ふたたびラウンジに出て眠っているゾロの横に来た。
唯一あまりルリに興味がないのはゾロかもしれない。でもルリには好都合だ。
「ウグウ……」
ゾロが伸びをした。そして横にいるルリを上から眺める。
「おお。お前か。」
「は、はあ……」
上から眺められるという迫力に思わず上目使いになってしまう。
特に話題は用意していなかったから、どうしていいかわからなかった。でも行き場はここしかない。
ふとゾロの胴に巻かれた包帯が目に付く。
「あのぉ……この包帯って。」
「……ん?あ、これか。」
「私がやってしまったんですよね。ごめんなさい。大丈夫ですか?痛くない?」
おそるおそる尋ねる。
「人の心配ばっかしてやがるが……お前こそ大丈夫なのか?」
さっき勢いよく外した後、また胴に包帯を巻いてもらった。
「私は……もう平気です。ほら!」
その場で宙返りをした。そしてその場で座ってゾロを見上げた。
「ふっ。」
少しゾロの表情が柔らかくなった。いつものゾロからルリのイメージは変わった。
またゴロリとなっていびきをかき始めた。
「もう寝たの?早っ!」
ルリはしっぽでゾロの頬を撫でた。
そしてゾロにぴったりと寄り添って一緒にねむった。