わないでよ?原作あんまり知らないんだから(作者が)。

「……いくつか聞きたいことがある」
「さて、どうしようか、な。まぁ可愛い子の願いを無碍にするのは心苦しい。言える範囲だったら教えてもいいよ」
「……あなたは、何者?」

直球だなー。隠し事はしても、うそはつかないタイプっていうかなんというか。
さて、どうしたものか。

「ははははは、なかなか難しい問題だね。僕が何者か、か。参考までに聞こう。君は、僕は何だと思う?」
「少なくとも、人ではない」
「うわっひっどいなー。ま、正解。他には?」
「……邪竜」
「!」

やばいポーカーフェイスが崩れそう。超びっくりした。
どうして知った?なんでわかった!?

「朝、ルイズが大きな声で言っていた」
「あれか!?まさかそっからなんて……」
「ん、違う。それだけだったら例え昼の決闘でも、信じなかった。ただ、聞いた」

聞いた?ルイズ以外に僕の正体を喋っていない。ルイズにしたってあのとき以外は言っていないはずだ……!

「友達。あなたのこと、邪竜だって。……異世界からきた、竜」
「…………GREAT。そうだ、僕は邪竜。ギムレーだ。それを知ってなお近づくか、人間」
「……あなたにお願いがあってきた」
「それは、復讐か、それとも……母を治すためかな」
「!!」
「さて、君の名前はなんていうのかな?まずは、自己紹介からだ。人ならざる僕に交渉するなら、そこからだよ」

平静を装ってるけど結構やばい。つまり、タバサの友達には転生者がいる。そういうことだ。
そいつはいったいどんな能力を持っているのだろう?自我以外は完全にギムレーと同じになった僕を殺すのは無理だろうけど、それでも怖い。
……そいつが原因で未来がずれる可能性が。

「…………タバサ」
「ギムレーだよ。さて、君の願いというのは?条件次第ではかなえてあげるよ」
「治してもらいたい人がいる」
「母親、か」

こくん、とタバサがうなずく。

「その、友達とやらに頼んでみたのかい?」
「みた」
「でも、出来なかった、か」

うなずく。なんか話づらいな。まぁそれがタバサの持ち味か。

「さて、此方の条件は二つ。一つ目は、そうだな、タバサに僕のことを教えた人物の名前と性別、強さを教えてもらおうかな」
「…………」
「睨まないで欲しい。うーん、例えば君が話しかけられたとき、君が知らない相手が君を知っていて、しかもそれを教えてくれた人がいる。となれば知りたくなるのは道理でしょ?」

一応納得はしたのか話し出す。ま、名前と性別とどれくらい強いか、なんて聞いたところで問題は無い、って思ったんだろう。

「名前は、マイ・カミナリ・シュヴァリエ・ド・フォル・テッシモ。女。強さは、よくわからない」
「…………わからない?」
「少なくとも、私よりは強い。……けどたまに私の魔法が効かなかったり、極端に強く効いたりする。魔法のクラスはトライアングル。だけど、私たちの魔法とは少し違う気がする」

うーん、とりあえず女だから多分強欲に行動に出たりはしないだろう。
特に気になるのは効かなかったり、逆にものすごい効いたりすることがある、ということだ。

名前から少しは能力がわかるんじゃないか、っておもったけど。
マイ・カミナリ、か。効いたり効かなかったり。ん?元日本人ならカミナリ・マイ。雷は昔神鳴って呼ばれた。電撃系?んな安直な。…………まてよ?耐性が、変わる?

と、頭の中でなにかが組み合わさった気がした。

神鳴→鳴神→鳴上   マイ→MY→YOU→ユウ→悠

当然これはこじつけだ。
けど、もしこれがあっているなら結構危険だったりする。
確認が必要か、な。

「もしかして使うときに、ペルソナ、とかいってない?」
「……いってた。あと他にもヨシツネ、とかイザナギ、ジャックフロスト、とか」

はい正解でしたペルソナだったよ。うーん、これはやばいな。
万能属性以外はスキル引継ぎで作られた耐性もちのやつだと効かない可能性がある。
あ、でも極端に効いたりするってのは結構重要かも。僕のスキルを使えばそこをつける。

「なるほど、ありがとう。さて、次の条件だけど。…………タバサ、僕のものになれ」
「!!」
「正確には、君の母親が治ったら、だけどね。そうしたら僕に忠誠を誓ってもらいたい。といっても君が心から嫌がることはさせない。ただ僕のために、働いて欲しい。ある程度の自由は残そう。僕が仕事を出していないときは自由にしてくれてかまわない。君は君のしたいように、ね。友達も作ってかまわない。恋もたくさんするといい。だがその中で、僕を最優先に行動すること。これが僕の出す条件だ」
「……構わない」

これには僕が驚いた。ある程度の自由、とはいえ僕が命令しまくってしまえばそんなことは関係ない。

「さて、本当に構わないんだね?契約は絶対。君は僕のものになるんだ」
「かまわない、それで母様が治るなら。けど、私にも条件、ある」
「ま、いいか。聞くだけ聞こう」
「もしも失敗したらあなたが私のものになる」

瞬間、頭が真っ白になる。
WHY?

「は?」
「あなたが、私のものになる。あなたが私にだしたのと同じ条件で」

タバサがなにを考えているか、わからない。ネオと違って、心を読むなんて、出来ないから。
だけど、いや、だからこそ、かな。……とても愉快だった。

「はははははははは!君が、僕を従える、か。面白いこと、いうなぁ。くくく。ああ、構わない。ただ、闇は平等を好まない。だから、治ったら忠誠だけじゃない。身も、心も全て僕にささげてもらおう」
「……ん、わかった。交渉は?」
「成立だ。くくく、とても可愛い顔をして、君は凄いことを考えるね」

そういい、撫でる。わしゃわしゃ、じゃなく、撫で撫で、だ。
やばい可愛い、というか手触りいいなぁ。

「っ///」
「可愛いなぁ。さて、もう帰りなよ。可愛い子羊はこわーい怖い狼に食べられちゃうよ?」
「羊じゃ、無い」
「いいから、ね?」

そういって帰らせる。
ちょっと耳が赤く見えたのは気のせいじゃないといいなぁ。

「ほんと、タバサは可愛いよねぇ。…………そう思わないかい?マイさんとやら」
「気づいていたの?」
「当然」

背後の闇からさきも話しに出た転生者。マイ・カミナリ・シュヴァリエ・ド・フォル・テッシモが現れたのだ。

……転生者同士の出会いは、物語にどんな影響を及ぼすのか。
それはまだ、神でさえ知らない。

「んー、むにゃむにゃ」

……というか寝てた。


後書き
前回忘れてましたが、スキルの説明です。
ご存知のとおり、今作品はFEの世界の戦い方、というよりもアクションのような戦い方になっています。
流星群は、だからこそ出来る複数同時攻撃スキルです。
簡単に言えば、攻撃範囲内の敵に攻撃力三分の一で攻撃範囲にいる相手を5〜10回分攻撃を命中させます。
ま、いわばマシンガンです。連続でうち、近くにいる相手をとにかく撃破する、という意味で。
なお、今作品では、魔法の射程は魔力に依存します。
ギムレーの魔力であれば、例えば最終ステージの端から端ぐらいまで魔法を届かせることが出来る、くらいです。
質問が何かあれば申してください。質問に対する答えが決まっていれば後書きに書きますので。

では、次回までごきげんよう。

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