小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

コカビエルと俺の拳が腹部に突き刺さって十数秒、先に身体を動かしたのはコカビエルだ


「ごはっ!」


吐しゃ物を吐き出した後ゆっくりと地上に降り立った。俺もそれを追う様にゆっくりと降りて行った。

あー・・・・・くそ、結構痛かったぞ。アイツの拳


「・・・・・フ、フフフフ!久々に効いたぞ。兵藤誠と同じ倒し方をするものだな」


肩で息をして光の槍を杖代わりにして腹を片手で押えながらお父さんと同じ倒し方だと言われた。


一誠 「コカビエルにもお父さん達と知り合いなのか?」


「少しだけだがな、俺に敗北を最初に味わせたのがお前の父親だ。そして、俺は今のやり方で兵藤誠に

倒された」


何処まで交流が広いんだよ・・・・・お父さん達は!?まさか、敵まで交流を持っていたとは

思わなかったぞ!


「・・・・・ふう、痛みが消えた事でもう一度戦いをするぞ!」


一誠 「待った。今度は俺じゃなくて眷属と戦ってもらう」


俺はコカビエルに待ったをした。怪訝になるコカビエルは口を開いた


「―――貴様の眷属だと?」


一誠 「ああ、だけど、俺の眷属はかなり問題を抱えているからな・・・・・和樹!俺とコカビエルの戦いを

    見えなくする結界を張ってくれ!」


和樹 「了解!」


グレモリー先輩達には見えない結界を張ってもらう様に頼み和樹は了承して指を鳴らした。

俺とコカビエルは巨大な黒い四角形の結界に囲まれていった。そしてついに頭上まで囲まれて俺達は結界に包

まれた


「それで、お前の眷属とやらは?」


結界から脱出しようともせずじっと佇んでいたコカビエルが俺に問う


一誠 「今から呼ぶ、それと最初に此処に来なかったのは俺の眷属を呼ぶ為だった」


「・・・・・」


一誠 「此処に来る前に少しだけ観戦していたけど先の三つどもえ戦争で神と魔王が死んでいるって言ってい

    たよな?」


「それがどうした」と肯定するかのように訊いてきた


一誠 「こう見ても俺はかなり長生きしているんだ。神と天使、悪魔と堕天使の三大勢力と二天龍が戦う前よ

    りずっと・・・・・」


それを聞いても対してコカビエルは驚きもしなかった。お父さん達も長生きしているなら俺もしているだろう

と思っているのか?てか、知っているのか?


「だからどうした?それがお前の眷属と何の関係があると言うんだ?」


一誠 「大有りだ。コカビエルも関係があるぞ」


「なに?そいつは誰だ。俺に関係知るなら勿体ぶらずにさっさと呼ぶが良い」


そうだな。そろそろ呼ぶとしよう


一誠 「ルシファー、レヴィアタン、アスモデウス、ベルゼブブ、メイビス」


「―――はっ?」


コカビエルを囲むように転移魔方陣が出現した。魔方陣から彼女達が佇む様に現れた


ルシファー 「懐かしいわね?コカビエル」


レヴィアタン 「ふふふ、相変わらず性格が変わっていない様だね」


アスモデウス 「まあ、それは置いといて・・・・・コカビエル」


ベルゼブブ 「あの時の戦争の続きをして」


メイビス 「決着をつけましょう」


彼女達五人はそれぞれ臨戦態勢に入った。コカビエルはルシファー達の姿を捉えたまま唖然としたが


「ククク」


『・・・・・?』


顔を下に向け身体を震わし始めたコカビエルに怪訝な顔をする俺達に


「ハハハ・・・・・ハハハハ・・・・・ハハハハハッ!カァーッハッハハハハハハハ!」


ドンッ!


