小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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「えー、次は体育なんだが今回は他のクラスと合同でやることになった」


「マジですか?」


「ああ、マジだ。しかも全校のクラスと」


全校のクラスと合同体育だと?クラスメートたちはざわめく。その中手を挙げる一人の男子


「先生、男女混合ですよね!?」


「男女別よ!」


一人の男子が言うと食ってかかる一人の女子。先生の口からは


「当然、男女混合だ」


「「「「「「「「「「しゃああああああああああああああああああああああ!」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「えええええええええええええええええええええええ!?」」」」」」」」」」


喜ぶ男子、不満の声を上げる女子、見事に二つに分かれた


「あの、体育の内容は?それと、どうして急に?次は社会の筈では・・・・・?」


「理事長直々の通達で今日一日はスポーツ大会にするとのことだ」


サーゼクスが?何を考えているんだ?


「ほら、さっさと体操着に着替えて外に出ろ」


「先生、俺はどうするべきですか?」


俺は手を挙げて質問する体は女だけど心は男だぞ。どうすればいんだ?


「兵藤くんは私たちと一緒に着替えるのよ!」


「何を!?俺たちと一緒に着替えるんだ!」


「野獣の群れに私たちのお姉さまを放り込んだら喰われちゃうわよ!というか、今の兵藤くんは女の子の

体だからダメに決まっているでしょ!」


「俺たちはそんな目で見ないぞ!俺たちは友情の絆というもので結ばれているんだ!卑猥な目で

みるもんかよ!」


と、喧嘩が勃発した。すると先生が手を叩きクラスメートたちの視線を集中させる


「あー、こうなると思って考えていた。兵藤は一人で着替えてもらうぞ。それでいいな?」


「まあ、当然の配慮ですね」


俺は不満もなく当然だと頷く。クラスメートたちは渋々ながらも納得した。


「それじゃあ、男女別れて着替えるように。着替え終わったら―――」


「はい、着替え終わりました」


「「「「「「「「「「・・・・・え?」」」」」」」」」」


「先に行ってきます」


体操着に早く着替えて唖然としているクラスメートたちを気にせずに先に校庭に赴く


「そう言えば龍牙たち遅いな。何しているんだ?」


「ああ、説教されているぜ?今頃は戻ってきていると思うぞ」


「アザゼルか」


靴に履き換えようとしていたところにアザゼルが俺の背後に立ち声を掛けてきた


「そっか、まあどうでもいいか。ところでさ、どうして急にサーゼクスはこんなことを?」


「さあな、俺も詳しくは知らない。肌寒い季節だから運動でもと思ったんじゃないのか?」


「そう、となると体育の内容は何なんだ?」


「それこそ俺も知らないんだよ。何故か、サーゼクスが自ら此処に来ると言っていたしな」


・・・・・訳解らないぞ。サーゼクスの真意と言動が


「まっ、気楽に楽しめばいいさ」


「・・・・・そうする」


頷き、グラウンドへと歩を進める。まだ、誰も集まっていなかった。


「・・・・・もうこんな季節に成ったか」


肌に突き刺さる冷たい感触を感じながら呟く。


「んー、お父さんたちは今頃何処にいるのかな?」


行方知れずの両親のことを考える。ふと、多くの気が感じた。他のクラスの奴も来たかって、

俺のクラスじゃないか。意外と早かったな。すると、一人のクラスメート(女子)が話しかけてきた


「兵藤くん、寒くないの?」


「ああ、寒くないぞ。・・・・・寒いのか?」


「う、うん・・・・・」


「今は寒い季節だからな。風をひかないようにしないと」


一人の女子にそう言うと「はふぅ・・・・・」と熱が籠もった息を吐いた


「兵藤くんって今は女の子なのに男子の体操着って変だね」


「それはしょうがない。これしかないんだからな」


「ね、ねぇ・・・・・?もしよければ、抱き締めていい?」


「ん?別にいけど」とモジモジと仕草をする一人の女子に了承すると「し、失礼します」と言って俺の胸に

顔を埋めるようにして前から抱きついてきた


「うわぁ・・・・・。本当に女の子の体だ。しかも柔らかくて、良い匂いで温かい・・・・・」


「女の体で女の子を抱き締める感覚って変だな。始めて味合う感覚だ」


頭を掻きながら感想を言う。


「で、もういいか?」


「ん、もうちょっとだけ」


「・・・・・周りを見てみろ」


彼女は胸に埋めていた顔を離し周囲を見ていた


「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」


俺とこの子の周囲にはクラスメートたち(女子)が囲んでいた。不穏なオーラを出して・・・・・。


「・・・・・」


「で、まだやるか?」


「・・・・・いえ、もう良いです」


体を別の意味で振るわせ俺から離れて俺の横に並ぶ。この子は俺の横に並ぶ子だったので運が良かった

かもしれない


「みんなも早く並ぼうな?」


「「「「「「「「「「は、はい!」」」」」」」」」」


並んでいない女子たちに微笑むと赤面して素早く並んだ。うん、早いな。その後、次々と全校の生徒たちが

