小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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フェニックス家について数時間後になった。思い出の映像を見終わった俺はフェニックス家の中に案内されている。勿論、案内人はレイヴェルだ。寝室、調理場、トイレ、風呂場、再び庭園、そして


レイヴェル 「此処が私の部屋ですわ」


とある一室に招き入れられる。部屋の中は女の子の部屋だと思わせる一室だった。壁は桃色で白いフリルが着いたカーテン、天蓋付きのベッドの周りに可愛い大量のぬいぐるみ、家具の上には家族写真が複数あった


一誠 「可愛い部屋だな」


レイヴェル 「そうですか?私は普通だと思いますけど」


ベッドに腰がけながら「其処の席に座って下さい」と促し俺はその椅子に座ってレイヴェルと向き合う


レイヴェル 「そう言えばイッセーさまの眷属の方々は?」


一誠 「ああ、今回は俺だけだ。お父さん達絡みだから『お前一人で行って来い』って言われてな」


レイヴェル 「仮に主なのに眷属がそのもの言い様はどうかと思いますが・・・・・」


一誠 「気にしないさ、何せあいつらは俺の愛しい仲間、家族だからな」


俺が自慢気に言うと「・・・・・羨ましいです」と小さく呟いた。羨ましい?


一誠 「何が羨ましいんだ?」


レイヴェル 「い、いえ!何でもありませんわ!ホホホホホッ!」


俺の問いにはぐらかすレイヴェルはコホンと咳をして俺に質問した


レイヴェル 「イッセーさま、一つ聞いてもよろしいですか?」


一誠 「何だ?」


レイヴェル 「イッセーさまの眷属に大勢の女性がいました。その人達との関係は一体どんな関係でしょうか?」


どんな関係・・・・・か、決まっている


一誠 「俺の事を『好き』『愛している』と言ってくれる愛しい人達だ。それがどうかしたのか?」


レイヴェル 「―――いえ、ただ訊いてみただけですの。気にしないでください」


何故だか知らないけど落ち込んでしまったレイヴェル。励まそうにも言葉が見つからないから言えない・・・・・此処は話題を変えようと思い席から立ち上がり、家具の上に飾られている複数の写真を俺はその一つを手に取りレイヴェルに訊く


