小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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幽幻龍騎士団VSグレモリー眷属VSシトリー眷属(1)





和樹side


屋上の駐車場からデパート内に侵入して数分、一誠と別れ僕達はグレモリー眷属を倒すべく二階の東側に進ん

でいる。念の為に屋上への入り口には結界を張っているので中からの侵入は不可能の状態にした。結界を壊す

には僕を倒すか違うところから屋上に向かわないといけない。まあ前者でくるだろうね


和樹 「黒歌さん、気配を感じる?」


猫耳をピコピコと動かして何かを捉えようとしているのが解る。そして


黒歌 「うん、グレモリー眷属が二人向かってくるにゃん・・・・・騎士の二人だわ」


騎士・・・・・木場とゼノヴィアだね。となると


和樹 「出番の様です。トーレさん」


トーレ 「確かに騎士なら私だな。セイン、ウェンディ、念の為にサポートを頼む。それか倒せ」


『了解(っス!)!』


和樹 「それと貂蝉さん、申し訳ないですが一人でグレモリー眷属の本陣に向かい金髪の少女を撃破してくれ

   ませんか?」


貂蝉 「あら〜ん?『王』を倒さなくて良いのかしらぁん?」


「回復担当を倒せばグレモリー眷属は不利になりますから」と説明すると「成程ね」と納得してくれた


貂蝉 「じゃあ、ちゃちゃっと穏便に倒してくるわぁん!」


ドドドドドドドドドドドッ!


セイン 「あんな姿で本陣に現れたら恐怖のどん底に落ちちゃうね」


オットー 「初見の人だと更に倍増」


そうだね。実際僕達もそうだったし


黒歌 「・・・・・あっ、騎士の二人が戻っていちゃった。どうやら途中で貂蝉が本陣に通り掛かる所を見て

   慌てて戻ったみたい」


・・・・・・まあ、大丈夫だよね?ガイアさんの攻撃を受けても平気でいるから


和樹 「じゃあ、僕達も動くとしよう。黒歌さんは奇襲に遭わない様にする為そのまま気配を探ってく

    ださい」


黒歌 「解ったにゃん」


走るでもなく、早歩きをするでもなく、警戒をしながら堂々と歩く事、数分後


グレイフィア 『リアス・グレモリーさまの「僧侶」二名、リタイヤ』


アナウンスが流れた。どうやら貂蝉さんがアルジェントさんを撃破してくれたらしい。でも、もう一人の

「僧侶」ギャスパーは一体誰が倒したのだろう?一誠達の方かな?でも、シトリー眷属を倒すと言っていた

からシトリー眷属が倒したと思った方が良いかな


黒歌 「あっ、貂蝉が戻って来たにゃん」


彼女が指をさす方向に見ると地響きを立てながらこっちに来るのが解った。


貂蝉 「ただいまぁん!可愛い子だったけど倒して来たわぁん!でも、本陣にいた子たち私の姿を見て驚いて

   いたのだけれどどうしてなのかしらん?」


和樹 「(あなたのその姿に驚いているんだよ!と流石に言えないよ・・・・・)」


セイン 「貂蝉のその姿に驚いたんじゃないのかな?」


この少女は人が言えない事を堂々と言えるね!?それが羨ましいよ!


貂蝉 「ぐふふっ!私のこの美しい身体に驚いちゃったわけねぇん?私って罪なオ・ト・メ」


クネクネと身体を動かして有り得ない事を言っている貂蝉を僕達は放っておいて先に進む。あの性格が無け

ればなぁ・・・・・


貂蝉 「あぁん、待ってぇ〜」


置いて行かれた事に気づき貂蝉さんは追い付いてきて僕達が二階のペットショップ足を踏み入れたその時

だった。黒歌さんから止まる様に言われ僕達の進行は止まる


トーレ 「どうした?」


黒歌 「この辺りに騎士が隠れているにゃん。不意打ちする魂胆の様だけど・・・・・無駄だにゃん♪」


突如、黒歌さんは霧を発生させた。霧はこのフロアを全体に広がり覆い尽くそうとしていた。すると黒歌さん

の身体が金色のオーラに包まれた。一誠の守護の力だ。二手に分かれる前に僕たち全員、一誠から守護と回

復、攻撃のオーラの力を持たせられた。一誠曰く「回復担当が離れていても回復できるように」との事だ。

この霧は悪魔と妖怪しか効かない。それは黒歌さん自身も例外ではない。だから守護の力が発動した

訳だね―――


ザッパアアアアアアアアアアアアアンッッ!!!