グラウンドに集結し、十数分でグラウンドは全校の生徒によって埋め尽くされた。少しして大勢の教師たちが

続々と現れる。先頭には紅髪の男―――サーゼクスが教師たちの先導をして現れ、ゆっくりと壇上に上がった


「おはよう。みんな、私はこの駒王学園の理事長、サーゼクスだ。今日は急遽、球技大会をする事にして

もらうことにした。理由は寒い中でも体を動かすことが大切なことだと認識してもらいたいからだ」


ふーん、魔王代理がそんな理由で・・・・・。他にも何かありそうだな


「それともう一つ、皆に知って貰いたいことがある。―――兵藤一誠くん。こっちに来てくれるかね?」


だと思ったよ。俺はその場で跳んでサーゼクスがいる壇上に着地した


「兵藤一誠くんのクラスと一部の者は認知しているだろう。だが、まだ知らない皆の為に自己紹介を

してもらおう」


「おはよう。俺は兵藤一誠だ」



「「「「「「「「「「はい・・・・・?」」」」」」」」」」


「彼は性別が男の子だったのが見ての通り、彼女はいま、女の子だ。理由は不明だが昨日の晩の間に女の子に

成っていたらしい。時間が経てば元に戻るらしいがそれまで仲良くして貰いたい」


サーゼクスはそれだけ言うと俺の瞳を据える


「(まさか、この為に?)」


「(ああ、アザゼルから聞いていたが本当に女性の体に成っているとはね)」


「(で、感想は?)」


「(驚きだよ。キミが女性に成るとは考えたこともなかったしね)」


「(そりゃあそうだろうな。それじゃあ、戻らせてもらうぞ)」


もう一度その場から跳んでさっき並んでいたところに着地した。―――次の瞬間


「「「「「「「「「「ええええええええええええええええええええええええええ!?」」」」」」」」」」


俺のクラス以外の全校が驚愕した。うん、パニック状態だな


「お、男が女に!?リアルで本当に実現したのかよ!」


「綺麗な女の子だなって思ったら兵藤!?マジか!」


「きゃー!綺麗!お姉さまと呼ばせて!」


「女の子なのにカッコいい!お姫様抱っこされたい!」


「お、俺も!」


・・・・・パニック状態じゃないかも・・・・・


「それではスポーツ大会を始める。種目は前回の球技大会と同じだ。皆、元気で体を動かしたまえ」


「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」


それだけ言うとサーゼクスは壇上から降りてグラウンドから姿を消した。


「イッセー」


「ヴァイラ、戻ってきたのか?」


「ええ、和樹たちと話をしていて遅れたわ」


「・・・・・あれがか?」


俺の視界には既に燃え尽きたかのように真っ白になっていた。一体どんな説教をしたんだ?


「取り敢えず、私と行動をしましょう。周りは獣だらけだから」


「獣?」


辺りを見渡すとチラチラと俺たちを見る大勢の生徒たち


「私がイッセーを守るわ」


「それ、俺の台詞だと思うんだが?」


「今のあなたは女の子でしょ?」


「・・・・・確かに」


クスクスと笑うヴァイラ。そんな彼女の顎をクイと俺の瞳と合わせるようにして


「それじゃあ、私をお守りくださいね。素敵な騎士さま」


「―――ッ!」


一瞬で赤面した。かわいいなぁ・・・・・


「わ、私たちも守りますわ!」


「・・・・・先輩を守ります」


一年組みの筈の小猫とレイヴェルが俺たちに近づいて来てそう言ってきた。ヴァイラは表情を元に戻して

二人に啖呵を切った


「ダメよ。あなたたちは一年。二年で同じクラスの私がイッセーを守る!」


「・・・・・クラス別にスポーツをするとは言っていません。つまりは―――」


「学年は関係なく誰とでも好きなように行動する事が出来るのです!」


「っ!そうだったわね・・・・・。確かにあの方はそのようなことを言っていなかった・・・・・。

口惜しい・・・・!」


どうやら、終ったみたいだな。と思っていたら


「兵藤くん!私と一緒にテニスをしましょう!」


ドドドドドッ!


名の知らない女子にテニスコートへと連れ去られてしまった。遠くから


「あっ!しまった!?」


「イッセーさまを連れ去られましたわ!」


「・・・・・奪還」


三人の騎士たちは虚を突かれ、慌てて俺を追いかけてくる。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「俺は誰と相手をすれば?」


「私とですわ!」


ヴァイラたちが追い付くと同時にテニスコートに連れて来られた。しょうがなく俺は誰と対戦なのかを此処に

連れてきた本人に問うと声が聞こえた。視線を向けると栗毛をロールにしている女子がラケットを

持って現れた


「・・・・・誰?」


「あら、ご存じが無いのですか?まあいいですわ。私は三年のテニス部部長―――安部清芽といいます」


「知っているだろうけど二年の兵藤一誠だ。俺を此処に連れて来させたのは?」


「私です。―――あなたのお話は色々と聞いておりますわ」


声を殺して俺に言った。なるほど、その物言いは悪魔を知っている人間ってことか。彼女は微笑みを

浮かべて言う


「あなたとは一度お会いしたかったのです。こんな形でお会いできるとは光栄です」


「そうか。それは何よりだけど、俺と勝負するんだろう?」


「ええ、ですが、ただの勝負ではつまらないので賭けをしませんか?」


彼女の言葉に首を傾げる。何を賭けるんだ?


