その様子を見ているものがいた。海軍だった。
「曹長!麦わらの一味の海賊船で何か黒いものが襲っている模様!」
「どれ、見せてみな……」
望遠鏡をのぞいた曹長の口の口角がわずかに上がった。
「安心しろ。『猫妖怪のルリ』だ。我々の味方だ。」
「?猫妖怪……といいますと?」
「お前は新人だから教えてやるがな……ようするに海賊を減らすための殺戮兵器さ……海賊は必ずあの島に上陸しなけりゃならんのだ。あの猫妖怪は満月の夜に狂暴化するようにプログラムされているのさ。満月の夜に海賊を殺し、船を壊す。そうすれば海賊が減るだろう?海軍が血と汗を流してやっとこさ作ったものさ。ロボットなんて下等なもんじゃねェ。しっかりと生きてるのさ。酸素がなけりゃ死ぬ。飯が食えなけりゃ死ぬ。……感情もあるしなァ……!」
それを聞いた新人海兵は震え上がった。
「このまま麦わら一味の最期を見届けようじゃねェか……!ハァーッハッハッハ!」
曹長は高らかに笑い声をあげた。