一誠 「レイヴェルって四人兄妹なんだな?」


レイヴェル 「ええ、そうですわ。お兄さま・・・・・三男のお兄さま以外は現在、外出や仕事に出られておりましてこの家には居ませんが」


この写真に写っているライザーとレイヴェル以外の二人の男の事だろう。今はいないそうで少し残念だ


一誠 「長男は誰なんだ?フェニックス家次期当主でもあるんだろう?」


レイヴェル 「この方がそうです。名前はルヴァル・フェニックス。レーティングゲームでもトップテンに入った事もある実力者ですの」


指で一人の男を差しながら自分の兄を自慢するように言う。


一誠 「それは凄いな。一度、戦ってみたいもんだ」


「それは私も同じ事ですよ。兵藤一誠くん」


レイヴェルの部屋の扉が声と共に開いた。その人物はこの写真に写っている男の一人―――フェニックス家の次期当主、ルヴァル・フェニックスだった


レイヴェル 「お、お兄さま・・・・・?何時お戻りに?それ以前にノックしてから入ってください!レディーに失礼ですよ!」


「おっと、それは悪かった」と謝罪する。何しに来たんだ?この人(悪魔)は


「初めまして、私はフェニックス家次期当主であり、レイヴェルと愚弟のライザーの兄、ルヴァル・フェニックス。兵藤一誠くん、お会いできて光栄だよ」


ライザーと違って物腰が柔らかそうだな


一誠 「こちらこそ、レイヴェルの兄である貴方に敢えて光栄だ。外出中だと聞いていたけど?」


「さっき帰って来たところで父上からキミが泊まりに来たと訊いて私は挨拶をと思い探すと妹の部屋から話声が聞こえて今に至った訳なのだよ」


成程、そう言うことだったんだ


「兵藤一誠くん、もしよければ私と勝負してくれるかな?愚弟を倒すほどの力を見せて欲しい」


一誠 「構わないけど、負けてもライザーの様にはならないでくれよ?」


挑発的に言うと「心配はいらないよ」と答えた。それは安心した。思う存分できるからな


「私は彼と『鳳凰の間』に行くがレイヴェルはどうする?」


レイヴェル 「お父さまたちに知らせてから私も行きますので先に行ってください」


「解った。では、私達は先に行くとしよう」


レイヴェルはカイザーさん達を呼びに向かっている間、俺はルヴァルの先導のものに鳳凰の間とやらに案内される。場所は玄関ホールだった


一誠 「・・・・・此処が鳳凰の間?」


「その入り口ですよ。鳳凰の間は神聖な場所です。私達フェニックス家の魔力では開かない仕組みになっていているんです」


ルヴァルはフェニックス家の文様を足元に展開するとそれに呼応したのか玄関ホール全体にフェニックス家の文様が浮かび上がった。そして俺とルヴァルは光に包まれて姿を消した



――――――――――――――――――――――――――――――――――――



俺とルヴァルが到着した場所は炎に囲まれた所だった。どうやら人為的に造られた洞窟の様で洞窟の奥には鳳凰を模した像が佇んでいた


一誠 「かなり広く高いな・・・・・一体誰が?」


「私も父上も解らないのだよ。父上も此処に連れてこられた時も同じ質問をしたようだが解らないと言われたみたいだ。これは悪魔で私の考えだけど初代フェニックス家の者達が造ったんじゃないか?と思っているんだ」


初代フェニックス家の当主・・・・・


「・・・・・どうやら父上達も来たようだよ。兵藤一誠くん」


俺達の背後に複数のフェニックス家の文様が展開した。現れたのはカイザー、フィル、レイヴェルの三人だ


「レイヴェルに呼ばれて来たのだが、ルヴァルとイッセーくんが勝負するとは思わなかったが頑張りたまえ」


「勝っても負けてもお互い悔いのない様に戦ってくださいね」


レイヴェル 「頑張ってください!お兄さま!イッセーさま!」


「ありがとう」と感謝を言って俺とルヴァルは少し離れた距離で向かい佇む。―――そして


「開始!」


「キミの実力を確かめさせてもらう!」


一誠 「フェニックス家次期当主の力を見せてもらうぞ」


俺達は炎の翼を展開して炎の魔力を放ったら炎同士がぶつかり合い爆発が起き土煙が発生したその最中、火の揺らめきが見えたと同時にルヴァルが火の鳥如く煙を突き破りながら炎の翼をはばたかせて俺に向かってきた。その大きさはライザーの数倍以上の大きさだった。


一誠 「デカッ!?」


「はあああああっ!」


驚く俺を余所に膨大な質量の炎を放ちながら迫りくるルヴァルに対して俺は空間を歪ませ其処に入り回避してルヴァルの攻撃をやり過ごす。俺が消えた事で移動しながら探すルヴァル


「何処に行った・・・・・?」


一誠 「あんたの背後だ」


「っ!?」


ドオオオオオオオオオオオオオンッ!


背後に現れた俺に不意を食らったルヴァルは俺の拳の打撃により洞窟の地面に煙を立たせながら叩きつけられた。さらに


一誠 「熾烈火」


極太の黒い炎の柱が地面に叩きつけられたルヴァルに向かうが煙の中から極太の火柱が煙を吹き飛ばして俺の熾烈火と衝突した途端、相殺になって消えた。俺はその事に少しだけ驚き俺の攻撃を相殺したルヴァルに問う


一誠 「俺と同じ事が出来る奴がいると思わなかった。流石、次期当主だ」


「これぐらい出来なくては次期当主と名乗れないからね・・・・・じゃあ、今度は私の番だ!」


炎の翼を大きく広げ羽ばたかせると炎の嵐が発生した!かなりの高熱の嵐の様で俺の皮膚がピリピリと痛みが伝わって来た。嵐と化とした炎はもの凄い速さで俺に向かってきたが俺は熾烈化で薙ぎ払う―――嵐は意思を持っているのか俺の攻撃を避けた。俺は目を大きく見開き驚愕する


一誠 「なっ!?」


「驚いている暇ない!」


更に炎の嵐を今度は複数発生させ俺を囲むように動く


「烈火炎嵐陣!」


炎の嵐は一つになり俺は嵐の中に閉じ込められ膨大の熱が俺にジワジワとダメージを与える。これは結界か何かか?


