ちょうど昼ごろ、ルリの思いやりもむなしく、ルリがいなくなったことを心配したルフィ達が眠っているルリを見つけてしまった。
ゾロはルリを見つめていた。まるで最初からいなくなったことを知っていたかのように。
サンジは、ルリを見ながら言った。
「ルリちゃんは、本当に仲間にはなりたくないんじゃないのか。」
サンジは続ける。
「こんなひどい大嵐の中、あたたかい、雨風をしのげる船を抜けたんだ。」
ルリはひどく衰弱していた。眠り方も普通とは違った。仰向けに倒れるようにねそべり、荒い呼吸をし、体がひどく氷のようにつめたい。ルリのスカーフは乱れていた。
「とりあえず、船の中に連れて行こう。そして、病気が治ったら……ルフィ。わかるな。」
ルフィもしっかりと理解していた。―仲間にすることをあきらめろという意味だった。
サンジはルリを抱きかかえ自分のきていた黒いスーツをルリにかけた。
「野郎ども、急ぐぞ。」
ルフィを先頭に船に走って行った。