小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>


復讐と甦る幽幻龍騎士団



『―――グハハハハッ!久々に大暴れだぁああああああああああああああああああああああっ!』


最初に動きだしたのはグレンデルだった。アグレアスのドーム会場にいる未だ逃げ惑う観客たちに拳を突き

出した。その衝撃でドーム会場の3分の1が崩壊した。


ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


『おっ、軽く突き出しただけなのに木端微塵だぜ!グハハハハッ!』


意気揚々とグレンデルは引っ掻くように会場に手を突き出して横に薙ぎ払った。その余波で複数の巨大な

鎌風が呼び起こして悪魔たちの体を引き裂いた。


「ひいいいいいいいいいいいいっ!」


「た、助けて・・・・・!」


グシャアアアアアアアアッ!


『あああー!最高だぜぇええええええええええええええっ!』


「おのれ!良くも同士たちを!」


大勢の悪魔が一斉にグレンデルに飛びかかった。―――すると横から黒い影が割り込んできた。


バクンッ!―――バキッ!ボキッ!グチュッ!


『くくく・・・・・昔を思い出す』


アジ・ダハーカだった。一瞬で悪魔たちを捕食したのだった。口の端からタラリと赤い液を垂らしながら

ニヤリと笑う。


『てめぇ!人の獲物を横取りするな!』


『その獲物はまだ数え切れないぐらいるのだ。他の場所で暴ればいい』


『けっ、そうさせてもらうぜ!おい、いいよな!?』


グレンデルは一誠に問い掛けた。一誠はいま、天使の首を金色の大剣で刎ねていたところだった。


「ああ、自由に動け!」


『グハハハハッ!それじゃあな!』


翼を大きく開いてグレンデルは嬉しそうに羽ばたきアグレアスから飛んで離れていく。


「アジ・ダハーカたちも自由に動け!冥界にいる生物を食らいつくせ!」


『その指示に従う』


『思う存分に暴れるとするか、これが最後になるかもしれぬからな』


『そうだな』


邪龍たちは翼を羽ばたいて冥界の空を飛ぶ。それを阻止しようと三大勢力が向かうが邪龍たちが逆に殺し

各々と行動を始める。さらに過去と未来の幽幻龍騎士団もそれぞれバラバラに動き、ペアを組んだり復讐を

開始した。


「不味いわ!邪龍1匹でも面倒だっていうのにそれが複数、それも街に向かっていく!」


「リアス!ドラグニルは!?」


「人間界にいるわ!直ぐに連絡を―――」


「おっと、しばらくお前たちは此処にいてもらうぞ」


一誠が手のひらを未来のリアスたちに向けた。すると、金色の結界が現れて未来のリアスたちを囲み、

宙に浮かせた。


「なっ!?これは一体・・・・・!」


「お前たちは過去より実力があるのは明白。少しそこで待っていてもらうぞ」


「こんなもの―――!」


未来のリアスが滅びの魔力を小さく、そして限界まで凝縮して結界を破壊しようとする。滅びの魔力は

金色の結界に直撃するが罅を入れる事も出来ず逆に跳ね返ってきた。


「「「「「―――っ!?」」」」」


「ああ、止めた方が良いぞ?って、言っても遅いか」


跳ね返ってきた滅びの魔力が次々と未来のリアスたちの体を貫いた。


「がっ・・・・・!?」


「未知な力に何も考えず攻撃するからだ」


「魔力を・・・・・跳ね返す結界・・・・・!?」


「違う、攻撃を何倍にも跳ね返す結界だ。サイラオーグ、お前がその拳で結界を破壊しようと思うなよ?

