小説『ONE PIECE 麦わら一味』
作者:ちわわ♪()

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『フゥゥゥゥゥゥーーッ!』

 うなりながらゾロに歩みよる。

『グウワアアアオッッッ!』

 するどい歯と2本の刀がぶつかり合って金属音が響いた。

「クッ……!」

 とたんにゾロの顔がゆがむ。苦痛からのゆがみだった。

 ルリのするどい爪が右わき腹に食い込んだのだった。

 ゾロが崩れるように膝をつく。ルリは後ろに飛びのいた。

「クソッ……化け猫め。」

 痛々しく血が流れでる。

『ギャアアオオオオオッ!』

 とどめの一撃といった様子で歯も爪もむき出しにして飛びかかった。

 キイーン―

『!?』

 ルリは驚いてゾロを見た。

「へヘッ。俺相手にうまくいくと思うんじゃねェぞ!……俺を甘く見るんじゃねえ!」

 キッとルリを人睨みし、刀をルリに向けた。

 しかし、そんなものでひるむほど弱くはない。ひるまずとびかかる体制についた。

『シャアアアアッッッッ!』

 後ろ足で床を蹴った。船が大きく揺れ、それと同時にルリが消えた。

 上から黒い影がゾロめがけて降ってきた。

 ゾロが後ろに飛びのく。その直後ルリに走ってゆく。走りながらくいなの形見、『和道一文字』を口にくわえた。

 目の前で刀を交差させる。

「おに……ぎりィ!」

『ギャオオーン!』

 苦しそうなルリの悲鳴が船に響いた。左の胴にバツ印が刻まれた。

『フゥ、フゥ……シャアアアアッ!ゲボッ』

 血を吐きながらもまたヨロヨロと立ち上がろうとするルリを見てウソップがパチンコと卵を出した。

「必殺!タマゴ星!」

 クシャッ

 ルリはあまりのくささにバタンと気絶して倒れた。

 ゾロは3本の刀を鞘に収めた。ゾロはその場でヨロヨロと膝をついた。立っていられないほどの傷だったようだ。

「ゾロ、部屋に入ってろ。あとでタオルを持っていくから。」

「おお……」

 サンジに連れられて部屋に入って行った。

「ルリちゃんも治療してやろう……」

 猛獣の眠るようなやわらかな顔を見ながらサンジはつぶやいた。 

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