小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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幽幻龍騎士団VSグレモリー眷属VSシトリー眷属(2)


和樹side


木場たちを倒した後、僕たちは飲食店と同時にグレモリー眷属の本陣の前にいるんだけど


和樹 「うわぁ・・・・・トラップだらけ」


皆には解らないだろうけど僕は解る。彼方此方にトラップの魔方陣が張られている事に


ウェンディ 「うーん、私には見えないんスけど・・・・・どうするんスか?トラップが有るなら

      『プロモーション』が出来ないっスよ?」


和樹 「大丈夫、直ぐに解除するから」


足元に大きな魔方陣を展開して飲食店に移動させるとトラップの魔方陣がそれに反応して―――爆発した。飲

食店は破壊し尽くされ跡形も無くなっていた


セイン 「・・・・・ねえ、ルールは『バトルフィールドと成るデパートを破壊尽くすな』

     じゃなかったの?」


和樹 「―――これって僕がやった事に成るのかなぁ・・・・・?」


僕は皆に破壊尽くされた飲食店に指をさしながら訊くと


『・・・・・』


顔を背けられた。ごめん、一誠・・・・・。評価を下げちゃったよ


和樹 「―――『プロモーション』、『僧侶』」


静かに飲食店の中に入り魔力強化の特性の『僧侶』になった。


龍牙 「じゃあ僕は『プロモーション』『騎士』」


セイン 「『プロモーション』『女王』!」


ウェンディ 「『プロモーション』『女王』っス!」


貂蝉 「『プロモーション』『女王』♪」


これで『兵士』の僕達は無事に「プロモーション」ができたその時だった


グレイフィア 『ソーナ・シトリーさまの『兵士』一名、リタイヤ』


シトリー眷属の撃破のアナウンスが流れた


龍牙 「『兵士』!?まさか、匙って言う人じゃあないでしょうね!?」


あ、慌てだした。一誠から倒してこいと言われていたもんね


和樹 「落ち着いて龍牙、黒歌さんこの辺りに気配を感じますか?」


黒歌 「うん、感じるわ。こっちにゃん」


飲食店を後にして黒歌さんの先導のもとにより僕達はついて行った。そこは横に長い一直線のショッピングモ

ールでその先に成神と匙が殴り合っていた。その傍に小猫ちゃんが佇んで見守っている。あらら、既に匙の方

がボロボロ・・・・・ん?成神の右腕についているあのラインは何だろう?僕達はゆっくりと成神たちに近づ

くと小猫ちゃんの頭についている猫耳がピコピコと何かに反応して僕達の方へ勢いよく振り向いた。そして目

を大きく開いて驚愕した


黒歌 「白音・・・・・」


小猫 「黒歌・・・・・お姉さま」


二人の姉妹猫はお互い顔をただ見るだけで動こうとしなかった


成神 「なっ!お前等・・・・・何時の間に!?」


匙 「幽幻龍騎士団・・・・・っ!」


殴り合いしていた二人も僕たちに気づき攻撃を中断した


和樹 「やあ、成神と匙、三日ぶりだね」


成神 「アーシアと木場とゼノヴィアとやったのはお前らか!?」


和樹 「そうだよ。僕と彼女と・・・・・彼女がね」


一瞬、貂蝉さんのことを何て言おうか悩んだけど彼女と呼ぶ事にした


貂蝉 「はぁ〜い♪可愛い男の子ね?食べちゃいたい☆」


『ぎゃああああああああああああああああああああああああああっ!!!』


初見の人だと開口一番はやっぱり驚愕の声だね!うん、僕もそうだったから


成神 「な、ななななっ、何だ!このオカマは!?」


匙 「こいつも人間なのか!?どうみてもバケモノだぞ!」


貂蝉 「だぁ〜れが!一目で見ただけで死に追いやる事が出来るおぞましいオカマのバケモノですってえええ

    えええええええええええええええ!?」


『其処まで言っていないッ!』


うん、そう言うところも一緒だ。まあ、慣れたら勝ちだと言うけどその通りだね


和樹 「黒歌さん、貴女は小猫ちゃんをお願いしますね。龍牙はあの二人をお願い」


黒歌 「そのつもりよ。―――さあ、白音。私が貴女の相手にゃん♪」


小猫 「・・・・・っ」


黒歌さんは小猫ちゃんに向かって行った。だけど、それを阻もうとするのが


成神 「一度ならず二度までも小猫ちゃんを付け狙いやがって!そうはさせないぞ!」


彼だった。全く、仲間意識も良いんだけど『家族の話合い』を邪魔しないで欲しいんだよねぇ


龍牙 「キミの相手は僕だよ!」