お前の一撃は身を滅ぼす事に成るからな」


「・・・・・っ」


冷汗を流すサイラオーグ。かつての最強の親友、ライバルは死んだが今度は過去から

この時代の兵藤一誠の実力と変わらないまま現れた。


「未来のお前たちは俺たちの事を熟知している。だが、未来に来た過去の俺たちはお前等の事を

まだ分からないんでね。現にギャスパーの能力には正直、驚いた」


一誠は素直にギャスパーに称賛した。


「さてと・・・・・」


そう言うと金色の錫杖を発現した。『無限創造龍神の錫杖』能力は無限創造、召喚、龍化、

 ―――死者蘇生。未来のリアスたちは過去の一誠が何をしようとしているのか直ぐに理解した。


「クロノス、この時代の旧幽幻龍騎士団を甦らすぞ」


「父さんたちを・・・・・甦らす?」


「俺は既に2度も死んだ。未来の俺はこれ以上甦らす事はできないが・・・・・奇跡を信じてみよう。

時空を超えて過去から来た俺の力と未来のお前の力を」


「・・・・・」


「自分を信じろ。クロノス」


金色の錫杖を突き出す。クロノスは少し悩み傍にいるこの時代のメリアに金色の錫杖に成ってもらい

手に取った。


「分かった・・・・・信じてみる」


「よし、それじゃあ・・・・・始めるぞ」


「ああ」


2人は足下に巨大な金色の魔法陣を展開し、金色の錫杖を上に突き上げ交わすと錫杖から、

膨大に輝く神々しい光量がアグレアスドーム会場を照らす。その光景を未来のリアスたちや幽幻龍騎士団、

まだ会場にいる悪魔、天使、堕天使たちはその幻想的な光景を静観する。


「甦れッ!幽幻龍騎士団よ!」


「再び我等の前に現れ、共に生きよう!共に敵を屠ろう!」


「汝等の願いを果たさん為に我は再び命を与えん!」


「出でよ!幽幻龍騎士団!」


「現れよ!幽幻龍騎士団!」


「「甦るのだッ!我等の宿願の為に!救済の為に甦れぇえええええええええええええええええええっ!」」


カァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!


視界が白く塗り替えるほどの光が発した。


「くっ・・・・・!」


「眩しい・・・・・!」


視界を奪うほどの光量が未来のリアスたちにも届く。腕で顔を覆いしばらく。・・・・・光が止んだ時、

未来のリアスたちの視界も回復して会場を見る。―――そして、会場を見た途端に全員が驚愕の色を染め、

目を大きく見開いた。


「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」


会場には数十人の男女が倒れていた。その集団の傍にいるクロノスが1人の男性を見詰めて―――涙を流す。


「・・・・・父さん・・・・・!」


「こいつが・・・・・未来の俺か・・・・・」


この時代の幽幻龍騎士団―――兵藤一誠がクロノスと過去の一誠の視界に入った。


「一誠・・・・・!」


「イッセー・・・・・!」


この時代のガイアとオーフィスが横に成っているこの時代の一誠の傍に寄る。すると・・・・・ムクリと

起き上がった人物がいた。


「う〜ん・・・・・・あれ・・・・・此処は・・・・・?」


「・・・・・ルシファー?」


「・・・・・一誠・・・・・?・・・・・えっ!?」


真紅の髪を持つ女性が過去の一誠を見詰めるとぼやけていた瞳が一気に覚醒して立ち上がって過去の一誠の

顔を両手で掴み確かめ始めた。


「一誠!?えっ、でも・・・・・若い・・・・・?だけど、一誠なのは変わらないわ・・・・・」


「ル、ルシファーのお母さん・・・・・」


「・・・・・クロノス・・・・・?―――はっ!?」


未来のルシファーが辺りを見渡し始めた。周りは阿鼻叫喚の図になっている。その原因は自分たちの息子と

娘たちが行っていて悪魔と天使、堕天使と激しく交戦を広げていた。


「クロノス・・・・・これはどう言う事・・・・・。私たちは確か死んだはず・・・・・。どうして、

貴方たちが悪魔たちを襲っているのか教えて・・・・・」


「復讐だよ、この時代のルシファー。というか、いい加減に放してくれないか?」


「・・・・・えっと・・・・・一誠よね?」


「ちょっと違う。俺は過去から来た幽幻龍騎士団の兵藤一誠だ」


「過去・・・・・?」


「そう言う事よ。未来の私」


「・・・・・私がもう1人・・・・・しかも若い」


「というか、いい加減に私の一誠を放してくれるかしら?貴女の一誠はそこに倒れているわよ」


「えっ・・・・・あっ!」


この時代のルシファーは過去のルシファーにそう言われて初めて気付いた。


「―――おのれ、良くも過去の亡霊を甦らしたな!」


「もう一度、殺してやる!」


「死ねぇええええええええええええええええっ!」


同時に、周りから悪魔と天使、堕天使たちが魔力弾を放って来た。一誠がが天使の翼を出して攻撃を

防ごうとした―――次の瞬間。


「―――お前等が死ね―――」


ヒュンッ!―――ブッシャアアアアアアアアアアアアアアッ!


