小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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幽幻龍騎士団&二天龍VS悪神ロキ!



―――決戦の時刻。


すでに日は落ちて、夜と成っている。俺たちはオー爺ちゃんと日本の神が会談するという、都内のとある高層

高級ホテルの屋上にいた。俺たちはソーナとヴァーリにロキとフェンリルに対する作戦を聞き終わると

ソーナから「気を付けてください」と心配される


一誠 「大丈夫だ。みんなも一緒だからな」


俺の周りには和樹と龍牙、黒歌、ルフェイを除いたヴァーリチーム、ヴォルケンリッターとリインフォース、

マテリアルとユーリたちがいた。

(ナンバーズたちはジェイルたちに何か頼まれてこの一戦には参加はできなかった)



「あの・・・・・」


ソーナの隣にいた真羅先輩が言い辛そうに言葉を濁す


一誠 「どうしました?」


「・・・・・怪我をしないで帰ってきてください」


一誠 「大丈夫。ソーナにも言ったように俺の仲間が傍にいるから怪我なんてしない」


「な?ヴァーリ」と問うと頷いた


「ああ、俺たちが負けることはないからな」


「主を守護するのは我等、ヴォルケンリッターの務め」


「どんな敵でも倒しちゃうから大丈夫だよ!」


ヴァーリに続いてシグナムとレヴィも言った―――刹那


バチッ!バチッ!


ホテル上空の空間が歪み、大きな穴が開いていく。そこから姿を現したのは

―――悪神ロキと巨大な灰色の狼、フェンリルだった。


「あとは宜しくお願いします」


「無事に帰ってきてくださいね」



二人が足元に魔法陣を展開したと同時にホテル一帯を包むように巨大な結界魔法陣が展開し始めた。

ソーナたちは結界の外にいる。ロキは結界を感知するが、不敵に笑むだけで抵抗は見せなかった。そして、

俺たちは光に包まれた―――。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



次に目を開いたとき、其処は大きくひらけた土地に岩肌ばかりの場所だった。でも、此処なら思う存分力を

出せる。周りを確認すると俺を含め幽幻龍騎士団全員は上空にいた。タンニーンも俺たちの隣にいた。地上

にはグレモリー先輩を始め、イリナも含めてグレモリー眷属は全員いる。バラキエル(アザゼルに教えてくれ

た)とロスヴァイセも同様。少し離れているところにヴァーリチームも確認できその前方にロキとフェンリル

がいた。


一誠 「今回は宜しくな。タンニーン」


「・・・・・妙な動きをしたらその時点で俺は躊躇いなく噛み砕くぞ」


一誠 「・・・・・もしかして、俺に倒されたことを根に持っているのか?もしそうならプライドが低い

    ドラゴンだな」


「なんだと!?」


嘆息した俺にタンニーンは怒りを露わにした。すると首に掛けていた大剣のストラップが喋り出す


『トカゲの奴等はプライドと強大な力なだけが取り柄だ。負けて根に持つのも仕方ないだろう』


「貴様!俺を愚弄するか!それに俺はトカゲではない!」


『私からすればトカゲはトカゲだ。いや、人間である兵藤一誠に負けたトカゲは―――塵芥に等しいな』


ブチッッ!!!


