小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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開始!ソーナの家族の救出作戦!


シトリー眷属を学園に集めさせ、俺たちも学園に集まった。


「念のために皆に御守りを渡す」


大天使化となって翼を羽ばたかす。その際に羽は弾丸のように皆の体に当り融けていくように消えていった


「兵藤、何にも感じないんだけど・・・・・?」


「御守りだからな。仮に戦闘でもなったらその時に発揮するぞ。それじゃあ、アルマスさんから貰ったもので

冥界に行くぞ」


懐からグレモリーの紋様が刻まれた紙を取り出し、リインとユニゾンして魔力を流し込む。俺たちの足下に

巨大なグレモリーの紋様の魔方陣が展開して俺たちの視界を奪うほどの光が発生した!


カッ!


光が収まり、次に視力が戻る頃には久しぶりに見たグレモリー本邸だった


「久しぶりに来たなぁ・・・・・」


「一誠、感傷を浸っている場合じゃないでしょ」


「そうだった。それじゃあ―――」


『イッセーくん!』


「行こうか」と言おうとしたら俺の言葉を遮るように驚愕の声音を発した人物たちがいた。

―――アルマスさんとヴェネラナだ。あっ、ミリキャスもいた


「急にどうしたのかね?こんなに大人数で私たちの家に現れて・・・・・。おや、ソーナ殿・・・・・。

どうしてイッセーくんと此処に?」


「―――ソーナさん。ヴァレフォール家の次期当主の方と結婚すると聞きましたが・・・・・。本当なの

ですか?冥界中、あなたとヴァレフォール家の次期当主と結婚式を挙げると知れ渡って

おりますが・・・・・」


「ヴェネラナ、実はそのことで俺たちは冥界に来たんだ」


「・・・・・何か、事情がありそうね。話してくれるかしら?」


俺は頷き二人にも冥界に来た理由を数分の時間を使って話す


「そう、ソーナさんのご両親が誘拐されているかもしれないのね?」


「最悪、そうかもしれない。だから、俺たちは一度ソーナの実家である本邸に向かおうとしてアルマスさん

から貰ったこれで来たんだ」


「なるほど、良い判断だ。ところで、娘のリアスたちには?」


「いえ、伝えておりません。これは私たちシトリー眷属―――私の家族の問題でもあります」


ソーナは俺たちを一瞥してアルマスさんに告げた。


「・・・・・この事、サーゼクスは?」


「解らない。もしかしたら知らないのかもしれない。―――訊いてみるかね?」


俺は頷く。アルマスさんはサーゼクスに連絡をしに踵返して家に戻っていった。そして数分後


「どうやらサーゼクスにも知らなかったようだ。本来、こんなことはあり得ないのだが・・・・・」


「それで、何て?」


「『彼女を連れてくる。そう彼に伝えておいてください』と言っていた」


・・・・・怒り心頭で現れてくるかもしれないなぁ・・・・・と思っていたら三つの魔方陣が本邸に現れて

光と共にサーゼクス、グレイフィア、レヴィアタンの三人が現れた。そして、レヴィアタンが一気にソーナに

駈け寄る


「ソーナちゃん!一体どういうこと!?どうしてソーナちゃんがイッセーくんとじゃなくてヴァレフォール家

の次期当主と結婚するの!?私、そんなの認めないよ!」


「私だってイッセーくんと以外結婚なんて考えません!・・・・・じゃなくて、大変なんです!