「その攻撃は相手を封じ込めるもの。一度閉じ込められたら最後、相手の体力を奪いつくすまでこの炎の嵐は消える事は無い。例え攻撃をしても直ぐに元に戻るので消える事のない脱出不可能な私の必殺技の一つです」


炎の嵐の向こうでルヴァルがそう説明してくれるルヴァルの顔は勝利したと確信した表情だ


「此処までの様ですね、兵藤一誠くん。降参してください」


俺はルヴァルの言葉に一際笑う。そして


一誠 「目には目を歯には歯を」


炎の翼を大きく広げ、この炎の嵐と逆に高速で回り巨大な炎の嵐を発生させると


一誠 「嵐には嵐をだ!」


ルヴァルの炎の嵐を飲み込み逆回転に回る俺の炎の嵐が今度はルヴァルを閉じ込めた


「私の攻撃を同じ攻撃で返した!?」


一誠 「ルヴァル、これでチェックメイトだ」


「まだだ!まだ私は負けてなどいない!私の全力を持ってこれで決めて見せる!」


炎の嵐の中でルヴァルは全身に膨大な炎の魔力を奔流と化として何かの形になっていく


「おおおおおおおっ!」


脱出不可能な炎の嵐を吹き飛ばしたルヴァルの姿は巨大な鳥の姿になっていた。鋭い目で俺を視界に捉える


「フェニックス家の長男の身にしか扱えないこの『不死鳥化』でキミを倒す!今の私は不死鳥フェニックスそのものだと思え!」


不死鳥・・・・・フェニックスと化と成ったルヴァルは翼を羽ばたかせると高速で俺に迫ってきた!俺は宙に飛び回避するが高速で来たため熱波が発生して俺の服が燃える結果になった。燃える上着を脱ぎ捨て飛来するルヴァルに炎の翼から熾烈業火魔弾をルヴァルに発射するとダメージを与えるどころか身体が一際大きくなった


「今の私はフェニックス!全ての攻撃を吸収して力に変える!キミの攻撃は効かないぞ!」


一誠 「そんなの有りかよ!?白龍皇アルビオンじゃああるまいし!」


愚痴を言いながらルヴァルの攻撃を避け続ける。ああ、もう面倒だ!ゾラード!


ゾラード (主よ、アレか?)


一誠 (そうアレでコイツを倒す。攻撃が効かない上に力を吸収されたら元も子もないからな)


俺は地面に降りると炎の翼を消した。ルヴァルは俺の行動に怪訝になったのか俺の前に降りてきた


「どうしたのかね?降参する気になったのかな?」


一誠 「誰が降参するか、お前の実力に敬意を払い俺も少しは本気を出す事にしたんだよ」


「本気・・・・・だと?今までは本気ではなかったというのかい?」


一誠 「アレはアレだ。今度は別の戦い方でお前を倒す事に決めたんだ」


全身に膨大な黒いオーラを奔流と化して俺の姿をルヴァルの視界から隠す


一誠 (いくぞ、ゾラード)


ゾラード (ああ、何時でも良いぞ)


一誠 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」


ボゴッ!バキッ!ボコンッ!ドンッ!



俺が叫ぶと同時に身体に変化が起こる。身体は盛り上がり服を破きながら異様な身体つきに成っていく。身体がどんどん膨れ上がり尾が生まれて巨大な翼が背中から出現した。口元が牙むき出しとなり手の爪が鋭利になって俺の身体が巨大化していった。そして、変化が止まり今の俺の姿は獰猛で凶暴な巨大なドラゴンに成った。


グアアアアアアアアアアアアアアアアッ!


