小説『ONE PIECE 麦わら一味』
作者:ちわわ♪()

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 ルリは東の海の江戸島というところにいた。

 しかし、猫の友達も、もちろん人間の友達もいなかった。ルリを見るだけで顔を真っ青にして、「たたりじゃああ」とか言って逃げていく。

 誰だってそうだった。だから、村のはずれの木の下でひっそりと暮らしていた。

 また、ごはんだって誰もくれなかったし、猫に少しだけ分けてもらうように交渉しても、シャアーッと威嚇された。ひどいときは引っかかれた。

 ゴミ箱をあさって手に入れた食べれそうなものは見た目がわるくても食べた。

 栄養なんかあるはずもない。だから、だんだん骨が見えるほどに痩せて、汚れた猫になっていった。

 また、ルリには恐れているものがある。満月だ。

 天気が悪くても、満月の周期になると決まって記憶がなくなる。それはまさしく明日だった。

 ルリにはその記憶がなくなっている間に何が起きっているかわからなかった。

 ただわかることは、体力を多く消耗し、傷だらけになる。景色もかわる。

 家はボロボロになり、中には燃えている家もある。さらには人間が倒れていることもある。

 まさか、私がこれに関係しているのではないか―怖かった。

 満月なんか、いや、月なんかなくなってしまえばいい。涙がでてくる。

 やはり、次の日の夜、記憶がなくなり、景色はボロボロ。

 倒れている場所は決まって人間がたくさんいる場所。

 どんなに町から離れようとも、起きるとそこにいるのだった。

 とうとう弱り切っていたルリはその場で倒れた。意識が遠のいて行った。誰にも救ってもらえず。

-4-
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