小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

「ゲダツVSチョッパー&カルー」





「みんなどこにいるんだろうな」

「クエー」

「あっ、遺跡だ! もうみんないるかな」

「クエクエ!」

「よし、探そうカルー!」

「クエー!」

チョッパーとカルーは神兵たちを倒しながら遺跡のある方へと奇跡的に進んでいたよ

うで、誰よりも早く到着していた。

しかしそこには神官の一人ゲダツが待ち構えていた。

「貴様らは不法にゅんーんんんんん!」

「ゲダツ様、下唇を噛んだままです」

「はっ!」うっかり

「とにかく今はあの二人を倒すことが先決かと」

「うむ、ん? どこへ行った」

「ゲダツ様、白目をむいています」

「はっ!」うっかり

そんなゲダツと神兵のやり取りを見たチョッパーは、

「カ、カルー、あのヤギみたいな奴が様をつけて呼ぶってことはそれなりに強い奴な

んだよな?」

体を震わせていたが、

「クエ、クエクエ」

「た、戦わなきゃいけないのか?」

「クエ」

「よ、よし、一緒に頑張ろう!」

カルーの励ましによって戦う決心がついたようだった。

「ゲダツ様、どうやら戦う気のようです」

「そうか、ならば!」

ゲダツは手のひらから煙を出す。それは次第に塊となっていき、ゲダツの胴を隠すほ

どとなった。

「な、なんだあれ」

ゲダツのしていることが分からないチョッパーは戸惑いを隠せない。

「沼雲バーガー!」

ゲダツは両手に持ったそれをチョッパーたちに投げる。

「な、なんだ!」

「クエ!」

「よ、避けろ!? うわ!」

回避が遅れたチョッパーだったがカルーが霧になって助けてくれた。

「むっ、あの鳥は能力者のようだな」

「少し厄介ですね」

「だが、ここはすでに我がテリトリー、沼の試練!」

「ゲ、ゲダツ様、沈んでます!」

「ふん、俺が自分の試練の対処がんんんんんーんんん」

「ゲダツ様下唇を噛んだままです」

「はっ!」うっかり

「あ、あいつ、バカなのか?」

「クエ?」

しかし次の瞬間ゲダツは空中に飛び出していた。

「靴に何か仕込んでる」

「クエ」

「メ―! よそ見をしている暇はないぞ!」

「うわわわ! 来たぁぁぁぁ!」

「喰らえ! 斬撃「クエー!!」ぐへ!」

チョッパーに斬撃貝の攻撃を行おうとした神兵は横から不意に現れた霧カルーの攻撃

で遺跡群に頭をぶつけて倒れた。

「あ、ありがとうカルー」

「クエ!」

「そ、そうだ。空にいたあいつは」

「ぬっ、どこに行った。突然姿が」

「白目向いてんじゃねぇよ!」

思わず突っ込んでしまったチョッパーはしまったと思ったが時すでに遅しと言う感じ

で、

「はっ!」うっかり

ゲダツはチョッパーたちを再び捉えていた。

「沼雲バーガー!」

再びチョッパーたちを雲の塊が襲う。

「どんな効果があるか分からない以上避けるしかない」

チョッパーは四足歩行となってその場から素早く立ち去った。

「かかったな」

「えっ、うわ!」

回避した先には沼が存在していたようで前足の一本が飲まれていく。

「ま、まずい!」

「クエ!」

カルーが後方から引っ張り上げる。

「このままじゃ、カルー、俺のカバンからランブルボールを取ってくれ!」

「クエ!」

カルーはカバンをあさって小さなボールをチョッパーに投げる。

「ランブル! ジャンピングポイント!」

体を変形させ空中へと飛び上がる。

無事に沼から抜け出したと安堵するが、そこへゲダツが詰め寄っていた。

「ジェット――」

「しまっ!」

「――パンチ!」

ピュン! そんな音を聞いた直後、チョッパーは吹き飛ばされていた。

「がは!」

「クエ――!!」

落下してきたチョッパーを受け止めるカルーは心配そうに伺うが、

「はぁ、カ、ルー……」

「クエ?」

「いっ、しょ……にあいつを」

「クエ!」

力強く返事をしたカルーはチョッパーを地面におろす。

「はぁ、はぁ、アスラに教えてもらって間もないけど、ランブルを食った俺なら」

「クエクエ」

「ああ、時間がない、すぐに決めないと」

「ほう、まだ立つか」

「俺たちは海賊だ……こんなところで負けるわけにはいかないんだ!」

「ふん、ならばもう一度喰らうがいい! たぬきめ!」

「俺はトニートニー・チョッパー、化け物で海賊だ! ハイパーアームポイント」

チョッパーは右腕だけに力を集中させる。

『いいかチョッパー、動物系を食べた者ならおそらく使えるであろうと思われるのが

生命帰還という方法だ』

『生命帰還?』

『体の毛の一本まで自身の意識で操る方法だよ』

『へぇー』

『もしこれが出来ればランブルに頼らなくてもいいかもな、まぁそれなりに特訓しな

きゃいけないだろうけど』

『アスラ! 俺、頑張るぞ!』

『ああ、頑張れ』

(そうだ、アラバスタに向かう途中で教わったことを思い出せ、完璧じゃないにせよ

ランブルを含んだ俺ならできる!)

「おおおおおお! 刻蹄・桜撃拳!」

「っ――ジェットパンチ!」

チョッパーに威圧され、心網が乱れたゲダツはそのまま拳をぶつける。

二人の攻撃がぶつかるとゲダツが悲鳴を上げる。

「ぐぅぅぅぅ!」

「よし、カルー!」

「クエ!」

「なにをする!」

カルーはゲダツの体を拘束したまま空中へと飛び出す。

一旦空中で離すと、あらゆる角度からゲダツへ攻撃をする。

「ぐおお!?」

霧の体を利用して頭部と脚部を分けて攻撃している。

「クエエエエエエエエ!」

「ぬあああああ!」

最後は腹部と腰を同時に攻撃されゲダツは頭から落下する。

そして自身が設置した沼雲に嵌ってしまう。

「はぁ、はぁ、はぁ、これで俺たちも海賊だ!」

「クエ!」

チョッパーは誇らしげに声を上げる。

そしてゲダツはうっかり沼雲へ自分から入ってしまい空島から落下していった。

「バカだ―――!!!」

などと驚いた者がいたが。



<あとがき>

どうも八咫です。

今回はカルーを目立たせようと頑張りました。

チョッパーの技は「刻蹄・ロゼオショット」と読みます。

ちなみにカルーがゲダツを拘束したのは霧縛(むばく)と言います。

空中技はミストブレイクといいます。

-36-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




Portrait.Of.Pirates ワンピースシリーズ NEO-DX キラー
新品 \5290
中古 \5000
(参考価格:\7560)