突然、顔を上げたと思えば大笑いしながらコカビエルの全身から発生した衝撃波に俺達は一歩も足を動かさず

受け止めた。


「ハッハッハ・・・・・まさか、お前等が生きていようとは驚いたぞ。魔王よ!神よ!」


嬉々な表情を浮かべたコカビエルはルシファー達に言った


ルシファー 「私達は兵藤誠、兵藤一香の子供である兵藤一誠に助けられたのよ」


「ククク!何とも縁がある事だな?もしかしたらこの世界は『兵藤』と言う名の許に動いているかもしれん」


メイビス 「そうかもしれませんね」


コカビエル、ルシファー、メイビスが俺に視線を向けてくるが何の事だかさっぱり理解できない


「リアス・グレモリーの眷属はゲテモノの集まりだったが・・・・・そうか、そうか、魔王と神はこいつの眷

属と成っていたか。ミカエルやサーゼクス達が知れば大層驚くだろうな。クッハッハ!あいつ等が驚く様が思

い浮かぶぞ!」


ベルゼブブ 「話は此処までにしようかコカビエル。私達が此処に来た理由は」


レヴィアタン 「貴方との決着をつける為!」


メイビス 「私達と戦い生き残った貴方を」


アスモデウス 「私達は今ここで倒す!」


魔力を全身から迸らせて言うレヴィアタン達にコカビエルは今まで見た事が無いくらいの明るい笑みを浮かべ

て光の槍を構えた


「戦争を始めようと此処で準備をして暴れていたが・・・・・嬉しすぎる誤算だ。―――決着をつけるぞ!魔

王よ!神よ!」


一誠 「コカビエル!俺も相手に成ってもらうぞ!」


「来るが良い!俺は絶対に負けんぞ!今日は最高の戦いだ!あの時の続きが出来ると思うと俺は最高に嬉しい

ぞ!クハハハハハハッ!・・・・・勝負だ!兵藤一誠よ!魔王よ!神よ!」


俺達に攻撃をしかけながらあいつは笑っていた。嬉しくて、嬉しくて仕方がない程にあいつは笑っていた


『はあああああああッ!』

「うおおおおおおおッ!」


俺達は最後の決着をつける!



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



和樹side



一誠とコカビエルを結界に包んでいてから十分が経つけれど・・・・・あーもう!中でどれだけの激しい攻撃

をしているんだ!?僕の結界が今でも壊れそうだよ!


リアス 「大丈夫なのかしら・・・・・?」


和樹 「大丈夫ですよ。一誠と一誠が呼んだ人達と戦っているんですから」


朱乃 「それは一体誰ですの?」


・・・・・取り敢えずバルパー以外は結界を解くとしよう


和樹 「幾らグレモリー先輩達でも教える訳ことはできません」


木場 「僕も加勢に行った方がいいかい?」


聖魔剣を携えて僕に訊いてくる木場に「ダメだよ」と否定する


和樹 「言い方が悪いけど、一誠達の邪魔にしかならないよ。結界の中は常識を覆すほどの戦いをして

    いるんだ。真剣勝負、どちらが死ぬまで戦っているんだよ?キミじゃあ一瞬であの世行きだ。今の

    実力じゃあね」


成神 「そんな事無いぞ!木場は禁手に至ったんだ!俺の譲渡の力で木場の力を―――」


和樹 「それでも負ける。コカビエルはキミ達が生まれる頃よりずっと生きていて戦場にいたんだよ?それも

    神と魔王を相手に生きている程だからキミ達以上に実戦慣れている。例えこれからレーティング

    ゲームで実践経験が得られるからってゲームと本物の戦いは違う。キミ達じゃあコカビエルには勝て

    ないよ」


僕はあくまで事実を言うがそれでも食い下がってくる


成神 「じゃあ!お前はコカビエルを倒せれるって言うのかよ!?」


和樹 「さっき、僕の魔力と僕とコカビエルの戦いを見ていなかったの?僕でも倒せるぐらいだったよ。一誠

    だって本気で戦えば直ぐに終わらせていた筈さ」


リアス 「じゃあ、本気で戦っていなかったの・・・・・?」


和樹 「時と場所によって本気を出すか出さないか考えているんですよ。僕と一誠はね」


僕がそう言うと「やっぱり、私の眷属に入れたいわ」等と言葉を発した。僕はそれを対して


和樹 「一誠はともかく、僕を眷属に入れたいのなら倒してからにしてくださいよ?弱い処の眷属には居たく

    ないので」


リアス 「・・・・・毒舌な事を言うのね、見かけによらず」


和樹 「ははは・・・・・それはどうも」


「ほう、面白い事に成っているな」



空から聞こえてきた突然の声。この場に居る誰のものでもない。僕は暗黒の夜空を見上げる。誰だ?この力の

持ち主は―――


カッ!


