小説『魔法少女リリカルなのは〜抜刀龍の生き様〜』
作者:朱雀()

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第二十話


辺りが徐々に闇に染まってきた。ゾディアーテメンバーはだいたいけりがついているころだ。だが一組だけ決着が付いていないところがある。
「龍音!!」
「三成!!」
紫の光が互いにぶつかり合う。そう、石田三成と石田龍音、アギトの闘いである。かれこれ二時間は刀を交えている。
「ワタシは貴様を許さない!!ワタシの唯一の拠り所を愚弄したお前を!!秀吉様を愚弄するに値するぞ」
「先祖とは言えど、悪に走る様なら俺が止める。この際敵同士だからタメで行くが、このまま奴のもとにいるなら、全力で叩っ切る!!俺は躊躇はしない。例え前の仲間であろうと、先祖であってもだ」
二人がにらみあう。
<アギト、援護頼む>
<りょ、了解>
そんな時でも指示が出来るところを見ると流石としか言えない。辺りに風が吹く。それによって木の実が枝から離れ、重力に従って落ち、地についた。その瞬間、二人が消えた。
「消えろぉぉぉぉぉぉ!!」
「ハァァァァ!!」
いや、高速で移動したため、姿が見えなかっただけであった。二人は凄まじい勢いで切り会う。そこに、
「燃え散れ!!」
「なんだ!?グァァァ!!」
下から炎が上がってきた。アギトの援護射撃である。三成は防げず、密林に落ちていく。
「畳み掛ける!!夜空に輝く七つの星よ。我が声に答えてくれ!!」
三成が落ちた所を中心に六つの魔力球が円をなし、対角線を繋ぐ形で魔力の糸を出す。その中心で三成は立ち上がったが、様子がおかしい。三成を縛り上げ、動けなくし、
「七つの星に裁かれよ!!」
龍音の頭上にできた巨大な魔力球を降り下ろそうとした。
「北斗七「コロシテヤル!!」な!?」
三成が黒いオーラに包まれ、魔力の糸を引き裂いた。そして、飛び上がり龍音を切り裂いた。かと思われたが、
「龍!?うぁぁぁぁぁ!!」
アギトが龍音を庇い、切り裂かれた。
「アギト!!」
アギトが落ちていく。その後を龍音が追いかけるように飛んでいく。




「アギト、起きてくれ。なぁ起きてくれよ!!アギト!!」
「う……………りゅ、龍?」
「大丈夫か?」
「あぁ…………………だけど、半分近く魔力持ってかれちまった」
「そうか…………。ユニゾン行けるか?」
「なんとか…………。もって五分だな」
「ならいい。やるぞ」
「「ユニゾン、イン!!」」
アギトが光の球になり、龍音の胸に溶け込んでいく。すると、甲冑の銀の部分が紅に、髪が橙色変わる。刀は普段炎が上がっているが、今回はアギトの魔力消費を抑えるため、赤くなっただけになっている。
「コロス………コロス…………………コロス!!」
三成が理性を失い狂気にまみれた攻撃を繰り出してくる。だが龍音はそれを軽々と避けていく。
「(見えた!!)紅蓮菷星!!」
隙を見つけ、通りすがりに一閃。流石の三成もこたえたかのように膝をつく。
「グ…………………コロ………ス……コロシ…………テ…………ヤる」
「今しかないみたいだな?」
「<あぁ。あと一撃なら魔力はもつぜ>」
「なら一撃で決める!!」
龍音が抜刀の構えをとり、魔力を集中させる。魔力が高まりにつれ、大気がふるえだし、大地が揺れ、星の輝きが増す。
「夏の夜空にあまねく星屑の大河。紅く燃える一筋の光となれ。呑まれ、溺れろ!!星の導き(さだめ)に!!」
紅く刀が光だし、抜刀で一閃。
「紅の天の川(スカーレット・ミルキーウェイ)!!」
魔力によって巨大化された刀は、大きくかつ最短で三成を切り裂いた。刀が走ったあとには、紅い光の川が出来ていた。名前の通りの“紅の天の川”のように。三成はそこに崩れ落ちた。
「ワタシは………許……さな………い。何が……あって…………も…………だ……」
「構いませんよ、ご先祖」
「今………思え………ば、あい………つ…………は……馬鹿………げて…………い………る…」
そこまで言うと、三成の体は徐々に光の粒子に変わっていく。
「それを止めるために、俺らは来たんですから」
龍音は構わず会話を続ける。
「そうか………。最後………にだ。秀吉…………様………への………忠誠を…………忘れるな………」
「石田の名に懸けて」
龍音が忠誠を約束すると、先程より柔らかい表情をして、消えていった。
「安らかにお眠り下さい。三成様」
アギトと二人で手を合わせた。
「龍音!!」
「ん?虎か……皆も」
森の奥から残りのゾディアーテメンバー八人がやって来たのに気付き、気持ちを切り替える。
「全員無事で何よりだ。ではこれより、ターメル・ボーバンのアジトに乗り込む。もしかすると魔王が蘇っている可能性も有るが、我々はただ全力でボーバンを叩き潰すだけだ。良いな!!」
『『『了解!!』』』
ゾディアーテはボーバンのアジトに向けて、走り出した。




一方、ボーバンのアジト
「クハハハハハハ!!まさかあの四人まで殺られるとは、計算外だったよ〜〜。だが、君達がたどり着く前に、奴は復活し終えているだろう。どんな戦いをしてくれるか楽しみにしているよ?ゾディアーテ、いや石田龍音」





―――――――あとがき―――――――
……………………こんなんで良いのかな?なんか不安になってきた…………。だって三成さん以外と人気あるしさ、あんなに狂わせてマジで良かったのかな!?
まぁいいか♪てか明後日テストだし!?勉強しなきゃ…………
てなわけで、ログアウト!!(ピチュン……)
――朱雀さんがログアウトしました――

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