ふとルリの視線の中に料理を作っているサンジの後ろ姿があった。
手伝おうと思って人間姿になりかけたルリはあの面倒くさいサンジを思い出してやめた。
「サンジさん。何かお手伝いしましょうか。」
「おお。じゃあそこの料理を運んでくれ。」
うげえ……とルリは心の中で思っていた。
サンジに見つからないように人間姿になり、料理を運んだ。
最後の往復にさしかかり、サンジといえば幸い料理に集中していたからあの面倒くさいことはないと思っていたのもつかのま。
「さて、ルリちゃん俺も手伝……」
料理を終わらせたサンジはこちらを向いた。
「うー❤ルリちゅわあん!人間姿になったんだねー❤」
すっかり恐怖でおびえてしまった。料理を急いで運ぶと、猫姿に戻りナミの膝に飛び込んだ。
ガタガタと震えながら言った。
「ナミちゃん……!サンジさんが怖い!」
ナミは左腕でルリを抱き上げると、サンジを右手で殴った。
「ルリが怖がってんじゃないのよ!」
サンジはたんこぶを作って地面で伸びあがっている。
「ナミちゃんも怖いぃぃぃぃぃぃ!」
ルリはナミから2mぐらい離れた。
やがてサンジは立ち上がるとフライパンの裏をおたまでたたいて呼びかけた。
「おーい。飯にすんぞ。」
やがて全員集まって席に着いた。
「おいしそう〜。」
「「「「「いただきます」」」」」