「ハーッハァ!!!さすがにやるな!!! こうでなくては!!!」
ウルフィアスの歓声が庭一杯に響く。
もうこの人からは戦闘狂ってイメージが離れない。
彼はクレイモアをバットの素振りよろしく振り回し、準備運動をする。
俺は俺で、ククリの調子を確かめながら切っ先をウルフィアスに向ける。
「あと何人やりゃあんたをフルボッコ出来るかな?」
俺らしく厨二で安っぽい挑発に、プロが乗るとは限らない。
だが、ああいう「プロすぎる」奴は確実に乗って来る。 新たなパーティーに参加するために。
案の定ウルフィアスはその誘いに乗って来る。
まだ戦闘に参加していない騎士を押しのけバトルフィールドへと歩む。
「小僧が、少しばかり教育が必要じゃな」
にやりと笑うウルフィアスが剣を構える。
……あのクレイモアを防ぐのは難しそうだが、あれだけでかけりゃ動きも鈍るはずだ。
ならばカウンターで決めてやる。
「来いよベネット」
ナイフとククリを構える。
攻撃を避けて一気に叩き斬ってやる。
「よかろう……行くぞ小僧ッ!!!」
刹那、ウルフィアスの姿が消えた。