タンニーンから何かが切れたような音が聞こえた。俺は創造神を窘める


一誠 「おいおい、そんなことを言うなよ。共闘する仲間なんだから」


『兵藤一誠、私は事実を言ったまでのこと』


ダメだ、コイツをドラゴンに近づけさせたら瞬時に喧嘩を始めてしまう


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


地上から大きな音が聞こえた。まるで巨大な何かが落ちたような音だった。俺は下を見ると『赤龍帝の鎧』を

全身に纏う成神が大きなハンマーを地面に振り下ろしたあとの様子が視界に入った。何だあれ?もしかして

ヴァーリとソーナが言っていたミョルニルのレプリカって言う槌か?俺は気になり成神の傍に降りてハンマー

を見る。日曜大工にでも普通にある槌だな。豪華な装飾やら紋様が刻まれているようだけど


「ふははは」


ロキが笑う


「残念だ。その槌は力強く、そして純粋な心の持ち主にしか扱えない。貴殿には邪な心があるのだろう。

だから、雷が生まれないのだ。本来ならば、重さすらも無く、羽のように軽いと聞くぞ?」


ロキの言葉に俺は目を細め成神を捉える


一誠 「お前、ド変態だからそんな重たそうに持って雷も生まれないんじゃないのか?」


成神 「う、うるさい!」


「では、そろそろ此方も本格的な攻撃に移ろうかッ!」


ロキが指を鳴らすと、今まで様子を見ていたフェンリルが一歩前に進みだした。


「―――神を殺す牙。それを持つ我が僕フェンリル!一度でも噛まれればたちまち滅びをもたらすぞ!お前た

ちがこの獣に勝てると言うのならばかかってくるがいいッ!」


ロキがフェンリルに指示を出した。その瞬間―――グレモリー先輩が手を挙げた。


「にゃん♪」


ブゥゥゥゥイイイイィィィィンッ!


黒歌が笑むのと同時にその周囲に魔方陣が展開して、地面から巨大で太い鎖が出現する!アレがグレイプニル

って言うフェンリルを捕縛する鎖か・・・・・。タンニーン、バラキエルが始め、グレモリー先輩とその眷属

とヴァーリたちが鎖を掴み、フェンリルの方へ投げつけた!


「ふはははははっ!無駄だ!グレイプニルの対策など、とうの昔に―――」


バヂヂヂヂヂヂヂッ!


ロキの哄笑空しく、鎖は意思を持つかのようにフェンリルの身体に捲きついていった。


オオオオオオオオオオオンッ・・・・・。


フェンリルが苦しそうな悲鳴を辺り一帯に響かせる


「―――フェンリル、捕獲完了だ」

バラキエルが身動きできなくなったフェンリルを見て、口にした。ヴァーリ・・・・・このままじゃあ

フェンリルを捕獲できないぞ。どうするんだ?


「スペックは落ちるが―――」


まだ余裕があるのかロキは不敵に笑って両腕を広げた。


グヌゥゥゥゥン。


ロキの両サイドの空間が激しく歪みだした。何だ?何をする気―――。


ヌゥン。


空間の歪みから、何かが新たに出てくる。それは灰色の毛並み。鋭い爪。感情がこもらない双眸。そして、

大きく裂けた口


「スコルッ!ハティッ!」


アイツの声に呼応するかのようにそれらは天に向かって吠えた。


オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


夜空の雲が晴れ、金色に輝く満月が姿を現す。月の光に照らされて、二匹の巨大な獣―――フェンリルが咆哮

をあげていた。


「ヤルンヴィドに住まう巨人の女を狼に変えて、フェンリルと交わらせた。その結果生まれたのがこの

二匹だ。親よりも多少スペックは劣るが、牙は健在だ。十分に、神、そして貴殿等を葬られるだろう」


・・・・・フェンリルに子供がいたのか、でも―――好都合だ


一誠 「ロキ、全力で来ないとお前、負けるぞ」


「神である俺が負ける?大きく出たな。人間よ」


一誠 「まあ、俺たちは強いからな」


成神から「借りるぞ」といってハンマーを手に持つ力を込めるとハンマーがぐんぐんと大きく成って

雷を帯び始めた


一誠 「なるほど、これがミョルニルか・・・・・。うん、確かに羽のように軽い」


ブンブンとミョルニルを振り回す。それを見てロキは表情を険しくした


「レプリカだとは言え、ただの人間が神の武器を自在に扱えるなど有り得ないことだ・・・・・ッ!」


一誠 「ほらよ」


ガンッ!!!


雷を帯さずにただの槌として投げ放つとロキを外さず衝突した。そのまま外壁まで吹っ飛んでいきハンマーと

外壁によりロキは押しつぶされた。取りに行くのが面倒だったから「戻れ」と念じた途端、ミョルニルが俺の

手に戻って来た


一誠 「うわっ、何これ、面白い武器だな!オー爺ちゃんにコレを強請ってみようかな?」


ミョルニルの能力に俺は少しはしゃいでしまう。この武器をヴィータに持たせてみようかな?それとも

ヴィータの武器にこのミョルニルの能力を真似て見るのも悪くないな


「人間があああああああああああああああああっ!!!」


今の攻撃でキレたか?あいつの体中からオーラを迸っていた。意外と短気だな


「貴様の言う通り全力で戦ってやろうではないか!」


ロキの足元の影が広がり、其処から―――巨大な蛇。いや、身体が長細いドラゴンが複数現れた!

