どうでもいい作者の一言!
先日、学校で友達に電子辞書を貸したら辞典の履歴にう〇ちがあった。
もう高2になるのに・・・・。
第10話 河口北東高3人目の能力者
「さてさて。危なっかしいから来てみたは良いが、無駄足だったな」
剣介達が水龍と戦闘をした橋から20mとない家の屋根の縁。紺のブレザーに赤いネクタイを付けた男子生徒がブラブラと足を投げ出していた。その左胸には剣介と同じ河口北東高等学校の校章が輝いている。
「しかし彼奴等、記憶操作も無しに帰るとか馬鹿だろ」
男子生徒が指先で空中に輪を描き、浮かび上がった輪を指で弾くと瞬く間に輪が辺り一帯に広がる。
「ったく、これは魔力の消費が多いから自分達でやってくれよ・・・・」
ヒュオッ。
男子生徒が愚痴を言いながら飛行魔法で宙を滑るように橋に向かう。
その途中、男子生徒が川の脇にある草むらであるものを見付けた。
「ん?彼奴は・・・・成る程な。元凶が彼奴か」
男子生徒は飛行魔法を止めて草むらに着地、其処に居た半透明人型の水魔の頭を鷲掴みにした。
「ひ!」
「お前があの水龍を暴走させた黒幕だな?何が目的だ?」
「は、離せ!貴様等人間ごときが俺に触れるな!」
人型水魔が男子生徒の手を振り払い右手を刃状に変化させる。
「何だ?俺はお前の目的を聞いているだけだ。大人しく吐けば痛い目には合わせない」
男子生徒が左胸の校章を左人差し指で撫でる。
「大人しく吐け?はっ!寝言をほざきやがる!」
人型水魔が男子生徒に刃を振り降ろした。しかし刃は空を斬り、人型水魔は勢い余って前のめりになる。
「何処見てる?俺は此方だ」
男子生徒が人型水魔のうなじに指先を当てる。どうやら人型水魔はそれだけで男子生徒の強さを理解したようで、両手を上げた。
「話す気に?」
「・・・・あのスライム野郎は特別な存在でな、其処いらの水魔とは比べられないような力を秘めている」
「それを我が物にせんと?」
「そうだ。頼む、命だけは」
先刻の態度は何処へやら。あっさり目的を話すと両手を合わせ、立て膝で命乞いをした。
(このままコイツから逃げられればまた俺はあの力を得られる)
人型水魔は男子生徒に見えないように口角を上げた。
「そうか。ーーお前は生かしてられないな。此処で排除させて貰う」
チャキ。
男子生徒の掌で飛び交った光の粒子が真っ赤に燃える槍を作り上げた。槍から放出される熱は足元の草を燃やす。
「ひ!」
ニヤリと上げた口角はみるみるひきつり、人型水魔はその身を震わせた。
「じゃあな」
「ヤメーー」
ボシュゥゥゥ!
人型水魔に男子生徒が投げた炎の槍が刺さる。刺さった炎の槍は一瞬でソイツを蒸発させた。
「あーあ、つまらねえ事に時間と魔力を使っちまった。早く帰らないと授業が始まっちまう」
◇
「あーあ。最近は肩が凝るますなぁ」
午後6時。俺は肩を回しながら湯に浸かっている。昼の戦いから5時間、買い物ついでにキリヤに此処等をサラッと案内したんだが非常に疲れた。
「さて、儂の入浴シーンも永くは保たんじゃろうて」
◇
「よく食うよな」
「美味しいわよ肉じゃが!剣介、アースガルズで私の専属の料理人として腕を振るってみない?」
「遠慮させて下さい」
「何で?」
「一体何人前作れば良いんだか分からないし疲れそうだから」
「何それ?私が大食いみたいじゃない」
その通りだよ。と言うのはじゃがいもと共に飲み込んで肉じゃがが山盛りにされた“筈”の皿を見る。標高20cmはあった肉じゃがの山は暴食のグラト〇ーもとい食欲の権化の腹に収まった。恐るべしキリヤ。
「そう言えばブリュンヒルデだっけ?≪戦女神の剣(ヴァルキリアブレイド)≫(あれ)、キリヤの姉の物なんだよな?悪いけど帰ったら返しておいてくれくれるか」
「あ・・・・えと・・・・」
「本当は会ってみたかったが長いこと黙って持ってたからーー」
「・・・・居ないわ・・・・」
「え?」
「ブリュンヒルデ姉様は・・・・随分前に死んだわ」