小説『魔法少女リリカルなのは〜抜刀龍の生き様〜』
作者:朱雀()

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第一八話


「徳川、お前はこのままあいつのもとにいるつもりなのか?」
ザフィーラが拳を奮いながら家康に尋ねる。
「ザフィーラ。それはどういうことだ?」
家康がガードしながらもザフィーラに聞き返す。
「あんな奴の駒になってたらあんたの夢が叶えられなくなるんだよ?それでも良いって言うのかい!!」
アルフがバインドを放つ。
「ワシの夢はこの世界を絆の力で治めること。それには彼が必要なんだ!!それを邪魔しようなら、容赦はしない!!」
バインドをよけ、右の拳に魔力を貯める。
「ハァァァァ!!」
拳を前に突き出したとたん、その延長線の地面が50メートルほど抉れた。
「なんと言う威力だ……………」
「当たったら洒落になんないわね」
「これほどの力がないと民は守れないからな。ワシは残念に思うよ。君たちとは良き友となれたと思ったのに」
「確かにな。だが友は無理でも良き戦友(とも)にはなれるはずだ」
三人は向かい合った。
「そうか………、なら戦友には全力でいかせてもらう!!」
「ならこっちもいかせてもらうよ!!ザフィーラ、やるよ!!」
「あぁ」
ザフィーラとアルフは魔力を解放した。
「「開け、天蠍(双子)の門!!我に汝の力を、加護を与えたまえ!!」」
光の柱が二人を包む。ザフィーラは髪が白く、目が紅く変わり、尻尾が蠍の尻尾のような形の砲台に変わった。服は紺から茶色になった。アルフは髪が水色、服は紺に変わった。
「あたしあんまり変わってないんだけど………」
「重い……………」
不満を爆発させていた。
「…………………。おっと、いかんいかん。つい面白くて見入ってしまった。さて、そっちも良いみたいだし、いくぞ!!」
家康が突っ込んできた。
「(確かスコーピオンは隠れる事ができたはずだが…………試してみるか)サンドウェア!!」
ザフィーラがそう叫ぶと、姿が消えた。
「(ジェミニは分離?分裂?なんだっけ?)あ〜〜〜〜〜もう!!じれったい!!シャドウドール!!」
アルフが一瞬ぶれたように見えたが特に変化は見られなかった。
「あれ?何が起こっ「ハァァァァァ!!」ヤバ!?」アルフはガードをしたが間に合うわけもなく殴り飛ばされる……………………………はずだったが、
「チェーンバインド」
「何!?」
何者かにバインドされた。さらに、
「サンドバスター!!」
「グァァァァ!!」
砂の砲撃が家康を貫く。
「油断するんじゃないよ!!あたし」
「なぜアルフが二人いるのかわからんが、危なかったな」
そこにはザフィーラともう一人のアルフがいた。
「てことは、さっきの魔法は」
「そ、分身魔法さ」
「そう言うことだ。さて、ラスト決めるぞ」
「「あぁ!!」」
三人?は魔力を貯める。
「「サンダーレイジ!!」」
「サンドブラスター!!」
二つの雷と砂の砲撃が家康を飲み込んだ。
「グァァァァ!!」
そのまま家康は吹き飛ばされ、重力に従い落ちていった。
「ありが……とう、良き………戦友(とも)…………たち…………よ。こんな最…………後をおくら………せて………くれて…………。本……当に………あり……が……………」
最後まで言えずに、地面に落ちる前に光の粒子になって消えていった。
「ボーバン!!あたしはお前を許さないよ!!」
「あぁ。お前は我らが倒す!!家康の戦友(とも)の仇として!!絶対に!!」
二人はそう誓った。

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