咆哮しただけでフェニックス化になったルヴァルは洞窟の壁に吹っ飛ばされていった



レイヴェル 「ド、ドラゴン!?イッセーさまはドラゴンになったのですか!?」


一誠 「まあな、今の俺は龍化に成っているんだ。ただし、制限時間があるから滅多に使わない様にしているんだ」


「時間はどれぐらいだね?」


「三十分」だと答えるとフィルが寂しそうに話かけてきた


「イッセーくん、貴方は既に人間ではないのですか?」


一誠 「龍に成れるだけだ。俺は人間を止めてなんてないし止めるつもりもない・・・・・さて」


ルヴァルに向き直ると体勢を立て直していた


「まさか、ドラゴンに成れるとは酷く驚いたよ。だが、勝つのは私だ!」


口内から炎のレーザーの様なものが放たれ俺の体に直撃する。・・・・・しかし、火傷どころか傷一つもつかなかった


一誠 「何かしたか?」


「っ、なら!これはどうだ!」


宙に飛んだと思えば炎を巨大な球体にし始めた。その光景は太陽に思わせる程の質量と熱と大きさだったカイザーはルヴァルの行動に焦り怒声の声を張りながら制止する―――しかし


「食らうが良い!」


カイザーの制止の言葉に耳を傾けずルヴァルは巨大な炎の球体を放った。周りを溶かしながら俺に向かってくる刹那、俺の瞳が煌くと巨大な炎の球体がまるで停止したかのように止まり


『DivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivide!』!


大きさが半分、更に半分になり巨大な炎の火球は等々ボールぐらいの大きさになってしまった。ルヴァルは自分の最大で有ろう攻撃に無力化にされ酷く狼狽した


「ば、馬鹿な!私の全力の攻撃を半分にしただと!?兵藤一誠のスペックは一体何処まで―――」


一誠 「精神が崩れた時点でルヴァル、お前の負けだ」


ドラゴンの拳でルヴァルを殴る。すると不死鳥化が吹っ飛びながら解除されルヴァルは再び生身のまま洞窟の壁に衝突した。


「くっ、まだ、まだだ・・・・・私は、私は・・・・・戦える・・・・・っ」


そう呟きフラフラと身体を揺らしながら立ち上がるルヴァル。だが、呟いた後に力尽きて地面に倒れ込んで二度と立ち上がる事は無かった


「勝者、兵藤一誠!」


レイヴェル 「す、凄いです・・・・・お兄さまを倒すなんて」


「一香殿達の血を受け継いでいることだけありますね」


フィルとレイヴェルの驚きと納得の言葉を聞きながら龍化を解いて気絶したルヴァルの許に足を運び肩に担ぎカイザー達の許へ歩を進めてながら言う


一誠 「今日の事は俺達だけの秘密にしよう。ルヴァルが人間に負けただなんて冥界に知れ渡ったら、フェニックス家は色々と大変になりそうだからな」


「イッセーくんの心遣いに感謝するよ。ありがとう」


「ありがとうございます」


一誠 「こっちも良い戦いで良かったよ。フェニックスそのものと戦えたんだからな」


レイヴェル 「・・・・・」


ん?レイヴェルから視線を感じる・・・・・


一誠 「言いたい事があれば言っていいぞ?」


俺がレイヴェルに訊くとハッと気付いてブンブンと両手と首を横に振り「い、言え!何もございませんわ!」と言った。俺は怪訝になりレイヴェルに顔を近づけ再度問う


一誠 「本当にか?」


レイヴェル 「本当ですっ!で、ですから、顔を近づけないでください!ち、近いです!」


おっと、それは失礼と思いレイヴェルから離れる。その時のレイヴェルの顔は真っ赤に染め上がっていた


「では、此処から出ようとしよう。そろそろ、夕餉の時間だからね」


一誠 「あ、今日は俺が料理を作りたいのでいいですか?」


「イッセーくんは料理が作れるのですか?」


フィルの言葉に頷き自慢げに言う


一誠 「料理は得意中の得意だ。何せお母さんを泣かすほどの腕前だからな」


「おおっ、それは楽しみだ!では、そうしてもらえるかね?」


一誠 「解った。じゃあ、此処から出よう。此処にいたら料理が振る舞えないからな」


その後、ルヴァルを回復させ俺達は鳳凰の間を後にする



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



一誠 「さぁて、作るとしますか!」


レイヴェル 「はい!」


ただいま、俺達が居るのは厨房でございます。何故レイヴェルもいるのかと言うとレイヴェルは俺の料理の腕前を見て見たいと言って一緒に作る事になった


レイヴェル 「イッセーさま、何をお作りに成られるのですか?」


一誠 「家族の食卓に出る一般的な家庭料理、ハンバーグにしようと思うんだ。フェニックス家でハンバーグが嫌いな悪魔はいるか?」


レイヴェル 「いえ、いませんわ。寧ろライザーお兄さまが大好きな料理ですの」


ライザーはハンバーグが好き・・・・・だと?意外だ、意外すぎる!