もしかしたら、お父さまとお母さまが誘拐されているのかもしれないんです!」


「誘拐!?なんで!どうしてぇ!」


困惑するセラフォルーに再びサーゼクスたちにも事情を説明すると・・・・・。全身に冷気のオーラを漂わせ

始めたセラフォルー


「その悪魔、氷漬けにしちゃっていいかな?今すぐに」


「ソーナとセラフォルーの家族を見つけ次第にやっちゃっていいぞ」


「うん、解った・・・・・。絶対に許さないよ・・・・・!」


静かに怒るセラフォルー。始めてみたな。セラフォルーが怒る顔を・・・・・


「サーゼクス。気づかれないようにそっちからも探してくれないか?」


「解った。『禍の団』と繋がっていれば軍を動かせるのだが・・・・・」


「いやいや、もう流石にないだろう。・・・・・言い切れないけど」


魔王にも協力を得たことだ。見つかるのは時間の問題か・・・・・?いや、そんな簡単には行かないだろうな


「それじゃあ、俺はソーナとシトリー眷属とシトリー本邸に向かう。他の皆は作戦道理に動いてくれ!」


『了解!』


皆、とある機械のスイッチを押すと皆の姿が消えて行った。そして、気配が遠ざかっていくのが解った


「兵藤くん、今の機械は姿を消す効果がある機械なのかね?」


「見ての通り、その通りだ。俺たちの家族に研究者たちがいるのは知っているだろう?そいつらは

天才なんだよ」


「姿を消して魔力も感じさせず動かれたら厄介だね」


「気を探れば何処にいるか解る。それじゃあ、俺たちはシトリー本邸に向かう」


「それなら、私たちの車で向かいなさい」とアルマスさんが一人の執事に指示すると執事がいなくなって

数十秒後、リムジンが俺たちの前に移動して来た


「どうぞ、お乗りください」


「いいのか?」


「構わないよ。さあ、行きなさい」


「―――ありがとう。お義父さん」


俺はアルマスさんに感謝を言い、リムジンに乗り込む。ソーナと椿姫、匙たちもリムジンに乗り込む


「それでは、シートベルトを着用してください。―――飛ばしますよ」


『・・・・・え?』


ブオオオオォォォォン!ブオオオオォォォォォン!


あ、あれ?リムジンにしちゃあ、五月蠅い音が聞こえるなぁ?


「いっきまぁーすっ!」


ドンッ!


『―――!?』


執事はアクセルを踏んでリムジンを動かす。―――ジェットコースターを乗った気分並みに・・・・・


「ひゃっはあああああああああああああああっ!!!」


この執事!人が変わっているぞおおおおおおおおおおお!?



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「お見えに成りました。ソーナさまの実家、シトリー本邸でございます」


『・・・・・』


数時間掛けてソーナの実家の付近に着いた俺たちは戦う前からグッタリとした。ぅぅぅ・・・・・。

吐きそうだ


「大丈夫でございましょうか?」


『な、なんとか・・・・・』


よろよろとリムジンから降りる


「それでは、皆さま、ご武運を」


執事はリムジンの扉を閉めると砂埃を上げながらこの場から遠ざかっていった


「と、取り敢えず。回復を」


腕を突き出して、皆に金色のオーラを浴びせる。ソーナたちは次第に顔の表情が元に戻っていった。

今度は俺だ・・・・・。ふう、落ち着いた


「ありがとう、助かったよ」


「どういたしまして。・・・・・それにしても此処がソーナの実家かぁ・・・・・。グレモリー先輩の家と

負けていない大きさだな」


森から見える巨大な建物、まるで要塞と城をくっつけたような感じだ。さてと


『boost!』


シトリー眷属たちに力を譲渡した。一気にオーラが跳ね上がったのが一目瞭然


「うわっ!・・・・・?な、なんだ?力が漲ってくるぞ!?」


「能力を奪う神器『強奪』の能力だ。俺が今、したのは、成神の『赤龍帝の籠手』の能力を奪った能力、

奪った能力は奪われた能力以上の力が得るんだ。例えば匙、お前のあの鎧の使用時間は三時間だ。魔力も

通常の倍に増えたぞ」


「マジか!?」


「匙、龍王化を使わずに鎧を纏って行動しろ。なるべく早く慣れるようにしないとダメだ」


俺の指示に頷く。本人も解っているようだな。


「ソーナ。ソーナの実家に牢屋とかあるのか?」


「はい、場所は庭の隅にある小屋です。その小屋に隠し階段があり、地下へ続いて牢屋に辿り着きます」


自分の家を見ながらソーナは言った


「そうか。えっと・・・・・?」


空間に歪みを生じてそこに頭と両腕を入れて何かを探す。お、あった、あった。


「懐中電灯?」


匙が疑問を浮かべて言った。そう、俺が手にしているのは懐中電灯だ。―――ただの懐中電灯じゃない

けどな?


