「!なんの音!?」
ナミが異変を感じた。船がゆれていて、時折何かが割れるような音がした。
「いくら嵐とはいえど、こんなことになるとは思わないわ!」
「ルリの部屋から聞こえる……!」
ルフィはそういうが早く、部屋へと向かった。
「ル……リ?」
「うそ、信じらんない……!」
全員が言葉を失った。
みんなが言葉を失った中でもルリはルフィたちの存在に気が付くことはなく狂ったようにものを壊し続けた。
「お前、本当にルリかよ!?おい、どうしたんだよ。」
ルフィの大声に気が付いたルリはルフィ達の方向に顔を向けた。
目は充血していて、ルリのきれいな瞳は濁っていたような気がした。
もうルリのあの愛らしい顔はなかった。本物の妖怪だった。
『グルルルルルルル……!』
ルフィ達に牙をむけた。するどい牙を見せつけるかのよう、鼻にはしわがよっていた。
もう猛獣だった。ルリにはもう言葉も、感情はないかのようだ。
そのルリを見たゾロは刀に手をやった。
「何してんだ、マリモ……意味わかってやってんのか!中身は絶対ルリちゃんだぞ!?」
「もうルリは普通じゃない……目の前にあるものを見ろ。猛獣だ。」
「ゾロ!やめろ!絶対に手なんか出しちゃいけねェよ!」
ウソップが必死にゾロに訴えかけた。
そんなウソップを見たゾロは表情を変えずに刀から手を放した。
そんな時、ルリはルフィに飛びかかった。
ルフィは横に飛びのいた。しかし、ルリには興味なかったのだ。
目的は船を破壊することただ一つ。
部屋をものすごい勢いで出ていった。