小説『ONE PIECE 麦わら一味』
作者:ちわわ♪()

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 気が付いたら、真っ暗な女部屋のソファの後ろに逃げ込んでいた。人間姿のままで。

 なんで飛び出てきてしまったのだろう。

 ボーッと空を仰いでいた。

 脳裏にみんなの楽しそうな笑顔が思い浮かぶ。

 思いでに残ってしまうから―ルリに答えが出てきた。

 自然と自分で意識していないのに、思い出に残るようなことがあると反射てきに逃げてしまう。

 ポロポロと大粒の涙が出てきた。声まで出てきてしまいそうになった。

 なんで仲よくなってしまったんだろう。なんで助けられたの?なんで……?

 こんな不思議な、複雑な気持ちになるぐらいだったら死んでいたほうがよかったのかも知れない。

 今までたくさんの海賊を見てきた。みんな残虐で、ひどかった。

 みな、金品をぬすんでいくと、もう荒れ果てた島には用はないと帰って行った。

 なのにこの海賊たちは違う。優しいし、面白い。仲間思い。

 なおさら怖かった。

 あと一つ、ルリには思い出せないことがあった。2か月以上前のことだ。

 妖怪だから、それなりに長く生きているはずだ。もっといろいろな思い出があってもいいはずだ。

 友達がいないこと、今まであった恐ろしいことがあったことよりも記憶だないことが断然怖かった。

 とうとう、のどをこみあげてきたものをこらえていたものと涙を思い切り出してしまった。 

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