俺はまぶたをこするミカを抱きかかえ、窓を開ける。
「しっかり掴まってろよ!!!」
トウっと俺はアクションスター顔負けのジャンプを見せる。
さっき盗賊の腕ぶった切った時も何ともなかったし、この高さから落ちても大丈夫だろう。
なるべく衝撃がかからないように着地する。
タンッと短い音とともに難なく降りる事が出来た……さすが天使補正。
しかし、
「下だッ!飛び降りたぞ!!!」
マントで身を隠した騎士とやらが窓からこちらを見下ろす。早く去ろう。
「......Let's get out of here. Move out, Micha」
ちくしょう、仲間を呼ばれたらかなり厄介だぞ。
俺はじたばたして嫌がるミカを下ろしてやると、ガリルを取り出しコッキングしながら逃げようと走り出す。
これは戦闘になるかもな。
「早く行きましょう、ホラ」
ミカが走りし、俺も重い装備を担ぎながら走りこむ。
……俺が敵ならこういう場合、家の周りに見張りを配置する。
奴らも軍人ならそうするはずだ。