一直線に伸びる白い閃光が、闇の世界を斬り裂きながら舞い降りる。高速の速度で僕達の眼前に白が映った。

闇の中で輝く、一切の曇りも影も見せない白きもの。地面すれすれの高度で、その場に浮かんでいた。白き全

身鎧。身体の各所に青の宝玉らしきものが埋め込まれ、顔まで鎧に包まれていて、その者の表情は窺えない。

背中から生える八枚の光の翼は、闇夜を斬り裂き、神々しいまでの輝きを発している。見覚えがあった、色と

形は違うけど、似ている―――。成神の『赤龍帝の鎧』と一誠の『不死龍の鎧』にそっくりだ。

―――だとすれば、あの白い全身鎧の正体は直ぐに把握できた


和樹 「二天龍の『白い龍』白龍皇アルビオン。神滅具のひとつ、『白龍皇の光翼』・・・・・。鎧と化して

    いるという事は、既にその姿は禁手状態の『白龍皇の鎧』だね。赤龍帝の成神と宿命の戦いに来たの

    かな?」


「今回は違う、コカビエルを無理やりにでも連れて帰る様に言われてね」


ふうん、そう言う事


「そこの魔術師、悪いがこの結界を解いてくれるかな?この中にいるコカビエルを連れて帰りたいのでね」


和樹 「それは無理な相談だよ。中でコカビエルは懐かしい人達と再会をして戦っているんだから」


「そうか、なら、この結界を壊させてもらう」


和樹 「人の話を聞いている?それとそれを僕がさせるとでも思った?」


白い全身鎧を着込んだ者の前に移動するに対してあいつは腕を組み静かに佇むだけだ。

・・・・・一触即発。何とも言えない空気が僕とあいつの周りに漂う


ピシッ!


あっ、もう終わったのかな?結界に罅が入ったし・・・・・罅?


ピシピシッ!


あっ!?しまった!僕は慌てて結界に魔力を籠めるが既に遅かった。結界の一部がガラスが割れた様な音を立

てて結界から何かが飛び出してきた。それを見ると


「・・・・・」


気絶しているボロボロの状態のコカビエルだった。どうやら終ったみたいだけど、これはちょっとまずいかも


一誠 (和樹、終わった―――)


和樹 (一誠!何でもいいから直ぐにルシファーさん達の顔を隠せるようなもので隠して!)


一誠 (・・・・・何でだ?)


和樹 (結界が破られた今、その結界は直ぐに崩壊するからだよ!後、数秒でルシファーさん達の顔がグレモリー先輩達に見られちゃう!)


一誠 (何だって!?って、驚いている場合じゃないか!皆、これを着込んでくれ!理由は直ぐにわかるから!)


僕の必死の言葉を聞いて一誠はルシファーさん達に何かを渡した様だ


「コカビエルが此処までに成るとは・・・・・だが、手間が省けた」


白い鎧を・・・・・面倒だからこれからは『アルビオン』と呼ぼう。気絶しているコカビエルの身体を肩に担

いだ。


「フリードとバルパーも回収しなければならないか。訊き出さないと行けない事もある。始末はその後か」


倒れ込むフリードの許にも足を運び、アルビオンは腕に抱えた。すると、其処で止まった


「・・・・・流石にバルパーまで持てないな。しょうがない、バルパーはそちらに任せる」


アルビオンは二人を回収して僕達にそれだけ言うと、光の翼を展開し、空へ飛び立とうとした。

『無視か、白いの』


―――誰だ?始めて聞く声だ。声の発信源を探すと成神の方だった。成神の籠手が光り出していた。若しかし

て、この声は赤龍帝ドライグ?


『起きていたか、赤いの』


今度はアルビオンの鎧の宝玉も白き輝きを発していた。この声はアルビオンのものかな?と、思っていたら

結界が高い音を立てて崩壊していった。その中に一誠と顔に色違いの仮面を被った五人の女性達が現れた髪と

か身体とか隠していないみたいだね。それにしても二天龍同士が会話する処を聞くなんて初めてだ


『折角であったのにこの状況ではな』


『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういう事もある』


『しかし、白いの。以前の様な敵意が伝わってこないが?』


『赤いの、そちらも敵意が段違いに低いじゃないか』


『お互い、戦い以外の興味対象があると言うことか』


『そう言う事だ。こちらも暫く独自に楽しませてもらうよ。偶には悪くないだろう?また会おう、ドライグ』


『それもまた一興か、じゃあな、アルビオン』


会話はやはり、二天龍の赤龍帝と白龍皇のものだった。別れを告げた両者だったけど、成神は納得できていな

い様に前へ出て問いだした


成神 「おい!どういうことだ!?お前は何者で、なにをやってんだよ!?」


「全てを理解するには力が必要だ。強く成れよ、いずれ戦う俺の宿敵くん」


そう一言だけ残して白き閃光と化して、それは飛びだって行く―――。そして僕は


和樹 「ふう、やっと終わった・・・・・」


溜息を思いっきり吐いて呟く。久々の全魔力の開放に僕は疲れたよ

-36-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ハイスクールD×D 13 イッセーSOS (富士見ファンタジア文庫)
新品 \630
中古 \339
(参考価格:\630)