サンジは一番に船に乗り急いでキッチンへ急いだ。
おかゆを作っているようだった。アツアツだ。卵が入っている。
「とりあえず作ってみたが……猫の飯はわからんかった。非常食だ。」
地面にねそべる猫の前にそぉっと置く。表情は変わらなかった。
「おかしいな。意識はあるはずで、腹も減ってるはずなのに。」
サンジは細い白い指の先におかゆを少しつけて鼻の前に持って行った。
サンジは鼻の先につけた。
耳がピクッと動いた。しっぽの先も動いた。
ペロッ。
舌が鼻の先についたおかゆを舐めた。
一味たちの表情が明るくなった。もちろん一番喜んだのはサンジだった。
目がパチッと開いた。きれいな赤と青のすんだオッドアイだった。
舌をおかゆに勢いをつけてなめようとした。
「アッツゥッ!」
猫がしゃべった……。驚いて言葉が出なかった。
フゥフゥとおかゆに息をふきかけて冷まそうとしている。
やっと適度な熱さになったのか、ガツガツと食べ始めた。
「ああっ!こんなにおいしいものを食べたのは何か月ぶりでしょうっ!ありがとうございますっ!」
猫は丁寧に前足をそろえて頭を下げた。
「おおおおおおおっ!☆すっげええええええっ!」
ルフィは目を輝かせた。
すごいと思っているのはみな同じだった。
「あなた、しゃべれるのねぇ。名前はなんていうのかしら?」
「ルリです。よろしくおねがいします。」
「あたしはナミよ。」「オレはルフィ!」「サンジだ。」「ウソップ」「ゾロ」
「なんでお前はあんなところで倒れてたんだ。」
ゾロが上から質問した。
ゾロの存在には気が付かなかった。ルリには恐ろしくて滝のように汗を流し始めた。
「えっ、えええええっとっとととと、ちょ、私事上がありましてわわわわわッ!」
ろれつが回っていない。
「ああ、ゾロは顔は怖いが実は優しいやつなんだぞ?お前を拾ってくれたし。」
「ああ……そうだったのですか、あなたが私の命を助けてくださったのですね。」
ホッと胸をなでおろしたルリ。本気で怖がっていたのだった。
「私の自己紹介をしましょう。」
ルリが言うと、ルリを中心にみなが取り囲んだ。