「「・・・・・」」


誰かが呟いて向かってきた魔力が消失したと思えば悪魔と天使、堕天使たちの腕や翼が引きちぎられていた。


「「「「「ぐあああああああああああああっ!?」」」」」


「・・・・・」


激痛に叫ぶ悪魔と天使、堕天使たち。その原因が一誠とクロノスに背後を見せる男だった。


「・・・・・はは、凄いな」


「・・・・・」


「・・・・・」


一誠とクロノスの目の前にいる男がゆっくりと振り向く。その男は一誠の容姿と同じで身長がやや高い。


「―――父さん!」


クロノスが男に抱き付いた。男―――クロノスの父親、この時代の兵藤一誠もクロノスを抱きしめて

抱擁した。


「父さん!父さん!父さん!」


「クロノス・・・・・ごめんな。悲しい思いをさせた・・・・・もう、そんな思いをさせない」


「父さん・・・・・」


「一誠・・・・・」


「イッセー・・・・・」


「ガイア、オーフィス。・・・・・ごめん、俺はお前たちにまで・・・・・」


「気にするな。こうしてまたお前と再会できたのだ・・・・・我は嬉しい」


「我も・・・・・イッセーと会えて嬉しい・・・・・」


この時代のガイアとオーフィスがクロノスと同じようにこの時代の一誠に抱き付いた。


「うっ・・・・・」


「ん・・・・・」


すると、次々と甦った未来の幽幻龍騎士団が起き上がった。そしてぼやけた瞳で辺りを見渡し状況を

把握しようとする。


「私たちは・・・・・死んだのでは・・・・・?」


「どうなって・・・・・」


「無事に甦って良かったよ」


「・・・・・イッセー?」


「初めまして、未来の幽幻龍騎士団。俺は過去から来た幽幻龍騎士団の兵藤一誠だ。未来の俺の子供、

クロノスに救済を求められこの時代に俺たち、過去の幽幻龍騎士団が降臨した。そしてクロノスと共に

お前たちを甦らした」


一誠が自己紹介をした。未来の幽幻龍騎士団は一誠の自己紹介に唖然としたが納得した様子だった。


「過去の俺か・・・・・懐かしいな」


「未来の俺は色々と凄いな・・・・・」


過去と未来の一誠がお互い近づき見据える。


「俺たちを甦らしてくれたんだってな?よく、俺を甦らしたな。俺は2度も死んだっていうのに」


「奇跡が起きたんだ」


「奇跡か・・・・・」


ポツリと呟く。だが、自分は奇跡によって甦った。それは確かな証拠だった。


「・・・・・それで、過去の幽幻龍騎士団。この状況は何なんだ、どうして殺し続けている?」


「クロノスたちの復讐の手伝いさ」


「復讐だと・・・・・?」


「そうだ、幽幻龍騎士団に、家族に傷つけたら絶望と恐怖を与えると前から三大勢力たちに教えていた筈だ。

―――だが、あいつらはお前たちに恐怖を抱いて殺したんだ。お前たち幽幻龍騎士団を」


「・・・・・」


未来の幽幻龍騎士団が一誠の言葉に自分たちが死んだ理由を思い出した。


「で、その元凶があそこにいる」


一誠が上空に浮かぶ金色の結界に閉じ込められている未来のリアスたちに指を指す。


「俺たちは俺たちを敵に回した勢力を滅ぼすつもりだ。いずれ、天界からもくるだろうし天界も

滅ぼすつもりだ。過去でも未来でも幽幻龍騎士団は変わりないんだ。家族を傷つけたらどうなるか―――」


「おおおおおおおっ!」


「教えてやらないとな」


ズバンッ!