「ソーナたち、一か所に集まってくれるか?」


「・・・・・?」


不思議に思いながらも皆は一か所に集まってくれた。俺は懐中電灯のスイッチを入れて光をソーナたちに

浴びせる。するとどうだ、見る見るうちに皆は小さくなっていったではないか!


『な、なんじゃこりゃ!?』


『わ、私たちが小さくなっちゃったぁ!』


『ど、どういうことなんです!?』


「悪い、流石にこの人数で静かに動くのは難しいから皆を小さくさせてもらった。ほら、手に乗ってくれ」


申し訳なさそうに言いながら皆の前に手の平を差し伸べた。皆は可愛らしく俺の手の平に上がってそっと

俺の顔の前に動かす


『うおおおっ、兵藤の顔がデカイ!』


『こ、怖い・・・・・』


『だけど、私たちが小さくなるなんて凄い体験だよ!』


「ちゃんと元の大きさに戻すから安心してくれ。とりあえず。此処に入ってくれ」


二つの胸ポケットに数人ずつ入れる。匙は二村と花戒と一緒だ


『凄い光景だな。全部デカイ・・・・・』


『この体で満足いくまでケーキを食べれそう!』


『それ、良い考え!』


その発想は既に実証済みだ。芋虫のようにケーキに穴をあけて食べる姿だったぞ・・・・・


「さて、行くか」


エクスカリバーオルタの能力で姿を消し、ソーナの実家に赴く。歩を進めると巨大な門が俺を

出迎えてくれた。


「ソーナ。こっから見てどっちだ?」


『本邸の裏にあります』


「解った」と空間に穴を生じて其処に潜り、巨大な門を超えて中にはいる。そのまま縮地法、瞬光で裏に移動

して小屋を見つけた。錠が掛けられているがもう一度穴を生じて中に潜り小屋の中に進入した


「小屋の中に着いた。ソーナ、隠し階段の行き方は?」


『足下の敷物を退かしてください。そこに扉がある筈です』


彼女の言う通りに敷かれていた物を退かすと確かにあった。扉を開け放つと暗闇へ続く階段があった


「うわぁ・・・・・。いかにも何か出ますって感じがするぞ」


『お、お化けはでないですよ・・・・・ね?』


『あははは、二村。お化けなんて出る訳ないぜ』


ポケットから顔を出して怖がる二村に笑い飛ばす匙


「突入するとしますか」


牢屋に続く階段を下りる。かなり暗いなぁ・・・・・


「此処にいると思うか?」


『解りません。ですが、怪しいと思う場所を徹底的に探し出しましょう』


『兵藤くん。明かりをつけなくても大丈夫なの?』


「ああ、修行で闇の中で戦うこともしているから慣れている。悪魔は見えるのか?」


『不思議と辺りが真っ暗でも見えるんだよな。悪魔だからか?』


悪魔って意外と便利なものか?


「ところでソーナ。牢屋に入れられて奴っているのか?」


『いえ、解りません。ただ、牢屋のある場所と行き方しか教えてもらいませんでしたし、絶対に中に入って

はいけないと何度も言われました』


「どうしてだ?」


『怖いものがあるとそう言われました』


その言葉を聞いて俺は歩を止めた。


「なあ、絶対に入るなと言われている牢屋にソーナの家族がいるとは思えなくなってきたんだけど、

どうすればいいか?」


『・・・・・このまま進んでください。今の私は昔と違います。この目で確かめたいです』


「了解、お姫様」


さらに階段を降りる。すると、赤い扉を見つけた。


「開けるぞ」


『・・・・・』


皆は緊張しているのが解った。俺もちょっと緊張気味だ。この扉の先に何がある・・・・・?