ペットショップに置かれている商品を破壊しながら向こうからオーラの波動が霧を吹き飛ばしながら僕達に向

かってきた。皆の前に出て防御障壁の魔法を展開してオーラの波動から守った。ちょっと、ちょっと!

デパートを破壊し尽くさないルールじゃないの!?思いっきり僕達の周りが破壊尽くされているよ!


ゼノヴィア 「む、今の攻撃で無傷とは流石だと言うべきか?」


木場 「ゼノヴィア、いくら毒霧を吹っ飛ばすのにこれはないよ・・・・・ルールを聞いていないの?」


オーラの波動が来た方向に木場とゼノヴィアが姿を現した。木場、キミって苦労しているようだね


ゼノヴィア 「ああ、聞いた。だが、アレ以外方法ないのだろう?」


木場 「遠回りすれば回避できたかもしれないんだよ?」


ゼノヴィア 「私は回りくどい事より正面突破の方が良い」


木場 「ああ・・・・・・もうっ」



ゼノヴィアの言葉に頭を抱えてしまった木場、・・・・・・ゼノヴィアって騎士じゃなくて戦車にした方が

よかったんじゃ・・・・・?


トーレ 「お前等が騎士だな?」


ゼノヴィア 「グレモリー眷属、『騎士』のゼノヴィアだ」


木場 「僕はグレモリー眷属の『騎士』木場祐斗」


トーレ 「私は幽幻龍騎士団『騎士』トーレ、お前等の力を試させて貰おうか」


両太腿と踵の部分に備えられた装甲から伸びる虫状の羽に似たエネルギー翼『インパルスブレード』を展開し

トーレさんが構えをとったら木場達が怪訝な顔になった


ゼノヴィア 「・・・・・そのチンケなもので私達二人と戦うのか?それと和樹、お前は何の駒だ」


和樹 「残念、僕は『兵士』だよ」


木場 「『兵士』?『僧侶』でもない『騎士』でもない・・・・・キミが『兵士』だって?兵藤くんは

    式森くんの価値を見誤ったのか・・・・・?」


その言葉に苦笑してしまう。そして僕は真顔に成って言った


和樹 「ハンデだよ。ハンデ、その方が直ぐに終わらないからね。それと一誠が決めたんじゃなくて僕が

   言ったんだ『兵士にしてくれ』ってその上、『兵士』だったら他の駒に『プロモーション』できるし」


腰に携えていたエクスカリバーを抜き放ち木場に突き付ける


和樹 「トーレさん僕は木場を、トーレさんはゼノヴィアを頼んでも?」


トーレ 「任せろ、直ぐに片づけるからな」


木場 「一度、キミとは戦ってみたかったんだ。それと此処には居ないけど兵藤くんもね」


ゼノヴィア 「剣を持たない『騎士』と相手なんてな・・・・・」


僕は木場、トーレさんはゼノヴィアと対峙してジリジリと間合いを詰めながら――飛び出した!


ザンッッ!!!


ガキィィイイイイィィン!