金色の翼で一誠は襲ってきた悪魔を絶命した。


『『主!』』


『イッセー!』


「ゾラード、メリア、サマエル・・・・・」


『お久しぶりです。こうして貴方と再会できて我等は嬉しいです』


『再び我等の力を振るってくれ』


『僕たちはイッセーの為に力を貸すよ!』


ゾラード、メリア、サマエルが全身を輝かせてこの時代の一誠の体の中に入った。


「一誠!」


不意に和樹が一誠の傍に降りた。未来の幽幻龍騎士団の兵藤一誠を見て目を見開いた。


「未来の一誠・・・・・?」


「ああ、過去の和樹だな?へぇー・・・・・懐かしいな」


「それで、どうした?」


「あ、うん。アグレアスにいる悪魔と天使、堕天使たちはもういなくなったよ。邪龍たち以外は一旦こっちに

集まってくるように指示したから」


「そうか、分かった。そう言えばお前等はどうするんだ?復讐をするのか?しないのか?」


「その前に、クロノスたちは何処で住んでいる?俺たちの家はどうなっている?」


「俺たちは真魔でシャルバおじさんに保護されながら暮らしている。

次元の狭間にある俺たちの家は廃墟と化とされているよ・・・・・」


「・・・・・そうか」


「あの大地は奪還してある。時を戻せば家は元に戻るだろう」


「お前たちが取り戻したのか?」


「お前たちの神滅具、神器も回収してクロノスたち子供に渡してある」


「良く回収できたな?」


「フィーナが探し当てたようなんだよ」


「なるほど・・・・・ソーナ、俺たちの子供は頼もしいな」


「はい・・・・・そうですね」


コクリと微笑みながらこの時代のソーナは頷く。


「―――父上!」


「噂をすればなんとやら・・・・・」


「お母さま!」


「ゼファード!」


未来の幽幻龍騎士団が続々と集結して甦った一誠たちに抱きついて再会を喜ぶ。

 そんな光景を過去の幽幻龍騎士団が集結しつつ見守る。


「良かったね・・・・・」


「ああ、俺たちの未来は本当なら目の前の光景に成る筈だったんだ」


「それをあいつらが奪ったんだね」


睨むように上空に浮かぶ金色の結界の中にいる未来のリアスたちを一瞥して一誠に問う。


「一誠、これからどうする?このまま続ける?」


「・・・・・それは未来が決める事だ」


「そう・・・・・」


「―――おい!いい加減にこの結界を解けよ!」


「さてと、皆はいるか?」


「うん、1人も欠けずにいるよ」


「おい!聞こえているんだろう!?人の話を聞けよ!」


「・・・・・あー、なんだよ?未来の成神」


ウザったそうに一誠は金色の結界の中にいる未来の成神の言葉に反応した。


「俺たちを此処から出せよ!」


「・・・・・」


スッと腕を突き出すと金色の結界が一誠の前に降りた。一誠は未来の成神をマジマジと見詰め口を開いた。


「・・・・・うん、相変わらず過去と同じ顔をしているな」


「おい、それって変わっていないって意味か?」


「相変わらず女の胸を追い掛けていそうな変態な顔だって意味だ」


「ちょっと待て!?過去の俺はそんな事をしていないぞ!」


「していただろう。それに、変態なのは認めるんだな?」


「・・・・・」


「ま、お前が変態なのは未来でも変わらないようだな。が、それはどうでもいいや。―――良くも未来の

俺たちを殺してくれたな?」


一誠が殺気を放って未来の成神に言った。流石は未来なのか、成神は一誠の殺気に冷汗を流しながらも

叫ぶように言った。


「しょうがないだろう!?俺たちだって本当はお前たちを殺したくは無かったんだ!だけど、お前等が力を

集め過ぎたから各勢力から危険視されて討伐の令が発せられたんだ!」


「ドラゴンは力を引き寄せる事は知っているだろう?流石にグレンデルたち邪龍まで家族にしていたとは

俺も驚いた。でも、俺たちに攻撃を仕掛けたらどうなるか知っていると思ってはいたんだけどなぁ?」


「それでも、各勢力は貴方たちに恐れていたのよ!畏怖の念を抱いていたからなのよ!」


「未来の俺たちから何かすると思ったのかよ?集まった力で戦争を起こそうとすると思ったのかよ?」


「っ、それは・・・・・」


「お前たちはただ未来の俺たちが怖いから殺したに過ぎない。つまり、お前たちの心が弱いからこんな

未来になったんだ。こんな結果になったんだ。各勢力も、その上層部も、心が弱いから未来の俺たちを

 討伐した。違うか?」


「「「「「・・・・・」」」」」


「過去の俺」


「ん?」


この時代の一誠が近寄った。


「なぁ、俺の封龍剣はどこにある?ブラフマーはどこにいる?」


「・・・・・あー、悪い。神滅具と神器は家族が回収していたんだけど・・・・・フィーナ、知らないか?」


一誠がフィーナに聞くと応える。


「天界にいますよ。ミカエルのおじさんが持って行きました」


「それは確かか?」


「ええ、ここにはいないイズナのお母さま―――イリナさんから月に一度、

密かにプライベート通信をしてくるので確かです」


「イリナ・・・・・ああ、そうだ。イリナ、ガブリエル、ゼルダがいないな・・・・・」