一誠 「アイツの性格を考えると信じられないんだけど・・・・・」


レイヴェル 「因みにルヴァルお兄さまは牛丼ですわ」


一誠 「・・・・・二男は?」


レイヴェル 「グラタンです」


一誠 「・・・・・レイヴェルは?」


レイヴェル 「お母さまが作る肉ジャガですわ!って、どうかしましたか?急に頭を抱え込んでしまって」


お前等が本当に悪魔なのか疑問に思っているんだよ!心の中でレイヴェルに言うが当の本人は不思議そうに首を傾げて俺を見るだけだ


一誠 「・・・・何でもない取り敢えずハンバーグを作ろう」


レイヴェル 「お手並み拝見ですわ!」


三分後


一誠 「さてと、後は焼くだけだ・・・・・って、どうした?」


レイヴェル 「・・・・・一つ一つが一瞬で終わってしまって何が何だが解りませんでした。それにしても大量にお作りに成られましたわね?」


一誠 「あ、そうだった。今日はそんなに人数が居なかったんだった。すっかり忘れていたな・・・・・・どうしよう」


俺とレイヴェルの眼前には大量に加工された肉の塊があった。つい、ガイア達の人数分に作ってしまった


レイヴェル 「ライザーお兄さまの眷属たちにも食べてもらうのはどうでしょうか?」


一誠 「お兄さまの眷属?レイヴェルもライザーの眷属だろう?」


レイヴェル 「私はお母さまの眷属ですわ、ライザーお兄さまと未使用の『僧侶』の駒とトレードしたのです。ですから、今の私はお母さまの眷属なのです」


そうなんだ。じゃあ、今のレイヴェルはフリーって事か?フィルってゲームに参加していなさそうだし


一誠 「そっか、まあ、レイヴェルの提案にしよう。まずはこれを全部焼かないといけない。レイヴェル、手伝ってくれるか?」


レイヴェル 「勿論です!」


数十分かけて漸くすべてのハンバーグを焼けサラダと一緒に大量の皿に一つ一つ盛り付けやっと完成した


一誠 「完成!」


レイヴェル 「では、直ぐに持っていきましょうか。少し待っていてください。メイド達を呼びに行きますので」


一誠 「いや、その必要ないぞ。こうやって持っていくからな」


空間に歪みを生じてその中に次々と料理を入れていく。全部入れたら空間の歪みを消す


一誠 「レイヴェル、行くぞ」


レイヴェル 「あの、今のは・・・・・?」


調理場の扉を開ける俺にレイヴェルは俺がさっきした事を聞く


一誠 「特別な空間に置いたんだ。其処に置いておけば保存できるからな」


レイヴェル 「まるで冷蔵庫か何かですね?」


一誠 「よく言われる」


ダイニングルームに向かいながらレイヴェルの言葉に苦笑して肯定する。その数分後、ダイニングルームに着いたら席にはカイザーとフィル、気がついたルヴァルが座っていた。レイヴェルはダイニングルームに入らずそのままライザーと眷属たちを呼びに行った


一誠 「気がついたようだな、ルヴァル」


「ええ、貴方が回復をしてくれたお陰で目を覚ましました・・・・・はぁ」


そう言った途端もの凄く落ち込んだ!


一誠 「おい、何落ち込んでいるんだよ?まだ負けた事を引きずっているのかよ」


「あそこまで完膚なきまで敗北を味わせられて落ち込めずにいられませんよ・・・・・はぁ」


ダメだ、こいつ。完全に気力が無くなっている


「イッセーくんは『フェニックスキラー』なのかね?此処までルヴァルが落ち込むのは初めてだ」


一誠 「そう言われてもこっちが困るぞ・・・・・」


それにフェニックスキラーって何だよ!と心の中でツッコム俺だった


ガチャッ


レイヴェル 「連れてきましたわ」


ライザーとライザーの眷属を呼びに行ったレイヴェルがダイニングルームに戻って来た。彼女が開けた扉から続々と美少女、美女、美人が入って来た中に顔に半分だけの仮面をした女性が俺に気づく


