湯気が某静岡ゲームみたいに濃くてなんにも見えないが、どうやら俺の反対側にいるみたいで、およそ20メートル程度離れているようだ。
まぁ入って来るのは勝手だが、俺なんだかんだで人見知りだし歪みねぇ訳でもないから男入ってきても話さないよ。
むしろ拒絶だ拒絶、城にいる野郎なんて皆ガチムチでパンツレスリングするような人たちだからな。
アッー!なんて死んでも嫌だからな!!!
つーかそういうのはシェパードの担当だから!俺違うから!!!
ていうかまたシェパードの事思い出しちゃった、鬱だ、死にたくないけど死にたい。
「はぁ……」
一人意気消沈しつつお湯にも沈んでいく。
はぁ、ここに幼女がいたら癒されるのに……
と、その時。
「ふぅ……お父様ったらまた徹夜で本を読んで……身体を壊されると困るのは私達だというのに」
スイートな女の子の声が、風呂場に響いた。
ん、ちょっと待って、ここは男湯のはずだが……いや、そうだ!
そう、きっと男の娘に違いない。
それか、素晴らしく女の子みたいな声の男の娘か。界での親睦を深めるためだ。
決して間違えて女の子が入ってきちゃったから覗こうとか、男の娘でムフフとかではない。
決してだ。
結局男の娘だが気にしない、とにかくこれは確かめてみる必要があるな。
もちろんやましい心なんてありはしないぞ、そう、異世