「ゼルダ?」


「グリゼルダ・クァルタ。転生天使で駒王学園がある地域の天界のスタッフを統括する俺の妻だ。

イリナとゼノヴィアは知っている筈だが・・・・・お前は知らないのか?」


「・・・・・未来の俺、胸に手を当てて聞いてみろ」


「ん?・・・・・ああ、会っていなかったな。あの時は、小猫たちから聞いただけだしな。でも、

何時かあいつと出会うさ」


一誠に言われた通りに胸に手を当てて考えると思い出したかのように納得した。


「よし、天界に行くとしようか。過去の俺、一緒に来い」


「はっ?」


「俺の家族を取り返しに行くんだよ。少数精鋭で。お前、まだ天界にも行った事が無いだろう?」


「まぁ、それはそうだが・・・・・」


「なら、決まりだ。この場はクロノスたちに任せる。俺と過去の俺は天界に行くぞ。―――メイビス!」


「「はい?」」


「・・・・・そうだった。過去のメイビスもいるんだった」


「この際、2人も来てもらえば?」


「それもそうだな」


首を縦に振り一誠にそう言った。


「過去とこの時代のメイビス、天界に案内してくれ。今の俺は移動する手段が無いからな」


「分かりました。彼女たちも連れて帰りましょう」


「私も手伝います」


「神と相手にするのなら俺も行こう」


「ヴァーリと同じく」


「ケツ龍皇と同じく」


2人のメイビス、ヴァーリ、曹操、ルシフェルが2人の一誠の傍により金色の魔法陣を展開した。

一誠は和樹に話し掛ける。


「和樹、万が一だがドラグニルが現れてドラゴンを支配するような事があったら・・・・・分かるな?」


「うん、分かっているよ」


「何か、対策でもあるのか?」


「ぶっつけ本番だがな」


「・・・・・俺でも攻略できなかった事を過去がするとは・・・・・」


感嘆するこの時代の一誠。次の瞬間、7人は一瞬の閃光と共に冥界から姿を消した。


「ミカエル・・・・・すまない・・・・」


「無事でいてくれよ・・・・・」



―――天界



神、天使たちが住む異世界であり熾天使という組織を結成している。その中で四大熾天使を率いる天使の

四人が存在して現在、幽幻龍騎士団が復讐と称して冥界を滅ぼそうとしている事を冥界にいる天界の

スタッフから情報を聞き、冥界を救わんと、とある広大な聖地の場所で何万の数の天使たちが集結している。


「私たちはこれより冥界に暴れている幽幻龍騎士団を討伐、または捕縛します。皆さん、

くれぐれも幽幻龍騎士団には気を付けてください。彼等は以前と同じ神滅具、神器を回収して

その猛威を振るっていますので」


「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」」」」」」」」」」


金色の6対12枚の翼を展開する男、熾天使長のミカエルの言葉に天使、転生天使たちは雄叫びを上げる。

ミカエルの傍には同じ四大熾天使のガブリエル、ラファエル、ウリエルが佇みガブリエルの背後には

大天使の称号を得たイリナが立っていた。


「普段の教えの通りです。―――異端者には天の罰を与えなさい。我々は亡き神の代行者を果たす役目が

あります。―――彼等に『光』を」


「「「「「「「「「「はっ!終末を彼等に!」」」」」」」」」」


天使たちが声を揃えて異端者に天罰を与えんと心から誓った。そして―――。


「―――なら、俺たちは絶望と恐怖をお前等に与えよう」


突然の第3者の声に天使たちがざわめきだした。


「・・・・・まさか・・・・・既に冥界は・・・・・」


「いや、流石にあそこは時間が掛かる」


「っ―――!?」


バッ!と背後を振り向いた。しかし、背後には誰もいなかった。


「上だ、ミカエル」


そう言われてミカエルは視線を上に向けた。純白の建物の屋根に1人の人物が座ってミカエルたちを

見下ろしていた。その人物にミカエルたちは驚愕する。


「イリナ、ガブリエル。久しぶり」


「・・・・・イッセーくん・・・・・?」


「貴方・・・・・」


座りながら手を上げる兵藤一誠だった。


「まさか・・・・・甦ったのですか・・・・・?」


「その通りだ。奇跡の名の許に俺は甦った。勿論、俺だけじゃない。幽幻龍騎士団、全員だ」


「「「「―――っ!?」」」」


「じゃあ・・・・・メイビスさまも?」


「そうだ、メイビスも甦ったんだよ。イリナ・・・・・」


屋根から降りてイリナとガブリエルに近づく。


「イリナ、そしてガブリエル。迎えに来た。一緒に家に帰ろう。皆が待っている」


「イッセーくん・・・・・」


「・・・・・」


一誠が手を差し伸べる。イリナとガブリエルはその手をジッと見て手を伸ばそうと動かす。


「・・・・・申し訳ないのですが彼女たちを連れて行かせる訳にはいきません」


が、それを阻むミカエルたち。イリナとガブリエル、彼女たちの前に移動して一誠と対峙する。


「恩を仇で返す天使長に用が無いんだがな・・・・・」


「・・・・・申し訳ございません。ですが、貴方たちは力を集め過ぎた。邪龍までも取り込んでしまっては

