小説『傍観者』
作者:瑚蝶()

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(三番目)


命は儚い。命は脆い。すぐに壊れる。
彼女もすぐに壊れた
俺は彼女が壊れる時彼女が笑っているののを見た
笑っていたけど涙が彼女の頬を流れていた
俺を無表情に見ていた彼女の腕には無数の傷跡があった
俺は気になって後をつけた
彼女は高いビルを上り始め屋上について自分から命を壊した
死ぬことを嬉しがるように笑っていたのに泣いてもいた
矛盾している
俺は矛盾が嫌いだ
殺したくないのに殺して
愛してるのに別れる
矛盾した生き物だ人は・・・
俺は人だ
けれど人が嫌いだ
いつも人は矛盾したことしか言わない
俺はいつも見ていた。人が矛盾していることを言っているところを・・・
俺はふと思った
彼女の様に闇に落ちようと
ビルの淵に立ち下を見る
彼女の姿が見えない
俺は携帯を取り出しあの人に電話する
あの人が電話に出た
「さようなら。矛盾した世界。俺で三番目・・・次は四番目・・・」
俺は言い残し電話を切った
俺は知っていた。一番目二番目もここで命を壊したことを・・・
俺も壊すよ自分を・・・四番目ありがとう・・・

-3-
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