成神 「誰だ!お前は!?」


龍牙 「僕は駒王学園の二年、神城龍牙。そして―――禁手!」


禁手と発した途端、龍牙の身体は一瞬の金色の閃光に包まれた。金色の閃光が止む頃にはアザゼルとは違う

金色の全身鎧に身を包んでいた。背中には翼、腰には尾が生えていて胸の部分の鎧にはドラゴンを模した顔が

あった


龍牙 「余の相棒、六大龍王ファフニール、別名『忘れ去られた龍王』の魂を宿す者だ」


成神 「忘れ去られた龍王・・・・・?それに六大龍王?ドライグ、ファフニールって龍王っていたのか?」


龍牙の自己紹介に疑問に思ったのか左腕に宿る赤龍帝ドライグに話かけた。すると僕たちにも聞こえる声で

答えてくれた


『・・・・・いや、ファーブニルなら知っているがファフニール、しかも六大龍王と名乗るそのドラゴンは

俺が知っている限りではいないぞ』


『やはり私の事を覚えていないのか!?ドライグよ!私はお前と何度も有ったことあるのだぞ!?』


『・・・・・すまん、覚えていない』


『うおおおおおおおんッ!!!』


号泣しちゃったよ・・・・・可哀想に


成神 「そんなドラゴンなんて元々いなかったじゃないのか?それに忘れ去られた龍王って言っていたけど

   忘れされやすいからそんな名前になったんじゃないのか?」


『・・・・・』


今度は沈黙しちゃったよ・・・・・お気の毒に


龍牙 「ファフニール、元気出せ。余等が天龍と龍王を倒し名乗りを上げ世界中に知らせれば良いだけの

   ことよ」


『そ、そうだな・・・・・ああ、そうだな!よし、元気が出たぞ!まずは、ヴリトラを宿す者から倒そう!』


龍牙 「そうだ、汝はそれでいてくれればいいのだ。―――では、相手に成って貰おうか」


匙 「くそ!」



――――――――――――――――――――――――――――――――――



龍牙side



一誠によりチャンスをくれたこの機会を逃す訳にはいかん。


匙 「この野郎っ、お前の名声の為に倒される訳にはいかねえんだ!俺は成神を、赤龍帝を倒さなきゃなら

   ないんだよ!」


黒い蛇が何匹もとぐろを巻いている状態の右腕を余に向けた途端、黒い蛇がラインと化と成ってこっちに迫っ

てくるかと思えば余を通り過ぎた。背後に振り向くと家具屋のコーナーがあってラインがそこへ伸びて行った

と思えば複数の大型の家具を接続し引っ張って宙で弧を描くように余の真上に持って来た


匙 「潰れろおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」


龍牙 「汝がな。ついでに赤龍帝、汝もだ」


空間に穴を開け其処から大剣を取り出し素早くラインを斬った。ラインが無くなり接続された複数の家具はそ

れでも余の真上に落ちるが逆に大型の家具の後ろに瞬時で回り込み赤龍帝とヴリトラに向けて横なぎで蹴る


成神 「そんなもん効くかよ!」


匙 「うおおおおおおおおおおおおおおっ!」


赤い魔力の波動を放ち自分に向かってくる大型の家具を粉砕して難を逃れる赤龍帝、再びラインを繋げ軌道を

逸らし別の所に落とすヴリトラ


龍牙 「相棒が言った通り、まずは・・・・・ヴリトラ、汝を最初に撃破させてもらう」


匙 「っ!?」


ヴリトラは何時の間にか自分の懐に現れたのを気づき驚愕する表情を見せるが余は拘らず付き付けた大剣を

ヴリトラの腹部を深く突き刺し背中には血に濡れた刃が顔を出す


匙 「ぐあああっ!」


成神 「匙ぃぃぃぃぃぃぃぃッ!?」


龍牙 「撃破」


大剣をヴリトラから抜き取り横に振り血を振り払った。血は弧を描くように床に付着した


匙 「く・・・・・そ・・・・・が」


ヴリトラが怨念の籠った言葉を余に向けながら光に包まれて消えて行った


グレイフィア 『ソーナ・シトリーさまの『兵士』一名、リタイヤです』


龍牙 「さて、残るは赤龍帝、汝のみだ」


撃破のアナウンスが流れる最中、大剣を赤龍帝に突き付け戦闘継続の意思を見せる


成神 「この野郎!匙は、匙は!夢の為に俺と戦っていたんだぁ!それをお前が横槍に入って邪魔をしや

   がった!許さないぞ!」


龍牙 「何かの為に戦うのは構わない。が、これはゲームで戦いだ。何時、どんな時、何かが起こるのか解ら

    ないのが常。それを汝等が理解していると思っていたのだが?」


成神 「黙れ!このテロリストもどきが!一体、何のためにゲームに参加しているんだよ!?」


テロリスト・・・・・もどき?


