第二十八話
お茶会の次の土曜日。俺はいつもより早く起きた。何故か?あの日の次の日になのはに「キャンプに行きたいの!!」と言われたからだ。まぁ準備等はすでにしてあるから良いが、こちら側のメンツが俺だけになってしまった。他のメンツは皆仕事でミッドに行っている。俺の仕事?んなもんとっくに終わってるわ!書類だけだったし。てか最近出動命令出てないよな……?まぁ平和なのが一番だからいいけど。
「さて、あとは車だが………なんか良いのあるか?」
『ランドク〇ーザー』
「それでいこう」
『了解』
やはり星に選択をさせて良かったとつくづく思う。
「遅いわね……龍音さん」
「何かあったのかな?」
時刻は九時十五分。龍お兄ちゃんはまだ来ていません。集合時間は九時ちょうど。龍お兄ちゃんが遅刻するはずないのに………どうしたのかな?すると、
ブロロロロ〜………
一台のおっきい車がやって来ました(TOYOTAのランドクルーザー)。
「すまん!!積み込みが思ったより手間取った」
「「「「「龍お兄ちゃん(龍音さん)!!」」」」」
龍お兄ちゃんでした。そう言えば
「アギトちゃんがいないんやけど、どないしたんですか?」
「仕事だ。あいつも忙しいからな」
「そうだったんだ……大変だね、アギトも」
「あぁ。さて、後ろに荷物を積め。席は好きに座って構わないからな」
「「「「「は〜い」」」」」
龍お兄ちゃんとのキャンプ、おもいっきり楽しむの♪
「あ、あの……龍音さん」
「そういや、その“龍音さん”てのやめてくんない?なんか堅苦しいっつうかさ。お前らもな」
「はぁ………なら龍さんで。それで、今回行くところって……」
「まぁ自然が豊かだな。星、予約どことった?」
『軽井沢』
「だそうだ」
「???」
「フェイトには解りづらいかな?まぁ行ってからのお楽しみってことで」
「はい」
その後、彼女達は前日、楽しみにし過ぎて眠れなかったみたいでぐっすりと寝た。
「あの車か?」
「あぁ……あの男は相当な手練れだ。気を付けろよ」
「はっ!!」
「ジャック、そこを持ってくれ」
「こうか?」
「そうだ。龍亞、それを被せてくれ」
「ホイッと!こんな感じ?」
「あぁ。遊星、龍可とアキをつれてなのは達の様子を見るついでに飲み物を冷やしてきてくれ」
「わかった」
「行きましょう」
「うん」
「クロウ、火起こしどうだ?」
「順調だぜ」
今俺達はキャンプ場にて準備をしている。ちなみに遊星達は人型で行動してもらっている。龍が地球にいたら大変だろ?ミッドでも大変だが………。
「龍音、他には仕事無いのか?」
「あぁ。どっか適当に行っても良いぞ。ただし「龍にはなるな、でしょ?龍音」あぁ」
「へへ♪ならジャック、クロウ、森んなか行こうよ」
「おお!!良いな。行こうぜ龍亞」
「待て、お前ら!!」
龍亞とクロウがさっさと行ってしまい、ジャックがあわてて二人を追い森の中に行った。
「お〜い、龍お兄ちゃ〜ん」
それと行き違えになのは達が帰ってきた。目の前の道路を渡ろうとしたその時、
「な、何ですか!?あなた方キャァ!?」
黒い車が目の前に停まり、通りすぎていったと思うとそこには誰もいなかった。つまり五人が誘拐されたのだ。
「龍音!!」
「お前らか。龍可は?」
「彼女達と一緒だったはずよ」
「マジかよ………龍可まで拐われたのかよ」
「あぁ………そうなるな」
「ヤバイな…」
「あと、道にこんなものが」
そう言ってアキが手紙らしき物を渡してきた。
『バニングスと月村の令嬢は預かった』
「やられたな」
「あぁ。星、魔力追えるな?」
『微かに』
「ならいい。お前らはここに待機してろ」
「あなた、まさかとは思うけど」
「一人で行く。着いてくるなよ?」
俺は殺気を濃いめに出して威嚇しながら言う。
「「あぁ(えぇ)」」
「星、追うぞ」
『了解』
ハーレーを出し、魔力のあとをたどり飛ばした。