はっ?ドラゴンかよ!?


「ミドガルズオルムも量産していたかッ!」


タンニーンが地上に降りて憎々しげに吐いた。ミドガルズオルムって六大龍王の一角だったよな?

量産って言っていたから龍王をベースにして造ったってことか


「さあ、スコルとハティよ!父を捕らえたのはあの者たちだ!その牙と爪でくらい千切るが良いっ!」


ビュッ!


風を切ると共に二匹の子フェンリルは俺とヴァーリたちの方へ向かってきた!


一誠 「噂に聞くフェンリルと戦うなんて想像もしなかったけど。―――でも」


身体を徐々に変化させ


一誠 「俺はあの複数のドラゴンと戦う―――ヴォルケンリッター、リインフォース、マテリアル、

ユーリは子のフェンリルをよろしく頼む」


龍化になりシグナムたちにフェンリルを任せる


『了解!』


「あの時のドラゴンか!その正体が人間だとは驚きだ!」


量産型のドラゴンたちが一斉に炎を吐いてきた対照的に俺は・・・・・。


一誠 「竜王の殺息」


口内からレーザー兵器のような光の柱を放った。一直線に伸び、大きくひらけた土地の岩肌に一直線の痕を残

して複数のミドガルズオルムの量産型を纏めて屠った刹那―――。


ドオオオオオオオオオオンッ!


放たれた場所から爆発が起こり、爆煙が上がり、周囲に粉塵を散らす


一誠 「なんだ?もう終わりなのか?」


粉塵が晴れる頃には巨大なクレーターが広く、底が深く出来上がっていた


「っ、まだだっ!まだ終わらんよ!今度はこの数だ!」


ロキはそう言うとマントを広げて、再び自身の影を拡大させた。そこから―――また量産型ミドガルズオルム

が現れた。その数は数十匹!て言うか良くそんなに量産で来たな!?


「ヴァーリッ!」


突然、美猴が焦りの声音を発した。ヴァーリの方へ振り向くとフェンリルの大きな口に食われていた!子じゃ

ない。親の方だ!まさかと思い子のフェンリルを見ると鎖であるグレイプニルを咥えていた!ヴァーリの方へ

向かっていたフェンリルか!?戦う振りして親を解放したのか!もう一匹の子のフェンリルは未だに

リインフォースと戦っていた。どうやらあいつらに押されているようだな


「ふははははっ!まずは白龍皇を噛み砕いたぞ!


哄笑するロキ!成神がヴァーリを助けようとするが親のフェンリルの前足の爪で『赤龍帝の鎧』ごと難なく切

り裂かれてしまった。俺は巨体の体で瞬時に親のフェンリルに近づき頭を掴み握力を掛ける


一誠 「ヴァーリを放しやがれ、さもないと頭蓋を粉砕するぞ」


グググと徐々に頭を掴んだ手に力を込めるとフェンリルは其れに耐えかねたのか口を開いた。


一誠 「シャマル!」


フェンリルからヴァーリを救出してシャマルを呼んでヴァーリに治癒の施しをして貰うように頼みながら引き

渡すと頭を掴んだままのフェンリルをロキの方へ投げつけた。大量の量産型のドラゴンの方を見ると龍牙と

ロスヴァイセ、タンニーンにより次々と倒されていった。タンニーンって意外と強かったんだな。更に和樹の

方を見ると


「ぬぅ!北欧の魔術を、それも超高位な魔術ばかり行使するとは・・・・・っ!」


「これでも世界一の魔術師と名乗っているから当然、北欧の魔術は既にマスターしているんだ!」


「世界一の魔術師・・・・・っ!?成程、式森家の者か!」


「正解!」


ロキと北欧の魔術のオンパレードをしていた。グレモリー先輩たちは二人の戦いに入ることができず当惑して

いた。ロキのことは和樹に任せようと思っていたら子のフェンリルが姫島先輩の方へ向かってその牙で噛み砕

こうと口を開き凶悪な牙を覗かせ襲いかかる―――瞬間だった。


ザシュッ!