「お前は・・・・・兵藤一誠・・・・・か?」


一誠 「ご名答、俺は幽幻龍騎士団『王』、兵藤一誠だ」


するとそれが呼び水となってライザーの眷属が騒ぎだす


「えっ?・・・・・嘘、どうして此処にいるの?」


「またライザーさまをイジメにきたのかにゃ!?」


「これ以上ライザーさまをいじめさせにゃい!」


「もう、あんなライザーさまが可哀想過ぎて見たくないのにこれ以上されたら・・・・・っ!」


「貴方を倒します!」


数名の眷属以外は動かないまま残りの眷属が俺に襲いかかって来た・・・・・・何か勘違いされているだけど


レイヴェル 「あ、貴女たち!おやめ―――」


一誠 「禁手」


瞬時で大天使化になり金色の翼で俺に襲いかかる眷属を捕える


「天使!?お前は一体何者だ!」


「彼女たちを放して!」


「斬る!」


更に数名が俺に襲いかかってくる。今度は大剣をもった女性もこっちに向かってきた―――が


「いい加減にせんかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


現当主、カイザーの怒声に脚が竦み動きを止めた。ライザーの眷属たちはカイザーの方へ視線を送ると怒りを露わにしたフェニックス家の当主の姿がいた


「だ、旦那さま・・・・・?」


「当主様・・・・・?」


「お前たち、一体誰を襲っていると思っている!私達の大事な友人の子供と同時に私達の子供だ!何を勝手に勘違いしてイッセーくんに襲っているのだ!それ以上の横暴は許さんぞ!」


襲っていない数名の眷属もカイザーの怒声に身を縮み込む。


『も、申し訳ございません!』


「ならん!お前たちは―――」


一誠 「もういい、カイザー。俺は気にしないから」


「イッセーくん、キミが許そうにも私が許せないのだ!それにこれは私達身内の事だ。口を出さないでほしい!」


一誠 「さっき『私達の子供』だって言ったじゃないか。だとしたら俺もその身内に入っている筈だ。だからお願いだ。俺は気にしていないから彼女たちを許してくれないか?『お義父さん』『お義母さん』」


俺が初めて二人にお義父さん、お義母さんと言うとカイザーは目を閉じ深く怒りを抑える為に深呼吸をした。フィルは何も言っていないがカイザーと同じ気持ちでいただろうと思い先に言った


「・・・・・解った。初めて息子の頼みだ。今回は許す、だが!同じ事を私の目の前でして見せろ!その時はどうなるか・・・・・解っているな!?」


『は、はい!誠に申し訳ございません!』


「私に謝罪する前にイッセーくんに謝罪しろ!」


カイザーさんがそう言うとライザーの眷属たちが(翼に捕まった悪魔はそのまま謝罪)土下座して謝罪の言葉を言った。俺は「気にしていないから大丈夫だ」と謝罪を受け取り許した。


一誠 「夕餉にしよう。お義父さん」


「うむ、そうだな。・・・・・レイヴェル、ライザーはどうしたのだ?」


レイヴェル 「お兄さまなら何時も通り部屋に籠もっていましたが夕飯のメニューを教えると『後で行く』と仰ってましたからそろそろ―――」


大天使化を解きカイザーに促すとライザーがいない事にレイヴェルに訊きレイヴェルはそろそろだと口にしたその瞬間、ダイニングルームの扉が開いた。入って来た人物はだらしない恰好で髪がボサボサのライザーだった


ライザー 「此処に近づいて来たとき騒がしかったんだが、一体何を騒い・・・・・で?」


髪をボリボリと掻き視線を周りに移しながら皆に訊くとライザーの視界が此処に居る筈がない俺に入った様で視線が俺と有ったまま固まってしまった。そして、顔の表情が変わり


ライザー 「ひょ、兵藤一誠ぇぇぇぇぇぇ!?」


俺に指を突きつけながら酷く狼狽した


一誠 「ライザー、久しぶり」


俺は手を上げ挨拶をするが


ライザー 「・・・・・ひ」


ん?