龍牙 「余り出過ぎた発言をするのはよして貰おうか。赤龍帝」


成神 「事実だろうが!禍の団のトップとヴァーリ達を仲間にしたんだぞ!・・・・・あっ、だから兵藤は

   殺されたのか?テロリストの親玉を取り返そうとした禍の団にさ」


・・・・・ギリッ


龍牙 「貴様、今、自分が何を言っているのか解って言っているのか?」


成神 「はっ?・・・・・・あっ!?」


魔王に他言無用だと言われた事をこいつは情報を言うとは・・・・・しかもこのゲームを観戦している三大

勢力と他の勢力のVIPの前で・・・・・っ


和樹 「キミは変態な上にバカだね。呆れて何も言えないよ」


成神 「う、うるさい!・・・・・はい?・・・・・えっ!?」


和樹の言葉に食って掛かる赤龍帝だが突然、鎧越しに耳元を抑えたと思えば黒歌さんと戦っている黒歌さんの

妹を見た。余もそちらへ見ると赤龍帝と同様に耳元を抑え、赤龍帝を見詰めていた


成神 「小猫ちゃん・・・・・」


小猫 「・・・・・大丈夫です。行ってください」


成程・・・・・そう言うことか


龍牙 「見逃してやる。だが、次に会った時は今度こそ余が倒す」


成神 「・・・・・っ」


赤龍帝は下唇を噛みしめ余から去っていった。だが、未だにラインが赤龍帝の右腕に繋がっている事が気に

成り大剣を投げ斬り離すと切断されたところから赤い液体が流れ出てきた・・・・・どうやら血の様だな


和樹 「いいのかい?」


龍牙 「良い。何故なら余が倒すからな。それより・・・・・あっちはどうなのだ?」


ウェンディ 「勿論、黒歌さんが優勢っスよ」


少し離れたところで姉妹猫が戦いを繰り広げていた


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


黒歌side


初めてね。白音とこうして戦うなんて、・・・・・でもまだまだ仙術を扱いなれていない様ね


黒歌 「ほら、猫又の力をもっと開放しない。じゃなきゃ仙術の力は更に発揮できないわよ」


本来、猫又の上級妖怪は尻尾の数は二本。だけど白音の尻尾の数はまだ一本しか生えていない。この子なら既に

二本の尻尾を生やし更に力を発揮できる筈なのにそれをしない、もしくは出来ないって事は・・・・・私の

所為ね


小猫 「・・・・・イヤです。今の私はこれで十分なんです」


黒歌 「白音・・・・・」


小猫 「・・・・・違います。私の名前は搭城小猫、私は・・・・・私は・・・・・黒歌お姉さまの妹じゃあ

   ありません!」


黒歌 「―――っ!?」


ドンッ!


再びあの時の様に私は絶縁とも言える宣言を言われ私はそのショックに身体を止めてしまい白音はその隙に

仙術を纏った拳を私のお腹に突き刺した


黒歌 「ぐっ!」


身体に駈けめぐる仙術の痛みが伝わった。直ぐに仙術の対処方法を施して白音を見る


小猫 「・・・・・」


何の迷いもない瞳で真っ直ぐ私を見詰める、・・・・・そう。白音、貴女は・・・・・私を姉としてみてくれ

ないのね・・・・・?


黒歌 「白音・・・・・ごめんなさい」


小猫 「・・・・・?」


黒歌 「ごめんなさい、怖い思いや寂しい思い、辛い目に遭わしてしまってごめんなさい」


一歩一歩と白音の許へ歩み寄る。白音は何かの罠だと思ったのか私から一歩下がった


黒歌 「白音、もう私の事をあの時の頃の様な笑顔で『お姉さま』と呼んでくれないのね?」


小猫 「っ・・・・・」


私が一歩進むと白音も一歩下がる


黒歌 「あの時、貴女を残して逃げたのはダメだったのね・・・・・?私が白音を主だった悪魔から守ろうと

   殺した事で全て私に注意が向けられると思ったけどそれが逆効果だったのね・・・・・?」


小猫 「・・・・・」


また私が白音の許へ一歩進むと白音は一歩、私から遠ざかるが


小猫 「・・・・・!?」


背後には壁が存在していて白音は気付いていないまま背中から壁にぶつかった。もう後ろには下がれない。

私は瞬時で白音に近づき抱き締めた


小猫 「・・・・・放してくださいっ」


私から逃れようと必死に私の腕の中で暴れる。だけど私はそれを許さず逃げない様に更に力を込めて抱き

締める


小猫 「・・・・・放して」


仙術のオーラを纏った拳で再び私の身体を突き刺す


黒歌 「ごめんなさい」


小猫 「・・・・放して・・・・・っ」


ドンッ!


黒歌 「ごめんなさい・・・・・っ!」


小猫 「・・・放して・・・・・っ!」


ドンッ!


黒歌 「ごめんなさい!白音ぇぇぇぇぇぇぇッッ!!!」


小猫 「放してください!黒歌お姉さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」


ドンッッ!


想いの籠った拳の一撃が私のお腹に直撃した。全身に力が入らず抱き締めていた白音を放してしまい床に倒れ

込んでしまった。そして私の体は光り出す。最後に・・・・・最後に言わせてちょうだい


黒歌 「白音・・・・・私は白音の事が好きにゃん。例え、嫌われようとも私を絶縁しようとも

   私は・・・・・私は」


最後の言葉を言おうとしたけれど私の視界が白く染まり、白音の姿が見えなくなってしまった・・・・・。


グレイフィア 『幽幻龍騎士団『僧侶』一名、リタイヤです』


































白音、私は白音を、妹を姉として愛しているにゃん










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