「申し遅れたな、儂(わし)の名はウルフィアス。ウルフィアス オウレリウス アントニヌスである」
すげぇなローマ人みたいだし長いぞオイ。
そんなウルフィアスから手を伸ばしてくる……握手ってことですかね?
俺は少し迷ったが、これまた素直に握手をする。
がっしりとした大きな手は、剣を握るに適した形であるに違いない。
「ほう……面白いものだ」
団長は手を離すと、なにやら部下に目配せをする。
俺は彼から一歩離れると、何やら大きな箱を二人掛かりで持ってくる下っ端騎士を見た。
重そうな箱を軽々と(二人が掛かりだけど)ウルフィアスの横に置くと、騎士二人は下がる。
そしてウルフィアスが箱の金具を外すと、勢いよく開けた。
「貴公に返すものだ、受け取れ」
箱に入っていたのは無造作に置かれた俺の全装備。
俺のなのに受け取れとはよく分からんが、俺は一安心するとウルフィアスを一瞥してCz75を手にして状態を確かめる。
「フレームに傷が付いちまってるな……もっと慎重に扱えよ……」
「なにか言ったか?」
「何でもない」
引き続きガリルを確かめる……あぁ良かった、こいつはピンピンしてるな。
マガジンを抜いたり入れたりしてコッキングレバーを引く。
さすがAK、なんとも無いぜっ!