木場 「な・・・・・・?」


ゼノヴィア 「に・・・・・・?」


和樹 「木場と聖魔剣って弱いね?」


トーレ 「そのチンケなものに剣を破壊され斬られるお前はそれ以下だな」


僕達が飛び出そうとした二人より神速の瞬間移動で聖魔剣と聖剣を破壊して二人を斬り払った。エクス

カリバーで斬られた木場の身体は輝き始めこの場から消えていく。ゼノヴィアは深手を負ったが撃破までには

至らなかったようだ


グレイフィア 『リアス・グレモリーさまの『騎士』一名、リタイヤ』


和樹 「さて、残りはゼノヴィア、キミだけだ」


ゼノヴィア 「くっ!なら、デュランダルで―――」


トーレ 「遅い」


空間を歪ませ其処に手を突っ込もうとする深手を負ったゼノヴィアを神速の速さで斬るトーレさん、何もでき

ずにゼノヴィアは光に包まれながらこの場から消え去った


グレイフィア 『リアス・グレモリーさまの『騎士』一名、リタイヤ』


ゼノヴィアの撃破のアナウンスが流れた後トーレさんがつまらなさそうに嘆息した


トーレ 「つまらん。あんな相手をするぐらいなら、イッセーかあの人のほうが良かったぞ」


ウェンディ 「しょうがないっスよ。私たちってあの地獄の様な修行と鍛練で鍛えられているんスから」


オットー 「アレは地獄なんて生易しいもんじゃない。地獄より怖い・・・・・」


そうだね・・・・・あんな修行を一誠が一人でしていたと思うと尊敬しちゃうよ


黒歌 「先へ進まない?グレモリーが本陣から遠ざかったわ。本陣を破棄したみたいにゃん」


そっか、えっと僕達が倒したのはアルジェントと木場、ゼノヴィアの三人だね。ギャスパーの方はシトリー

眷属が倒しただろうし現在グレモリー眷属の数はその半分の四人か・・・・・


和樹 「そうだね。黒歌さんと龍牙には接触しないといけない相手がいるから早めに移動しよう」


龍牙 「今のところどちらも倒されていない様ですし心配ではないですが不安なので早く見つけたいです」


黒歌 「・・・・・急ぐわよ。どうやら既に戦っているにゃん」


あれま、じゃあ急がないとダメだね


和樹 「急ごう!」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



一誠side


同時刻。俺、ディエチ、チンク、ディード、ノーヴェ、セッテ、ドゥーエ、ウーノは和樹たちと二手に分かれ

屋上の駐車場から、専用の通路を下りて一階に行こうと歩を進めて現在、薄暗い立体駐車場に入っていた。

俺が仙術で相手の気を探知するが此処は誰もいなかった為スムーズに進んでいる。和樹たちはアルジェントと

木場とゼノヴィアを倒した様だな。ギャスパーの方はまだ会っていない内に撃破されたからシトリー眷属に

倒されたようだしと屋上の駐車場から、二階の薄暗い立体駐車場から通路を進んで、一階の駐車場へ足を踏み

入れたその時だった。―――前方に人影。見れば、眼鏡をかけた黒髪長髪の女性が一人―――。えっと確か駒

王学園、生徒会副会長の真羅椿姫っていうソーナの眷属『女王』と同時に俺達の先輩だったな。手に持ってい

るのは―――長刀?珍しいな


「ごきげんよう、兵藤一誠くんとその眷属さんたち。此処へ来る事は解っていました」


淡々と話す真羅先輩。その横から二名―――。長身の女性と日本刀を携えた細身の女性。


長身の女性が『戦車』の由良で日本刀を持っているのは『騎士』の巡だったな。由良の方は体術が秀でて、

巡の方は悪霊退治を生業にしていた一族の出だとアスモデウスから情報の資料と共に聞いたな


「開始早々、グレモリー眷属を三人倒すなんて流石ですね」


真羅先輩がそう口にするが俺は「俺達が本気になればこのゲームはとっくの昔に終わっている」と挑発的な

発言をする


「では、本気ではないと?」


一誠 「今、こうして話し合っている間でも先輩を倒せるけど?」


『・・・・・っ!?』


絶望的なプレッシャーと濃厚な程の殺意を先輩たちに向けると由良と巡は恐怖で身体を震わせ始めた。

真羅先輩は顔には出さない様だけど長刀を持つ手が震えていた


一誠 「ノーヴェ、お前は長身の女性、セッテは日本刀を携えた女性と戦え」


ノーヴェ 「ああ、解った」


セッテ 「あの黒髪長髪の女性は誰が?」


彼女の問いを聞いて俺は腰に携えていたエクスカリバーオルタを抜き放ち


一誠 「俺がやる。長刀なんて珍しいからな」


真羅先輩に突き付け言う・・・・・。ああ、そうだ


一誠 「念の為に」


と、ノーヴェとセッテに回復と守護の効果を持つオーラを纏わせる


セッテ 「ありがとう。イッセー」


ノーヴェ 「・・・・・別にいらねぇよ」


一誠 「はあ・・・・・そっか、ノーヴェは俺の気持ちを受け取ってくれないのか・・・・・残念だ」


ショックを受けた振りをするとアタフタと慌てて「じょ、冗談だ!イッセー、ありがとうな!もの凄く

嬉しいから!」と感謝した。


「・・・・・楽しそうですね」


一誠 「まあな」


俺は真剣な表情に戻し真羅先輩と対峙する。ノーヴェは由良と、セッテはブーメラン型の固有武装

『ブーメランブレード』を発現させて巡と対峙した。お互いに得物をかまえ、ジリジリと間合いを詰めながら

―――飛び出した!


ガギィィイイイイィィン!


ガッ!


俺と真羅先輩が剣を交え、セッテと巡はブーメランと剣を交える。ノーヴェと由良は拳と拳をぶつけ合った


一誠 「へぇ、長刀の扱いが上手だな」


「これでも私は長刀の有段者です。それが噂に聞くエクスカリバーオルタですね?聖剣でありながら邪悪な

力を持つ剣だと聞いています」


鍔迫り合いになりながら俺達は言葉を発し合った


一誠 「今回のルール『バトルフィールドと成るデパートを破壊尽くさないこと』だから大きな攻撃は出来

    ないのが痛い」


「では、どうするのです?」


ギャンッ!