肉に牙が突き刺さる鈍い音、子フェンリルに貫かれたのは―――バラキエルだった。バラキエルが姫島先輩を

庇う形で子フェンリルの牙に背中から貫かれていた


「ごふっ!」


血が―――大量に口からこぼれ出る。傷口から大量の血が流れ出ていた


「・・・・・どうして?」


姫島先輩が驚きの表情でそう訊いた


「・・・・・おまえまで失くすわけにはいかない」


バラキエルの声に姫島先輩は何とも言えない表情と成っていた。すると成神が子フェンリルを横から

殴打してバラキエルを解放し後退していくとアルジェントを呼んだ。あそこはもう良いな。さて、

目的を果たすとしようかな


『主、龍化がもう少しで解けるぞ』


・・・・・ゆっくりし過ぎたな


一誠 「(―――シグナム、そっちはどうだ?)」


「(大体はダメージを与えております。もう『頃合い』かと)」


シグナムたちと戦っていた子フェンリルを見ると灰色の体が赤く染まっていて爪と牙が破壊され縛られていた


一誠 「(黒歌)」


「(こっちもOKにゃん♪)」


子フェンリルの足下をぬかるみに変えて動きを封じられていた。しかもアーサーがやったのか爪と牙、左目が

やられていた。よし、あれぐらいのダメージなら『捕獲』できるな。龍化を解き人間に戻り懐から赤と白に色

が分かれている小さなボールを取り出す。真ん中に有る小さなボタンを押すと小さかったボールが急に手の平

サイズのボールになってボールを子フェンリルたちに目掛けて投げ当てた―――刹那。


パカッ


ボールが上下に開きそこから出る赤い閃光が子フェンリルたちを包んだと思ったら、そのままボールに吸収さ

れるとボールが閉じてしまった。だが、子フェンリルたちがボールの中で暴れているのだろう。ボールが一人

でユラユラと揺れるが暫くするとボールの動きが止まり、真ん中のボタンの周りの赤い光が消えた。そして二

つのボールは俺の手に戻ってきた。


一誠 「フェンリル、捕獲完了」


「ハティ!?スコル!?」


「余所見している暇はないよ!」


「ちぃっ!」


和樹と戦っていた。ロキがまさかフェンリルを捕まえるとは思わなかったのだろう。顔の表情が驚きで一杯に

なっていた。すると親のフェンリルが咆哮を上げ俺に向かってきた。まるで子供を奪い返そうとそんな感じだ

った。口を大きく開き凶悪な牙を覗かせ俺を食い殺そうとした瞬間


一誠 「具現化」


俺の中から『幻想殺しの籠手』と『無限創造龍神の錫杖』が出て来たと同時に一瞬の閃光が放ち


ズンッ!


ギャオンッ!?


二匹のドラゴンが現れフェンリルを抑えつけた。その二匹のドラゴンと言うのは


『主を傷つけることは許さん』


『御怪我は?』


ゾラードとメリアだ。


一誠 「ありがとう。大丈夫だ」


懐からもう一度もう一つのボールを取り出しフェンリルに投げ当てる。子のフェンリルたちと同様にボールの

中に閉じ込められ再び俺の手に戻って来た


一誠 「ヴァーリ」


親のフェンリルを捕まえたボールをシャマルの手によって、傷を完全に治ったヴァーリに投げ渡す


「ああ、ありがとう」


ボールをキャッチしてヴァーリは礼を言った。


「ふう、やっと片づけ終わりましたよ」


今までミドガルズオルムの量産型と戦っていた龍牙がこっちに近づいてきた。


「こっちも終えたよ!」


「くっ!何なんだ、この魔術は!?神である俺が解けないだとっ!」


「あー、それ?無理、無理。色んなところの捕縛の魔術をミックスしたものだからいくら神でも解けないよ。

それに世界一の魔術師の僕が神の一人や二人、捕まえるなんて簡単だよ」


ずるずると芋虫みたいに縛られたロキを引きずって来た和樹がロキにそう言いながら戻って来た


一誠 「ロキ、お前の負―――」


成神「お、おっさん!」


突然あいつ、成神が大声をだした。何だ?と思いながら成神に視線を送ると


成神 「乳神さまって、どこの神話体系の神様だ!?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ?