「私が勝ったら一つだけ言うことを聞いてもらいますわ!」


「俺が勝ったらどうするんだ?」


「私が負けたら同様に一つだけ何でも聞きますわ」


何でもねぇ・・・・・。特に何もないんだけど


「解った。いいぞ、それで」


「オホホホホ!成立ですわ!では、始めましょうか!クリスティッ!」


「・・・・・は?」


この人は外国人みたいな名前を誰かに言った。すると、


「ホキョォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!」


どこからゴリラのような鳴き声が聞こえた。上空に気配を感じ上に見上げると―――極の白いゴリラがいた。

ゴリラは彼女の傍に軽やかに着地した。―――ゴリラ?何で此処にいるんだ?


「紹介しますわ。雪女こと―――イエティ(メス)のクリスティよ」


「おいおい、ちょっとまてよ。いま、雪女って言ったよな?雪女って妖怪の筈なんだけど・・・・・?

俺の目の前にいるのはゴリラにしか見えないんだが・・・・・。というか、何で此処に動物?がいるんだよ?

そして、お前は何者だよ?」


「私は魔物使いの家に生まれた者ですわ。そして、彼女は動物ではなく雪女こと―――イエティですわよ?」


「・・・・・」


現実逃避がしたい!でも、それができない!目の前にいるゴリラもどきが雪女だって当然のように

言いやがる!俺の視界にドラミングする雪女もどきのゴリラが!


「・・・・・まあ、色々と無視しよう。うん、・・・・・それで、ダブルスをするのか?」


「ええ、そちらもお相手を選んでも構いませんわ」


・・・・・雪女だから氷系の攻撃をして来る筈だしな


「いや、俺一人でやろう」


「・・・・・舐めていますの?」


「真剣で言っている」


真っ直ぐ彼女の瞳を据えて発す。彼女は鼻で笑い


「いいですわ!その自信とプライドを粉々にして差し上げますわ!」


「プライドは無いと思うんだけどなぁ・・・・・」


コートに赴く。途中で一人の女子からラケットを貰い、安部先輩とゴリラもどきと対峙する


「最初は俺からでいいか?」


「構いませんわ」


ボールを渡されキャッチして数回握る。


「ワンセットマッチでいいか?他にもやりたい競技があるからさ」


「いいですわよ」


「それでは、ゲームを始めてください!」


審判役の女子が開始を告げた。ボールを上空に放り投げた。―――空高く


「あ、あんなに高く投げたら打つタイミングが合わないわ!」


外野にいる一人の女生徒がそう言った。―――通常の人間だったらな


「はっ!」


俺もボールのところまで跳んで上空から安部先輩とゴリラもどきがいるコートに


「落雷」


雷如く、撃ち落とした。安部先輩は反応する暇もなく俺から点を奪われた


「フィ、フィフティーン(15)・ラブ(0)!」


「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」


「さあ、呆けている場合じゃないぞ?」


もう一度ボールを空高く放り投げて俺もボールのところまで跳び『落雷』で相手コートに打ち落とした


「サ、サーティー(30)・ラブ(0)!」


「もう一回」


三度、『落雷』で安部先輩がいるコートに叩き落とした


「フォ、フォーティー(40)・ラブ(0)!」


「チェックメイト」


ドッゴンッ!


今度は普通に打つとボールがコートにクレーターを作り、ボールが安部先輩の横を通り過ぎて行った


「ゲ、ゲーム、セットアンドマッチ。勝者、兵藤一誠」


ラケットを安部先輩に突き付け


「まだまだだね」


と、不敵の笑みを浮かべながら言った



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「カッコ良かったですわ!」


「・・・・・秒殺でしたね」


「はは、一方的でつまらなかっただろう」


「そうでもないわよ。寧ろ、イッセーの凄いプレーを見て良かったわ」


俺の傍に歩く三人。あの後、安部先輩には何も言わずに俺たちは次の競技に移動した


「次は何処に行こうか・・・・・」


「イッセーくん!」


俺たちの目の前にソーナが駈け走ってきた


「ソーナ。やっと会えたな」


「イッセーくんがテニスコートにいると情報が入ったので向かっている最中でしたが良かったです」


「ところで、何か球技をやったか?」


「いえ、まだ何もしていません。イッセーくんの傍にいたいですからね」


嬉しい事を言ってくれるソーナに頭を撫でる。


「ん・・・・・」


「・・・・・気が少し減っているな。何処かで休むとしようか」


ソーナも引き連れて俺たちは腰が座れる場所に赴いた

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