ライザー 「ひぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいっ!」


あいつは悲鳴を上げダイニングルームからいなくなってしまった。


一誠 「・・・・・まさか、あそこまでだったなんて」


オカルト研究部部室の時と婚約パーティの時に見せた高圧的な態度が全然なく、今のライザーは・・・・・ん〜、何て言うか・・・・・弱者?


メリア (主、流石に其れは無いかと思います)


一誠 (じゃあ、訊くけどお前は今のライザー見てどう思った?)


メリア (・・・・・黙秘権を使います)


お前も思っていたんだな、メリア


一誠 「全く人の顔を見て逃げるなんてどう言うことだよ」


レイヴェル 「お兄さまは一度も負けた事が無いので・・・・・」


一誠 「能力を過信しているからあんな風に成っているんだろうな」


「その言葉を聞くと耳が痛いよ。イッセーくん」


俺の言葉に苦笑するカイザー、だって事実だしなぁ


一誠 「はぁ、しょうがない」


腰辺りに空間を歪ませ顔を突っ込ませて覗くと・・・・・いたいた


一誠 「捕まえた」


レイヴェル 「えっ?捕まえた・・・・・?一体何を―――」


ライザー 「は、放せ!放してくれぇぇぇぇぇぇぇっ!」


『―――!?』


歪ませた空間からライザーが俺の腕に引っ張り上げられた。俺の拘束から逃げようと暴れるが俺は念の為に『幻想殺しの籠手』で首を掴み能力を封じて逃げられないようにしている


一誠 「ライザー、別にお前と戦いに来た訳じゃないんだぞ?俺は泊まりに来ただけだ」


ライザー 「か、帰れ!帰ってくれぇぇぇぇぇぇぇ!あの時の事を思い出すのは嫌だ!もう嫌なんだ!あんなみすぼらしい思いを二度としたくないんだ!」


「ライザーさまー」


「だいじょうぶですよー」


同じ顔の女の子・・・・・多分姉妹だろうけどライザーをなだめる


「愚弟が、誇り高きフェニックス家の男児がそんな姿を見せるとは呆れる・・・・・はぁ」


一誠 「ルヴァルも人の事が言えない上にいい加減に元気出せよ。何時までショックを受けているんだ」


ライザー 「か、帰れ!帰ってくれぇぇぇぇぇぇ!」


未だに叫ぶライザーに俺は嘆息して空間をもう一度歪ませ其処に手を突っ込みこいつの好物のハンバーグを取り出しライザーに真正面に座り


一誠 「せいっ!」


ライザー 「んごほ!?」


皿ごと顔面に押し付けた。突然、口の中にいれられ吐き出そうと仕草をするが口の中に広がる味が何なのか気づき咀嚼(そしゃく)し始め飲み込んだ


一誠 「落ち着いたか?」


ライザー 「あっ、ああ・・・・・」


漸く落ち着いたか、手間を取らせやがって


一誠 「ほら、今夜はお前の好物のハンバーグだ。レイヴェルから聞いたんだろう?」


ライザー 「確かに訊いたが・・・・・今まで食べた中で一番美味かったぞ。一体誰が作ったんだ?」


自分に指を差し「俺が作った」と言うと信じられない表情を浮かべた


ライザー 「あ、有り得ない・・・・・この美味しいハンバーグをお前が?」


レイヴェル 「お兄さま、まぎれもない事実ですわ。私もその場に立ち合わせておりましたのですから」


ライザー 「そう・・・・・なのか」


一誠 「今回は間違って大量にハンバーグを作ってしまったからお前とお前の眷属たちにも食べてもらおうとレイヴェルが提案したんだけどな」


俺はレイヴェルを見るとコクンと頷く


一誠 「いらないなら食べなくても良いけどどうする?」


ライザー 「・・・・・食べさせてくれ」


俺から顔逸らしてライザーは言う。お母さんの言う通りだな。美味しい料理を食べると人は嬉しくなるって


一誠 「それじゃあ、おかわりはまだ沢山あるから皆食べてくれ」


長大なテーブルが光輝き出したと思えばテーブルの上にほんのりと美味しそうな匂いを出すハンバーグが置かれていた。俺達は席に座り両手を合わせて


一誠 「いただきます」


『いただきます!』


夕餉を始めた

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