小説『魔法少女リリカルなのは〜抜刀龍の生き様〜』
作者:朱雀()

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第二十九話


私達は気が付くと薄暗い廃工場に足が着くか着かないか位の高さに吊るされていた。
「月村とバニングスの令嬢を確保しろとは言ったが残りは連れてこいとは言ってねぇぞ」

「すいません、ボス」

なに?私とすずかをどうしようと言うのよ………

「月村とバニングスの番号はわかるがそれ以外はわからねぇぞ………どうすんだ?しかも写真に居ねぇ奴も連れてくるしよ」

写真にいないやつ?それって龍可のことかしら?

「すいません…………連絡先知らないんなら仕方ないっすね」

すると、黒付く目の男達は一斉に私達に目を向ける。今のところは私しか起きてないみたい。

「ヤるか」

「ナイスアイディア♪ヤっちまおうぜ」

そう言うと十人位の男達がこっちに近付いてきた。やだ……やだよ!こんなの………

「いやぁぁぁ!!」

「「「「「!?!?」」」」」
私が起きている事に気づいていなかったのか、男達は焦っている。

「ヤツの口を塞げ!!傷はつけるなよ!!」

「「「「はい!!」」」」

「(近付いてくる!どうしよう………私には力も何にもない………ならどうする?今私は誰にどうして欲しい?……………)」

時間がない………もうやけくそよ!!

「龍さん!!私達はここよ!!速く助けに来て!!!!」

私は叫んだ。ひたすら叫んだ。ただひたすら叫び続けた。

「誰も来ねぇさ。あの男が来そうな通路は魔導師を配置しといた。見たところ魔力を持ってるのはお前以外だ。あの男からは感知されなかった。つまりあの男は途中で………………あの世行きだ♪」

「そういうこった。因みにその鎖は魔力をカットする力がある。だからそこの魔導師達が魔法を使おうとしても使うないわけだ」

「あんたたちの目的は?」

「お前は金目当て。月村は実験目当てだ」

「!?」

何ですって!?

「もう良いだろ?ヤっちまおうぜ」

「あぁんじゃ好きなやつを好きなだけヤっ「誰をどうしようと?」き、貴様は!?」

「いつの間に!?通路の奴等は!?」

「あの世行きだ♪」

「「「「「!?」」」」」」

龍さんのその言葉で男達は固まった。

「ばかな!?奴らはAAはあったトップクラスの魔導師達だぞ!?」

「時空管理局三提督傘下独立機動部隊“ゾディアーテ”隊長、石田龍音。こう言えば分かるかな?」

「!?」

「A級次元犯罪組織“マテル・ピテル”連続誘拐・監禁及び違法研究、その他もろもろで逮捕する!!」

そう言って龍さんは走り出した。

「バイバイ」

そう言って刀を鞘に納めた。その時にはすでに十人近くいた男達のうち半分は倒れていた。

「ん…………」

「龍可!!起きたのね!」

「うんアリサ。それでここは?て言うか力が入らない」

私は今までのことを話した。その間になのは達も起きた。

「そうだったんだ…」

「許せないよ!!あの人たちは」

「うん、なのはの言う通り」

「せやな……ほんま許せん「ごちゃごちゃうるせぇ!!」!?」

ボスらしき人が魔力弾を数発打ってきた。避けれない…………。私達は死を覚悟した。

「やべ!?「行かせねぇよ」くそ………………!?(この感じ………まさか!!)」

龍さんが驚きの顔をした。もうだめだ………そう確信した。が、その時、

「ライドインパルス!!」

知らない人が現れたと思ったら、魔力弾をすべて切り裂いていた。

「やっぱりお前か、トーレ」

「あぁ、前の件について返事が出たため、伝えに来たのだが…………後でのようだな」

「無力化な」

「あぁ。五秒で終わらす。セインそっちは頼んだ」

「了解」

トーレと言う女性がボスらしき人に突っ込んだ。それと同時に私達の鎖が外れた。振り替えるとさっきまでいなかったはずだった辺りにまた女性がいた。

「もう大丈夫だよ〜。さぁ、安全なところに「終わったぞ」「よくやった」一旦外に出ようか」

「「「「「「はい」」」」」」

何なんだろう、この人達は?そう思いながらも指示に従い外へ出た。





さて、俺達はテントの有るところに戻ってきた。途中、先程起きた誘拐事件の内容や犯人の確保でクロノがやって来て全てを話した。ついでになのはたちにもだ。皆とても真剣な眼差しで聞いていた。一通り話終え、ゆっくり出来ると思ったが、まだ問題があったみたいだ。

「龍お兄ちゃん。その人たちは誰なの?」

「ん?俺の友人の娘の」

「トーレだ」

「セインで〜す」

「と言うことだ」

「そうだったんだ……」

まぁそのあとは何故か今さら食料調達に行ってた三人が帰ってき、川に飲み物を取りに行ってた二人も帰ってきた。仲良し五人組は近くの広場で夕食が出来るまで遊んでた。

「お前ら、肉焼けたぞ〜」

「「「「「は〜い」」」」」

五人は余程お腹が減っていたのか、いつもより多めに食べていた。因みに遊星達は、自分たちの魔力が危ないとのことで戻っていった。

「龍音、前の件についての事だが」

「んぁ?あぁ、あれね。それで?」

「伝言がある」

そう言ってレコーダーらしきものをつけた。

『龍音君、久しいね。この前の勧誘の件なんだがね、ゾディアーテに入ることにしたよ。まさか、私が悪から善になるなんて思ってもいなかったけど、正直私には悪は似合わないな。そう言う訳だ、これからよろしく頼むよ。娘達は皆試験に受けさせて、全員合格とゼストから聞いてるよ。まぁ娘共々コキ使って構わないからね。では今度は隊社で会おう、親友よ』

「と言うことだ。よろしく頼む」

「よろしくお願いします!」

二人は頭を下げた。

「頭を上げろ、二人とも。これからの訓練とか大変だぞ?ついてこれるな?」

「「あぁ(はい)」」

「わかった。さぁて、冷めたら旨くなくなるぞ〜、食え食え」

「「「「「「「はい!!(あぁ)」」」」」」」

そのあと、あっという間に肉等を平らげた。

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