熾天使ガブリエル、天使イリナを傍にいさせると堕天しまう恐れがあったのです」


「魂の状態で俺の中に、しかも浄化の能力を持つドラゴンがいたんだ。堕天するわけがない」


「それでも我々は同じ天使として―――」


「メイビスを殺して天使なんて言うなよ。『主と戦った天使長』が」


「・・・・・っ」


「天界も俺たちの討伐に参加し、そして、お前はメイビスと戦ったんだ。直接殺してはいないけど

『主と戦った天使長』と呼ばれても不思議じゃないだろう?本来、天使長と天使たちを纏める神と戦っては

いけないのにミカエル、お前は戦った」


「・・・・・変えようもない事実です。良い訳もしません、私は主であるメイビスさまに攻撃をしました」


「・・・・・」


「ですが、私は天界を守る義務があるのです。幽幻龍騎士団に所属する元・神である主

 メイビスさまと戦う事がどれほど心苦しかったか・・・・・貴方には解りませんよ」


「俺は天使でもないから当然の上に俺はお前でもない。だがな―――俺たちに攻撃を仕掛けると

どうなるか解らないほどお前はバカじゃない筈だよな?」


「覚悟はしていました。きっと、この日が来る事を私は知っていましたし受け入れるつもりでした」


「そう言う所が俺は好きだったけどな・・・・・」


「私もメイビスさまを救ってくれた貴方には感謝の念を今でも抱いています」


「そんな奴を『俺たち』が殺すなんて・・・・・悲しい結末だ」


「俺たち・・・・・?」


ミカエルが首を傾げる。てっきり、1人で現れたのだろうと思っていた。過去に持っていた神器、神滅具を

所有して。


「俺はお前等の相手をしない。お前等の相手は―――」


「俺たちだ」


一誠の背後から巨大な黒い穴が出現した。その穴から複数の存在が潜りぬけて現れた。

その存在にミカエルたちは信じられないものを目に飛び込んできた。


「・・・・・あなたは・・・・・・」


「えっ、イッセーくんが・・・・・もう1人?」


「メイビスさまが2人・・・・・?」


「紹介しよう。過去から来たもう1人の俺、幽幻龍騎士団の兵藤一誠だ。そして同じ過去から来た

白龍皇ヴァーリと元・神のメイビス、最強の神滅具『黄昏の聖槍』を所有する曹操」


「過去から・・・・・!?」


「過去の・・・・・幽幻龍騎士団・・・・・だと!?」


「さてと、もう1つの目的である俺の相棒、ブラフマーはどこだ?」


「あの神剣を取り戻しに来たという訳ですか・・・・・悪いですが教えません」


「そう言うと思った。まっ、自分で探すからいいや」


「・・・・・未来の俺。本当に1人で大丈夫なのか?」


「ああ、あれは俺が取り戻さないと話しにならないからな」


そう言ってこの時代の一誠は姿を消した。自分の相棒を取り戻すために。


「まずい、あの場所に行ってしまったか!?」


極大の聖なる炎を全身から迸らせる『神の炎』ウリエル。この時代の一誠のあとを追うとしようとこの場を

離れようとした瞬間。―――巨大な黒い穴から灰色の疾風が現れ―――。


バグンッ!


「―――っ!?」


ウリエルは何かに噛み砕かれた。身体中に血を流し、口からも吐血してウリエルは自分の体を貫く何かを

視界に入れる。灰色の毛並みを持つ巨大な狼が鋭い牙で自分の体を貫いている。その狼にギョッと目を大きく

見開いた。


グルルルルルッ・・・・・


「フェ、フェンリル・・・・・だと・・・・・!」


「過去から来たんだ。当然、俺の家族であるフェンリルたちも存在する。まあ・・・・・」


黒い穴から更に灰色の毛並み持つ巨大な狼が2匹も現れた。


「フェンリルの子供、ハティとスコルもいるけどな」


「神をも噛み殺す牙を持つ魔獣・・・・・!」


「そして、神を絶対に貫き、滅ぼす槍『黄昏の聖槍』もある。―――ミカエルたちにとっては

天敵と言ってもいい武器だな」


「おの・・・・・れ!」


「―――喰え」


過去の一誠が短く呟いた。ウリエルの身体を噛み砕くフェンリルは頭を上に振り上げウリエルを空に

放り投げ口を大きく開けて―――喰らった。


「ウリエル・・・・・!」


「そんな・・・・・!」


「悲しんでいる場合じゃないぞ。お前たちも俺たちに殺されるかフェンリルたちの牙によって貫かれるか

喰われる運命だ。―――後悔させてやるよ。俺たち、幽幻龍騎士団に敵を回した事を!」


―――次の瞬間、


『ギエエエエエエエエエエエエエエェヤァアアアアアアアアアアエエエエエエエエエエエエエエエ

 エエエエエエエエエアアアアアアアアアアアアァアアアアアアァッ!』


『ジャアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!』


過去の一誠たちの建物がドラゴンの咆哮と共に崩壊した。ドラゴンの登場にミカエルたち天使は驚愕の色を

染め、動揺と混乱に包まれた。


「邪龍・・・・・!?」


「しかも、あれは・・・・・『魔源の禁龍』アジ・ダハーカ、『原初なる晦冥龍』アポプス!?

