小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

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――とりあえず、一通りの装備を大きなバッグに詰めて礼拝堂に戻って来た。
時間にして約三十分、ちょっと時間を掛け過ぎたか。
どうやら礼拝は済んだ後のようで、誰もいない。

ちなみにあの後、バッグには収まりきらなかったが装備にスナイパーライフル(狙撃銃)のDSR-1とPDW(サブマシンガンのような武器、個人防衛武器)のMP7A1を追加した。
これがあれば遠距離と思わぬ近接戦闘にも対応できるだろう。


さて、部屋に戻って昼まで一眠りだな。朝飯は……まぁいいや。


と、俺がこそこそと礼拝堂の出口へ向かおうとした時。


「あっ…………」

ミカが一人、片膝を付いて静かに祈っていたのだ。

その姿はまさに天使。
見る者の心を奪い、釘付けにして離さない……俺もその一人だった。


ふと、初めて出会った日を思い出す。
と言っても4日前の事なんだが、色々ありすぎて遠くに感じる。

はっと我に返った俺は、気付かれないようにベンチに腰掛ける。


いつもは皮肉と嫌味たっぷりで猫を被る彼女が、あんなにも真摯に祈っている。

一体何を祈っているのだろうか。


彼女の背中はとっても小さい。
それは文字通りでもあるし、そうでない方向でも、だ。

なんだか護ってあげたくなる、あんなにバカにされているのに。



数分して、ようやくミカが腰を上げる。


ふぁさぁああっと翼を広げ、上を見上げる。






「で、貴方は朝っぱらから幼女を盗撮ですか、郁葉」

「あ、ばれてました?」
そういや問答無用で心を読まれるんでしたね。

俺は重い荷物を持ってミカの下へ向かう。


「ミカも礼拝とかするんだな、てっきり朝からFPSしてんのかと思ってたよ」

「直でバカにしてますよね貴方。いいですよ、いつでも相手になりますよカモンカモンカモォオオオオン」

どうやらいつものミカのようです。
病んでたりしてなくてよかったよかった。

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