小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

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 それから2週間が経った。
これと言った動きも無く、俺は毎日をクリームとの稽古やこの世界の歴史を学ぶことに費やしている。
ミカは何やらやる事があるらしく、しばしば居なくなっては突然姿を現す。
再度の誘拐の危険があるからなるべく一緒に行動するように言っているのだが、「大丈夫です変態」の一言で押し切られてしまう。
まぁあの腹黒天使が考えなしに動いているようには見えないから大丈夫だと信じたいのだが……


そんなこんながあって、今俺は教会で……正確には天界の武器庫で消耗した武器や弾薬の補充をしている。
思ったよりも天使に対しての適正が高いらしく、教会で調達出来る兵器が増えているのがわかる。


「新しいのはテクニカルに……後はスティンガーか。ふむ、順調に俺のコレクションが増えてるな」

目にとまった新しい品々を、リンゴマークのスマートフォンにメモしていく。
前まではダサい迷彩服しかなかったが、今ではマルチカムやリアルツリー迷彩などの最新バリエーションもある。
いつ何時使うか分からないから、こういうのはかなり重宝する。

ギリースーツがないのは仕方ないか……最悪自力で作れるし。


「そうだ、クリームヒルデに何か持っていくかなぁ、最近銃に興味あるみたいだし」

この前の一件以来、俺はクリームに銃の歴史や長所、戦術的価値を熱く語っている。
普通の人なら飽きるこの授業も、クリームには新鮮で興味深いらしいからこっちも嬉しいのだ。


俺は女性の手でも扱える拳銃を探す。
クリームヒルデの戦闘スタイルに合わせて、なるべく小さめで反動が少ない方がいいだろう。
それと装弾数も多い方がいいな……なら9mm弾が無難か。

と、ちょうど目の前にぴったりな拳銃が。


「お、P99か!」

そこにあったのはドイツにあるワルサー社のP99。
口径は標準的な9mmで、ポリマーフレームを採用しているために重量が軽く、利き手を選ばないマガジンリリースレバー、更に人間工学を重視したグリップは太さを変更できるようになっている。
この銃はハンマー(撃鉄)の無いストライカー方式だが通常のピストルと同じくダブルアクションとシングルアクションを切り替える事が出来るのだ。

……まぁ登場した時期が時期だけにあんまり売れなかったらしいけど、俺は好きだぞ。
コンパクトながら装弾数は16+1発と多いのも良いし。

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