どう言う事です!あの邪龍はコキュートスに封印されていた筈です!」


「ああ、ハーデスは数日前に滅ぼしたぞ?事実上、冥府も滅ぼした」


「呆気なかった」と何でもなかったかのように呟いた。しかし、ミカエルたちはハーデスを滅ぼし、

冥府も滅ぼされた事実を知ってそれどころではなかった。これでは本当に冥界、天界は目の前にいる男に

滅ぼされると焦心する。


『おい、この場所に呼びだしたからには此処も暴れても良いのだろうな?』


「滅ぼすつもりで呼んだんだ。存分に暴れろ」


『そう言う事なら文句は言わん。全てを喰いつくしてやろう!』


『―――全てを闇に!混沌に沈めてくれようぞ!』


咆哮を上げて2匹の邪龍は行動を開始した。清楚な青い空が暗雲に変わり、草や花、木々などが

枯れてしまい、建物が崩壊する音が一誠たちの耳に入る。


「メイビスたち。イリナとガブリエルを連れて先に冥界へ」


「貴方はどうするのですか?」


「こいつ等の相手をするに決まっている」


大天使化と成って当然のように一誠は言った。曹操、ヴァーリ、ルシフェルもミカエルたちと対峙する。


「イッセーくん・・・・・」


「未来のイリナとガブリエル。お前らにとって此処は故郷だろうけど悪いが此処を滅ぼさせてもらう」


金色の翼で2人を捕まえ背後にいる2人のメイビスに渡した。


「俺を恨んでも構わない。憎んでもいい。でも、この時代の俺を愛してやってくれ。あれは俺だ。

愛しい女に憎悪の言葉を向けられたらきっと後悔して自分を許さないだろう」


「「・・・・・」」


「行け」


2人に促し、過去と未来のメイビスは2人を連れて穴の中に潜った。そして穴は閉じる。


「・・・・・」


「ルシフェル?」


「あの人たちは絶対にあなたを憎んだり恨んだりしない」


「・・・・・」


「だって、クロノスの父さんは皆に愛されている。例え、過去のおじさんでもクロノスの父さんと同じ

存在だから・・・・・」


ルシフェルが一誠に近づき励ましの言葉を送った。そんな彼女の頭に手を置いて優しく撫で微笑みながら

感謝の言葉を送った。


「ありがとう・・・・・お前は優しいな」


「・・・・・私、ケツ龍皇の娘じゃなくてクロノスの父さんの娘だったら良かったのに・・・・・」


「・・・・・」


恥ずかしいのか顔を赤くして未来のヴァーリに毒つく。過去のヴァーリは彼女の言葉に苦笑を浮かべる事しか

出来なかった。


「ははは・・・・・、あまりこの時代のヴァーリを嫌わないでくれよ。―――さてと、

そろそろ始めようか。・・・・・天使殺しを!」


「負けません!これは、天界の存亡に関わる一世一代の戦いです!私たちが敗北したら天界の

明日は無くなります!」


全身から魔力を迸らせるミカエル。ラファエル。天使たちも攻撃態勢に入る。


「さぁ―――殺し合おうか!天使たちよ!天界よ!」



―――(未来)一誠



「邪魔だ」


ザンッ!


「がっ・・・・・!?」


俺の前に立ちはだかる天使を両断する。本拠地だから数が多いな。


『イッセー、死んだのに衰えていないんだね?』


「逆に3度も死んだらパワーアップしたぞ」


『2度あれば3度もあると言う言葉を昔聞きましたが・・・・・』


「流石に4度目はないだろう・・・・なっ!」


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


極太のエネルギー波を放って天使たちを一掃する。死ぬ前の頃より何倍も強くなっていないか・・・・・?


『アジ・ダハーカとアポプスがいるみたいだよ?』


「過去の俺が呼んだんだろう。ここの勢力も俺たちの討伐に参加していたんだからな」


綺麗な廊下を進む。たまに此処まで大きな音が聞こえてくる。きっとあいつらが原因なんだろうな。


「さぁてと、俺の相棒は何処かなぁ〜?」


色んな扉を開け放って中を覗いてもブラフマーがいない。厳重に保管されているんだろうな。

やっぱり・・・・・。


「しょうがない。分からない時は―――」


「くたばれ!」


「人に訪ねるとしますかな」


バキンッ!ガッ!


背後から1人の天使が剣を振るって来たが砕いて天使の頭を掴む。


「おい、俺の武器はどこだ?」


「ぐっ!し、知るか・・・・・!」


「質問を変えよう。重要な物を保管する場所はどこにある?」


「教えるかよ・・・・・!この、テロリストが・・・・・!」


「テロリストね・・・・・残念ながら俺は幽幻龍騎士団という最強の組織の『王』だ。テロリストなら

とっくの昔に壊滅したぞ」


「この天界に襲撃したお前たちが何を言うか!」


「・・・・・なるほど、これは一本取られたな。ま、どうでもいいけど教えてくれないか?重要な場所をさ」


「死んでも教えん!それは主に背く事と同意だからな!」


「その主に攻撃したお前等が何を言うか」


「っ・・・・・!」


天使の言葉に呆れて溜め息を吐く。・・・・・しょうがない、聞けないのなら


「短い間だったが―――さようなら」


グシャッ!


殺すしかないよな。肉の塊と化となったものを捨てて手についた血を払って足を進める。


「・・・・・・ん?」


進んだ先にもう一つの通路の奥に縛られている扉を発見した。あそこか?と思いながら封印されている扉に

赴く。その扉の前に辿り着いて触れると。


バチッ!


