――オーレシア城内の通路――
あの後、ウルフィアスがついてきてほしいと言うので俺とミカは大きな背中の後にくっついていく。
ちなみに意識を取り戻したクリームヒルデとテオも一緒である。あの後、流石に悪いと思ったのかウルフィアスはクリームヒルデに何度も謝っていた。
騎士団長自ら頭を下げるなんて普通あり得ないんだろうが、なぜかこの人なら納得できる。
まぁとりあえずそれは置いておいて、今、ミカからざっと今回の騒動についてざっと説明を受けている最中だ。
「……つまりですね、これからの戦いでは銃だけではキツイ事になるのは必須です。ただでさえ化物じみたのがゴロゴロいる世界です、貴方の中に眠る天使の力を呼び覚ます必要があった訳です」
「それがさっきの茶番か?ふざけんな、こっちは結構マジだったんだぞ。ガリルも壊れちまうし……」
レシーバーが大きく破損したガリルを見る……くそう、結構気に入ってたんだぞこれ。
しかしミカはニヤニヤ笑うだけだ。
「ほほーう、マジになってくれたんですね?ミカたんウレシイナー」
「棒読みすんなやロリ天使……ところでマスターウルフィアス、俺達はどこに向かってるんです?」
そう尋ねると、彼はにこにこしながら答えた。
「まぁ落ち着きたまえ……ここだ、天使の使いよ」
大きな扉に辿り着くと、ウルフィアスは扉を護る衛兵に目配せする。
すると、衛兵は一礼して扉を開ける。
重そうな扉が開かれる。
見た感じだとRPGにも耐えられそうな装甲してるなこの扉。
「くれぐれも粗相のないようにな……ウルフィアス、参上いたしました陛下」
陛下?陛下って事は……つまり、王様?
いかん、いかん危ない危ない危ない……