「・・・・・・・・・・・・・・・ッ!リアス嬢ぉぉぉぉ!あいつの頭に回復をかけてやってくれぇぇっ!

重症だ!致命傷だぁぁっ!」


「イッセー!しっかりして!幻聴よ!ああ、なんてこと!フェンリルの毒牙が赤龍帝の精神にまで!」


と、等々・・・・・。あいつはそこまで至ってしまったか・・・・・。


成神 「違うんです!確かに朱乃さんのおっぱいが自分は乳の精霊だって!」


「貴様・・・・・!うちの娘がそんな訳の解らないものだと言うのか・・・・・!おのれ、

おっぱいドラゴン・・・・・!」


バラキエルが完全にぶちギレている!その証拠に身体をバチバチと雷と光が走っている!


『い、いや、皆聞いてくれ。確かに俺にも乳の精霊とやらの声が聞こえる・・・・・。俺の知らない世界の

力を感じる。残念な結果だが、こいつは異世界の神の使いを呼びよせたらしい』


ドライグが俺たち皆に聞こえる声で成神の代弁をした。お、お前まで・・・・・


『赤いの・・・・・お前まで等々・・・・・』


『ドライグが、あのドライグが・・・・・』


『アルビオン。同じ二天龍として恥ずかしい思いをするだろうな・・・・・。』


『お気の毒に・・・・・。』


『初めてドラゴンに不憫と思ってしまったぞ』


上からアルビオン、ファフニール、ゾラード、メリア、創造神がそう呟いて言った。更にグレモリー先輩たち

も信じられない!と風な言葉を発した


『うおおおおおおおんっ!どうせおっぱいドラゴンの声なんて誰も信じちゃくれないんだ!俺は何も悪くない

ぞ!相棒が、相棒がぁぁぁ!』


泣き叫ぶドライグ。お前、今回の宿主は外れなんじゃないのか?


「おい、スイッチ姫!ポチっと押されて来い!あいつにいま必要なのはあんたのおっぱいだろ!」


美猴がグレモリー先輩にそう言う


「・・・・・・・・・そ、そうなのかしら?」


ダメだ!あいつも成神に感染しつつある!