「・・・・・結界か」


高圧な電流が俺の全身を駆け巡る。今の俺には対して効かないな。


「結界なら無効化できるだろう。ゾラード、久々の出番だ」


『うむ、嬉しい限りだ』


黒い籠手を装着してもう一度、扉に触れる。すると、ガラスが割れたような音が鳴り響いて鎖が砂と化と

なった。封印が解かれて扉を縛る物は無くなり、俺は扉を開け放つ。そして、部屋の中に入り、

俺はようやく見つけた。


「久しぶりだな。―――相棒」


『・・・・・お前は・・・・・・』


「迎えに来たぞ、ブラフマー」


俺の相棒、創造神ブラフマー。土台に深々と突き刺さって幾重にも刀身に巻き付いている鎖に縛られている

状態だった。


『よもや、お前が私を迎えに来るとは思いもしなかった。・・・・・どうやって現世に甦った』


「過去の俺と息子の力で甦ったんだ」


『過去だと・・・・・?』


不思議そうに呟くブラフマー。そんな相棒に近づきこいつを封じている鎖を滅の能力で消滅させ

解放していく。


「ああ、過去から来た兵藤一誠だ。しかも家族たちとこの未来の時代に来たんだよ」


『・・・・・それは本当なのか?』


「本当だ。感じないか?俺と酷似した気の気配を」


金色の大剣の柄を掴む。


「俺の相棒、再び俺と共に生きようぜ。二度とお前を手放しはしない」


『・・・・・ああ、お前といた方が退屈はしない。此処にいる間は暇で暇でしょうがなかったぞ』


「それじゃあ・・・・・」」


柄を力強く握り―――思いきり引き上げる!


ズッ!


「行こうか!皆の所へ!」


―――冥界


一誠たちが天界で戦っている間、クロノスたちの前に現れる悪魔たちが空から降りてきた。丁度、

黒い穴が現れ二人のメイビスと未来のイリナ、ガブリエルが出てきた。


「―――ベルゼブブさま」


「お前は・・・・・沖田だったな」


サーゼクスの眷属達だった。さらには上級、最上級悪魔が眷属を率いてアグレアスドームを囲む。


「はい、覚えてくれて光栄です。ベルゼブブさま」


羽織を着込む男、サーゼクスの眷属の『騎士』沖田総司がベルゼブブの前に現れた。

もう1人のベルゼブブを見ると驚愕の色を染めたが直ぐにこの時代のベルゼブブに話し掛ける。


「お願いします。このような事を止めてください」


「それを決めるのは私ではない。私たちを纏める愛しい男、一誠だ」


「・・・・・彼はどこに?」


「天界だが?」


「・・・・・天界、では・・・・・天界はもう・・・・・」


「滅ぼされているであろうな。流石の天使長も一誠には負けるだろう。何せ、私たちが鍛え上げた男だ」


クスクスと笑い自慢げに答える。


「私たちの主を解放してもらいたい」


「それは無理だ。その結界は過去の一誠が施した結界であり私たちではどうしようもできないんだ」


「では、邪龍たちを止めて下さい。邪龍たちが次々と街に住む悪魔たちを残虐、残酷の限りを尽くして殺し

続けているのです。いま、この瞬間でもそうです」


「なら、どうしてお前たちがその邪龍たちを止めに行かない?私たちを説得するより邪龍たちを封印、

または退治したほうが早いだろう」


未来のベルゼブブの問いに沖田の表情が苦渋な表情を浮かべた。


「それができないからこうして貴女方に説得をしているのですよ・・・・・。私たちの攻撃の前では

邪龍たちは効きもしませんでした。不死の能力を持つ邪龍ではさらに何の効果も有りません。逆に私たち

悪魔と堕天使が被害に遭うのです」


「言っておくが、私たちでも邪龍を止める事はできないぞ。あいつらは一誠しか言う事を効かないからな」


「・・・・・ベルゼブブさまたちならあの邪龍を倒せますよね」


「難しいが・・・・・できなくはない。だが、する気はないぞ」


「何故・・・・・!」


「何故?―――私たちを討伐した勢力に力を貸せと言うのか?恩を仇で返した勢力に救済してくれと

言うのか?」


「っ、それは・・・・・!」


「綺麗事を言うなよ。沖田総司。私たちはお前たちに怒りを感じているのだぞ」


ベルゼブブの言葉に同意していると未来の幽幻龍騎士団から怒気のオーラが発せられた。そんな中、

未来のガイアが一歩前に出た。


「貴様等が我等に恐怖を抱き、自分の身に降りかかる危険から逃れようと有りもしない可能性を貴様等は

無理矢理、可能性に仕立て上げ我等を封印、討伐した事を甦った我等が何とも思っていないと思ったら

大間違いだぞ」


腕を紫の空に突き出して手を開き真紅の魔力を放った―――刹那。


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


「っ―――!?」


上空に未来のガイアたちを囲んでいた悪魔たちが一瞬にして消滅した。


「貴様等の自業自得だ。観念して死ぬがいい」

-183-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ハイスクールD×D 13 イッセーSOS (富士見ファンタジア文庫)
新品 \630
中古 \339
(参考価格:\630)