ギ、ギ、ギィィィィィィィ・・・・・。


錆びているのか中々開かない扉だが、少しずつ開いていった。扉の先は真っ暗だった。まるで俺自身が闇の

中にいるようだ


「・・・・・なんか、いるな」


金色の翼を展開して翼から眩い光を発光した。暗かった牢屋は光によって消えていき、その姿を見せていった


『・・・・・』


「おいおい、なんだよ。あれ・・・・・」


ソーナたちはある物を見て固まった。俺は少しだけ驚いた。俺の視界には巨大な氷が佇んでいた。その

氷の中には巨大な魔物らしき怪物が閉じ込められていた。


『こ、こんな巨大な魔物が牢屋にいたなんて・・・・・!』


『でも、どうして氷漬けに・・・・・?』


「さあな。予想以上に強くて倒すことが出来ないから氷漬けにして此処に閉じ込めたんだろうな・・・・・。

それに―――ソーナの家族が此処にいないことが解った」


『ど、どうしてですか?』と二村が質問して来た


「―――巨大な氷から邪悪な魔力が滲み出ているんだ。つまり、この巨大な氷はソーナの家族がいることで

封印されていたものだと思う。見ろ、氷が溶けだしているぞ」


『・・・・・ほ、本当だ』


ポタポタと氷が溶けだしていったのをシトリー眷属の草下が声を震わせながら言った


「ソーナの家族がこの家にいないと言う事はこの巨大魔物の封印が解かれる。それが―――何よりの証拠だ」


ビキビキと氷に罅が生じた。俺は胸ポケットからシトリー眷属を床に置いてさっきの懐中電灯を取り出して

光を浴びさせる。今度は皆の体が元の大きさに成った


「ソーナとシトリー眷属。あの魔物を討伐しよう。それから此処に出よう」


「はっ、何言っているんだよ!?会長の両親を助ける為に来たんだろうが!」


「勿論そうだ。でもな?あの巨大な魔物を放っておく訳にはいかないだろう。こいつを放っておいたらこの

牢屋から出て冥界を荒らすぞ」


『・・・・・っ!?』


ことの重要さが気付いたのか顔に焦りの色が見えた面々


「大丈夫だ。お前たちならあの魔物を倒せる。ソーナ、ソーナは俺たちの修行で見につけた力を俺に見せて

くれ。椿姫、あの長刀の力を使う時だ。匙、お前はあの姿で魔物に勝って見せろ。そしたら、

成神に近づける筈だ」


『・・・・・』


バキッ!バキッ!ピシッ!ビキッ!


「他のみんなもそうだ。あの魔物を倒して強くなるんだ」


『・・・・・』


俺が皆に話かけている間に氷が全体に罅が入った


「あの魔物を倒して自信を持て!シトリー眷属!」


ドッガアアアアアアアッ!


等々、氷が砕け散った。氷の中にいた魔物は凶悪な牙を俺たちに覗かせて赤い眼光を煌めかせて俺たちを

見詰める。まるで、獲物を見つけたかのような目つきで


ゴガアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!


巨大な魔物の咆哮が牢屋全体に響き渡らせた!


「禁手ッ!」


匙は『黒邪の龍王の黒炎の鎧』を纏った


「今こそあなたの名を付けましょう。私の相棒―――冥琳」


椿姫がザナドゥで買った冥魔生産の武器に名前を付けた瞬間、長刀が一際脈を打った。長刀が光輝きだし、

装飾も宝玉も特に普通の長刀が姿を変えていった。刃がさらに大きく鋭利に、刃と柄の間に深紅の宝玉が

挟まっていて、柄全体には黒と金の色で染まっていた


「さあ、私の水芸、とくと披露しましょうか」


ソーナの周囲に水のオーラが集まりだした。


「ソーナ、水の心配はするなよ!ちゃんと用意する!」


『無限創造龍神の錫杖』を発現して膨大な量の水を創りだす。他のシトリー眷属も得物を構える。俺も炎の翼

と金色の翼を展開してエクスカリバーオルタを帯剣から抜き放ち戦闘態勢に入った


「行くぞ!」


『了解!』


俺とシトリー眷属たちは謎の巨大な魔物に飛びだしていった!



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