ルリは部屋を出ると、みんなが集う場所へ出て行った。
『グウウォォォォォォオオオオオ!』
大きな雄たけびをあげると、テーブルを蹴り上げた。
天井に大きく穴が開く。風・雨が入ってきた。音も入ってくる。
「やめろッッ!ルリ!」
ルフィの声はルリの耳に入ることはなく、その後も気が済むまで壊し続けた。かみ砕いたり、叩き割った。しっぽが当たって本が落ちることもあった。
中は気が済んだのか、ラウンジに続くドアにタックルした。
雨脚が強まってきているようだった。風がうなる。
『ウォオオオオオオオオッ!』
ルリの眼中に入るものを手当たり次第に壊し始めた。
策がとんだ。柱に爪痕も残した。
「やめろって……言ってんだろぉぉぉぉぉぉ!」
ルフィはとうとうルリに手を出した。
「……!ルフィ!」
駆け付けた4人は言葉を失った。
しかし、ちゃんと加減をしているのはわかった。背中に飛びのって押さえつけようとしていただけだから。
『ギャオオッ!グワオ!グウウウルルル!』
必死にルフィを振り払おうとしていた。のた打ち回った。
キィンッ―
とうとうゾロが刀を手にした。
「たつ……まきィ!」
すさまじい風がルリを襲った。足でふんばっていたが、ゾロの竜巻にはかなわなかった。
柱に頭をしたたかにぶつけた。やがて立ち上がると、獣の目をゾロに向けた。
怒りの矛先がゾロに向いた瞬間だった。