午前7時。船内は一気に静まり返っていた。みんな疲れて寝ていたのだ。
ルフィはお腹をパンパンにして、ウソップはそのお腹に寄りかかるようにして。サンジ、ナミ、ゾロ、ルリは酒に酔い潰れていた。
とにかくルリは寝相が悪い。猫は寝相がいいという気はするが。
猫姿で、ゴロゴロと転がり、しっぽで周りにあるものをひたすら攻撃する。
ルフィのお腹の上を転がり、そのついでにウソップの鼻にしっぽで攻撃する。サンジの顔を手でバシッとたたき、ナミに転がった勢いで体当たりをし、ゾロの横でやっと止まった。
「……ったいわね。こんなに寝相が悪いイメージないわよ。」
ナミが起き上がると、ルフィを除いた皆が起き上がる。
「いらない目覚ましだぜ。本当によ〜。」
「おっ、もう起きる時間か。ルリちゃんはちょうどいい時間に起こしてくれたぜ。」
サンジはあくまでもルリの味方につく。
「ほら、ルリ。朝よ。起きなさい。」
「むにゃ。もう飲めないです……」
ルリが寝言を言う。
「はあ……当分起きそうにないわね。中にいれてあげよ。」
ナミは普通に動物を抱きかかえるかのように持ち上げて中に入れた。
その時、ルリの目が開いた。
「はっ。ナ、ナミさん。ごめんなさい。」
ルリはあわてた様子で床にストンと降りた。
「あらら。起きちゃったのね〜。あと、ナミさんっていう呼び方はやめてちょうだい。」
「えっ、でもでも!年上ですよね……?」
ルリは人間姿になってナミと背中合わせになり、頭の上に手のひらを置いた。
ナミの背丈には当分遠かった。
「背の高さで年齢を区別するのは違うかもしれないけど……違和感があるわ。少なくともナミちゃんでいい。」
「は、はぁ……では少しでも頑張ってみますね。」
ナミは満足した様子で自分の席についた。