ルリを除いた5人は思い思いのことをしていた。
宴も、主人公のルリがいないこと、もっとも、ルリが仲間に入ることを嫌がっているため中止にした。
空気がよどんでいるような気がした。活気がなくなっていた。
そんな中、ルりの異変には誰も気が付かなかった。
ルリは頭を上げる。
真っ暗な部屋だとよくわかるが、閉じていた目はギラーンと怪しい光を放ち始めた。
『ヴヴヴヴヴヴゥ……』
うなり声を上げ始めた。もはや、低くうるおいのない声はルリのものではなかった。
足は太く伸び始めた。歯も爪もするどくなり、鼻先が伸びた。瞳孔が細くなっていた。
耳も丸みを失い、とんがって大きくなった。
まさに、真夜中に森にまよった人間を襲うような魔獣と言っても過言ではない姿に変わっていた。
全体の体の大きさも小さくかわいらしい姿から、ライオンよりも、二回り、いや、三回りよりも大きいだろう。こんなのに襲われたらひとたまりもない。
『グルグルグルグル……フゥッ……グラウウウウウウウウウッ!グワアアアァァァアッッッ!』
大きく雄たけびをあげると、ベッドを飛出して部屋を荒らし始めたのだった。