「・・・・・ねえ、ロキ。乳神って誰?」


「そんな名前の神なんて聞いた事も見た事もなければ知る訳が無いだろう。だが、解っていることは覚えの

ない神格の波動を感じるぞ」


そうなのか・・・・・。俺、あいつとは接しないようにしようかな・・・・・と思っていた俺の視界に黒が

映り込んだ。


ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


黒い炎らしきものが地面から巻き起こり、うねりとなって、―――何故か俺を包み込んだ


「―――ッ!この漆黒のオーラは!?黒邪の龍王ヴリトラか!?」


ヴリトラ!?それじゃあ、この黒い炎は匙のか!地面に現れた巨大な魔方陣。その中心から、黒い炎が

ドラゴンの形となって生み出されていく。


『主!』


ゾラードが俺に触れると黒い炎が消滅した。更にゾラードは黒いドラゴンに近づき触れると黒いドラゴンは

姿を消し炎も消え残ったのは気絶している匙元士郎のみになった


一誠 「こいつ暴走状態で此処に送られて来たのかよ?アザゼルは傍迷惑なことをする」


・・・・・あ、ミョルニル使ってなかった。まあ、いいか


一誠 「返す」


成神 「うお!?」


ミョルニルを成神に投げ返す。黙って持っていったら盗みになるからな


一誠 「ロキもお前たちに引き渡す」


「僕が離れていてもロキを縛っている捕縛魔法は消えることは無いから安心して」


「いたっ!痛いぞ!もっと丁寧に引き渡せ!」


和樹はロキを放り投げてそう告げた


「さて、帰ろうか。目的も果たした事だしな」


ヴァーリの言葉に俺たちは頷いた。ゾラードとメリアも俺の中に戻り、いざ家に帰ろうとした


「・・・・・待ちなさい」


が、グレモリー先輩に呼び止められた


一誠 「どうした?グレモリー先輩」


「今回の一戦、あなたは・・・・・貴方たちは本当の目的はフェンリルを捕まえることだったの?」


一誠 「ヴァーリの願いだ。俺はその願いを手伝ったまでだ。それがどうかしたか?」


そうグレモリー先輩に訊くと


「つまり、貴方たちは自分の為にこの一戦に参加したと言う訳ね?」


一誠 「―――そんな訳無いだろう。オー爺ちゃんの命が危なかったんだ、俺はオー爺ちゃんを助ける為に

   グレモリー先輩たちと協力したんだぞ」


「神を噛み殺すフェンリルを捕まえて一体どうするつもりなの?」


どうするつもり?決まっている


一誠 「仲間に加え家族にする為だ。それ以上もそれ以下もない」


「そう、そう答えるのね・・・・・。あなたは」


一誠 「さっきから訳の解らないことを言っているけど、グレモリー先輩は一体なにが言いたい?」


怪訝な表情でグレモリー先輩に尋ねる。するとグレモリー先輩は口を開く


「私たちと協力なんて一度もしなずに自分たちだけでロキやフェンリル量産型のミドガルズオルムを倒す

なんて・・・・・本当に味方なの?やっぱり『禍の団』ではないのかしら?貴方たちの戦い方はテロリスト

そのものよ」


・・・・・・・・グレモリー先輩はなにを言っているんだ?


「協力も何もロキを倒したのですからそれで良いじゃないですか。僕たちは別に功績とか恩賞とか興味

無いんですよ?」


成神 「だけど最初からロキを倒すんじゃなくてフェンリルを仲間にする為に動いたんだろう!?」


「それは否定しないが、最終的にロキを無力化にできたからそれで良いではないか。成神一成」


「それはそうだけど、僕たちと最初から協力する気は全く無いんじゃなかったのかい?」


こいつらは何を言っているんだ?


「失礼なことを言いますね?貴方たちが動かなかったから結果的にそうなったじゃないですか」


「貴様等の行動は危険だ。何時、俺たちにも危険を及ぼすか解ったもんじゃないな」


「それが一緒に協力した人への言葉ですか?」


「今現在、幽幻龍騎士団のメンバーが把握されているのはグレードレットを倒した少女を始め、オーフィス、

世界一の魔術師、SS級のはぐれ悪魔の黒歌、ナンバーズと称されている者たち、六大龍王のファフニール、

ヴォルケンリッター、マテリアル、ヴァーリチーム、旧魔王派のカテレア・レヴィアタンとクルゼレイ・アス

モデウス、元エクソシストのフリード、そして三匹のフェンリルか。・・・・・『禍の団』より危険な存在

だな」


この堕天使は俺たちをどうして危険な存在と言うんだ?


「貴方たちにテロリストと疑惑が生じているのに拘らず更に力を求めているなんて何を考えている

の・・・・・?不安だわ。貴方たちと協力していると何時、私たちを裏切って敵に成ると思うと不安でしょう

がないわ」


「そんな!僕たちはそんなことをしないよっ!」


こいつ等は俺たちを信用していないのか・・・・・?


一誠 「―――グレモリー先輩」


「なにかしら」


一誠 「俺たちと協力するのがそんなに不安か?」


彼女は迷いもせずに頷いた


「寧ろ、私たちの成長を邪魔しているかと思うわ・・・・・。―――まさかだけど本当に邪魔をしているの?

もしそうなら許せないわね」


一誠 「そうか、そんなに俺たちと協力して戦うことが不安か。―――決めた。俺たち幽幻龍騎士団は

    三大勢力と今後一切協力しない。幽幻龍騎士団と言う新たな勢力となって独自に『禍の団』と戦う。

    グレモリー眷属とは二度と協力する気ないし、助ける気もないぞ。例えお前等が死に掛けてもだ」


『―――っ!?』


俺の宣言とも言える言葉にグレモリー先輩たちは声を呑んだ。すると成神が抗議した


成神 「ふざけんな!そんなこと許される訳無いだろう!?」


一誠 「既にアザゼルとサーゼクスにも伝えてある。お前が何を言おうが関係ない。敵対に成らないだけでも

   有り難く思えよ」


嘆息してそれから指を鳴らすと俺たち全員、膨大な光に包まれた。光が無くなる頃には戦闘の傷跡が無くなり

綺麗に戦う前の状態になった


一誠 「先に戻らせてもらう」


そう言い残し俺たちは一足早くこの場から去った。

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