小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>



クリームヒルデは激怒していた。

数日前、突然この世界にやって来た変態と戦い、明らかに手加減された揚句敗北し、捕まえたはいいものの実は天使の遣いで騎士団長には無礼な態度をとるし、更には自国の姫且つ幼馴染である少女のあられも無い姿を事故とは言え目の当たりにしたからだ。
ていうか半分くらい俺のせいじゃないと思うんだが、そういう事言うとまたクリームちゃん怒るから言わない。

それだけではない。
俺を風呂場へ行かせたのは自身の部下であるテオであるというから、これまたいろいろ問題なのだ。
想像を絶するぐらいボッコボコにされたテオ曰く、姫がいるなんて知らなかったそうだが、それで許すはずもなく更にフルボッコにしたそうだ。


――男なんてどれも頭のおかしな生き物だ。


クリームヒルデは別に百合っ子とか女性至上主義とかではない。
だが、あまりにも男の品格を疑う事件が数日で頻発し(主に俺のせい)、彼女の心はとある決意に固められていた。


――一連の中心にいる、河原 郁葉をこの手で粉砕する。


もうこの時点で色々突っ込まなくちゃいけないのは重々承知しているが、今のクリームヒルデに何を言っても無駄だった。
このままでは規律どころか、なにか大切な物を奪われてしまう。 そう感じているのだ、きっと。

いや奪わないからね?俺そんな鬼畜外道じゃないからね?

-115-
Copyright ©Ciel All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える