長刀を打ち払い俺は一歩下がって


一誠 「思う存分エクスカリバーの能力を使役する事にするさ・・・・・。『擬態の聖剣』、

   『天閃の聖剣』」


エクスカリバーオルタが意思を持ったようにうねり始め、神速の速さで宙を無軌道に激しく動きながら先輩の

方へ向かった。先輩は巧みに長刀を扱い俺の攻撃を防ぐ。更に剣の先端を枝分かれさせ先輩に激しい突きを繰

り返すがそれでも防いでいった


一誠 「流石は長刀の有段者といったところか。透明にしてもそれさえ防ぐとは凄いな」


「それはどうも。ですが、貴方は剣の能力を頼って戦っているようですね。そんなんじゃあ私に勝て

ませんよ?」


一誠 「そうだな。先輩の言う通り一理あるな・・・・・じゃあ、こうしよう」


エクスカリバーオルタを再び擬態させた。剣が形を変えて長い柄の先に反り返った長い刃の武器になった。


「私と同じ長刀・・・・・?」


一誠 「今度はこれで先輩と戦ってやるよ」


「対等な戦いをすると言うのですか?」


ヒュンヒュンと器用に長刀を振るったあと構え「そうだ」と言う


一誠 「これでも色んな武器を使う事ができるんだ。先輩の様な有段者ではないけどな」


「長刀同士で戦うとは思っていませんでしたが・・・・・面白いですね。受けて立ちましょう」


再び俺と真羅先輩は飛び出して鍔迫り合いをした。俺が下から上へと刃を斬り上げると先輩は上から振り

下ろしそれを止め身体を短く旋回させその遠心力で長刀を横に振るが俺は長い柄で止める。すると先輩はその

場にしゃがみ足を伸ばして俺の足を払って俺は体勢を崩してしまうが宙で身体を捻り体勢を立て直す頃には既

に先輩の長刀は振り下ろされていた


ガキンッ!


一誠 「本気じゃないとはいえ此処まで俺と相手にできるなんて感服するよ」


「これでも本気で無いと言うのですか・・・・・」


振り下ろされた長刀の刃を柄で受け止め先輩の顔を見ながら発した。先輩はまだ俺が本気じゃない事に顰め

面になる


一誠 「初めてのレーティングゲームだから俺は楽しみたいんだ。そして俺は人間のままでどこまでいけるか

   試したい―――いや、『俺達』だな」


受け止めている先輩の長刀の長い柄を掴み立ち上がると


グレイフィア 『ソーナ・シトリーさまの『騎士』、『戦車』一名、リタイヤです』


ノーヴェ 「イッセー、終わったぞ」


セッテ 「余裕で勝ちましたよ」


無傷の姿のノーヴェとセッテが俺に声を掛ける。由良と巡を倒した様だな。先輩の長刀を放すと俺から一歩

離れた


一誠 「さて、もう少し戦いたかったけど終わりにしよう」


瞬時で先輩の真上に移動して長刀を振り下ろし、直撃する―――その瞬間だった


「―――神器、『追憶の鏡』!」


真羅先輩の目の前に装飾された巨大な鏡が出現する!俺はソレを理解していながら敢えてその鏡を粉砕した


ズォオオオオオオオオオンッ!


一誠 「―――っ」


割れた鏡から波動が生まれ、俺は鮮血を噴出しながら後ろに吹っ飛ばされ立体の駐車場の壁に背中からぶつ

かった


ウーノ 「イッセー!?」


ノーヴェ 「お、おい!?」


セッテ 「大丈夫ですか!」


ウーノを筆頭に皆が俺の許へ駈け寄って来た。その間、真羅先輩は駐車場から逃げて行った


一誠 「ああ、大丈夫だ」


「よいしょっと」と立ち上がり皆に言う


一誠 「成程、あれが『追憶の鏡』の能力か―――うん、あの能力を奪おうかな」


チンク 「ワザとその『追憶の鏡』の能力を受けたのか?」


一誠 「皆に心配かけて悪いと思ったけど気になってな。次は倒すさ」


傷を治した後、幻想殺しの籠手の能力、浄化で血に濡れた服を綺麗にする


ディエチ 「もう、心配したんだよ?あのイッセーが負けたのかと思って」


ドゥーエ 「そうよ。心配掛けさせないで」


一誠 「ごめんなさい」


皆に謝罪して許してもらったあと、真羅先輩の跡を追う



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