小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

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『新たなる船』






「おーでけぇな」

エネルと別れたアスラは限りない大地へと渡るために作らせた船を発見していた。

「んー、側面の神の字は消すとして、顔も溶かせば金として売れそうだな」

アスラは船内へと入る。

「動力がほとんどを占めてるな……ウォーターセブンに行ったら作ってもらうとしよ

うかな」

船内を歩いているとふと脳に直接声が響いた。

『ようこそ』

「ん?」

『この船を乗りこなすものよ』

「は? 俺はまだ……エネルはふさわしくないってか」

『左様。主のような者こそこの船を操る者よ』

「光栄だな。名前は?」

『マクシムだ』

それを最後に声は途絶えた。

「……なんで声が……覇気のせいか? ここに来て物の声まで聴けるようになったの

か俺は……それはそれですごいな」

数分考え事をしていたアスラだったが、

「あ、これ作らされた人たちを探さないと」

船から出たアスラは周辺を捜索した。

「……ぐったりしているのが数十人単位でいるな。行くか」

アスラは剃を使いその場から消えた。





エネルの人生において、自分の力が通用しない相手と出会ったのは初めての経験だっ

た。故にアスラの言っていたことが理解し始めていた。

「くっ、私は神だぞ!!」

「知るか! ゴムゴムの……JET銃!」

構えを取ったルフィに対してエネルは心網がある故に回避できると思っていた。さら

に加えれば、直線の攻撃だと読んでいるだけで、どのような速さで攻撃してくるのか

を読んでいなかった。

「ぐはっ!」

予測していた速さを超えていた為エネルは呆気なく吹き飛ばされていた。

ルフィはアラバスタを目指す途中でアスラに言われていた。

『ルフィ、お前はゴム人間だ。ならそれが自分にどのような力を与えてくれるかを考

え続けろ。別にむずかしく考えなくていいぞ、思うがままに自分を鍛えろ』

「俺はゴム人間だ。なら体をポンプにすることだってできる」

「何をごちゃごちゃと、エル・トール!」

「当たらねぇ!」

ギア2に入ったルフィの速さにエネルは驚き、攻撃をやめ、回避に専念した。

「逃げんな! ゴムゴムのぉ、JET鞭!」

「ぬうぅ!」

回避には成功したエネルだったが、すでにルフィは近づいていた。

「ゴムゴムのぉ、JETバズーカ!」

空中で至近距離から放たれた攻撃によりエネルは巨木に突っ込みながら数十メートル

先まで吹き飛ばされていった。

「ぐふ、がはっ」

着地したルフィは一息ついて、

「ふー、なんだったんだあいつ?」

少し身もふたもないことを言っていた。





「いたいた。おい、大丈夫か?」

「あんた……は?」

「海賊だ、あーまぁ興味があって青海から来た観光客みたいなもんさ」

「俺たちはエネルに……」

「あー、大丈夫、今エネル負けたみたいだし」

見聞色で見ていたアスラは目の前でボロボロになっている男性に優しく声をかける。

「本当か?」

「ああ、さてここから出よう」

アスラはどう全員を運ぶか考えていると、

「お主、なぜここへ!」

「お、空の騎士、丁度良かった。彼らを運ぶの手伝ってくれないか? さすがに一人

で運ぶのは大変なんでね」

「構わぬが……」

ガンフォールが戸惑っていると、天井の雲を切ってロビンとビビが現れた。

「お、いいところに、ちょっと手伝ってくれ」

「アスラさん、数時間ぶりに会えたのにそれ?」

ビビは呆れていたが、アスラは笑っていた。

「会えるって信じてたからな。当然だろ?」

「ふふ、アスラさんらしいわ」

「だろ? さて怪我している――」

「もう運んでおいたわ」

「――サンキューロビン」

「これぐらい構わないわ」

「んじゃ、悪いんだけど俺は新しい仲間を連れてくるから」

アスラは再び剃を使ってその場から姿を消した。

「新しい仲間って、アスラさんが面白いって思う人に会えたのかしら?」

「仲間にする基準がおかしいと思うけど?」

ロビンに指摘されるが、

「なんか、アスラさんといるとこれが普通で」

ビビは屈託のない笑顔で答える。






エネルが倒れている場所へ向かう途中ルフィと出会った。

「お疲れさんルフィ」

「アスラ、腹減ったぞ……」

「はは、あとでサンジにたくさん食わせてもらえ、今あのでかいツタの根元に集まっ

ているんだ。一応お前もあそこを目指してくれ」

「分かった。アスラはどうすんだ?」

「新しい仲間を勧誘するんだ」





吹き飛ばされたエネルが目を覚ますとそこにはアスラが立っていた。

「分かったか? 青海にはあいつよりも強い奴はうようよいる。お前に平気で攻撃を

与えられる奴らだっている。だからエネル、俺と来い。お前に世界を見せてやる」

アスラは右手を出す。

「私が裏切ると思わないのか?」

「俺もお前と似たような力を使える。裏切るときは分かるし、そもそもそんなことは

させねぇよ」

「……賭けは私の負けだ。約束通り、お前に従おう」

エネルはアスラの右手を掴む。

「フィオナ海賊団船長アスラだ」

「エネルだ。ただのな」

「ふっ、手配書には雷神とでも書かれるようになれよ」






二人はその後マクシムのもとへと移動、これを船として使うと説明するとエネルは驚

いたようだったが、すぐに頷いて動力を動かした。

「これがいきなり空に浮いたら俺の仲間は俺が要るかもしれないと思って多分やって

くるだろうよ」

案の定だった。

マクシムが浮上して森の上空を飛んでいると、ポーラと刀を持ったドルトンが現れ、

その数分後ダイヤルを大量に持ったファーゴと衝撃貝を持ってポーラがやって来た。

オーガ―は今だ六式を学んでいないためアスラが連れてきた。

その後手当をしていたビビとチョッパーと行動していたカルーが合流した。

「新しい仲間のエネルだ」

「よろしく頼む」

挨拶をすると他の者は背中の太鼓や耳に注目する。

「良い仲間だろ?」

「ああ、そうだな」

上空を移動し、一度雲海へと出る。脱出組としていたナミたちを驚かせながら合流し

たのち奪った軍艦から必要な物をすべて運びだした。

「もらい物だったが、ありがとな」

アスラは軍艦に礼を言って燃やした。

『良い旅を』

「ああ」







そして解放された大地をシャンディアやエンジェル島の者関係なく宴を楽しんだ。

そしてそこへ大蛇が現れるが、なぜか大泣きし始める。チョッパーが言うには、

「むかしここにいたんだけど住処が分からなくなってずっと探してたんだって」

故にともに宴を楽しんでいた。さらにルフィたちには大蛇の腹の中に黄金があること

を伝えた。

しかし捕虜として扱われ者たちはエネルを憎んでいるためアスラたちにもどちらかと

いうと歓迎はしなかった。唯一したのはアスラが声をかけた者ぐらいであった。

そこでアスラは黄金の鐘を返却すると言い、ファーゴとドルトンを連れて月歩で上空

へと進む。

「おい、マジかよ」

ファーゴは驚いていた。そこにはクリケットが言っていた鐘が存在していたからだ。

「先祖は嘘をついていなかった。これで証明された」

「まだだ、俺たちでパァと鳴らすぞ」

「おう」

「了解した」

気合を込めて鳴らしたのはよかったが勢いが良すぎて柱の一本を折ってしまった。

「やべ」

アスラは焦ったが、

「まぁいいか、とりあえずこれを運んで返すとしよう」

「ああ、だが、良い音色だ」

ドルトンは感嘆に浸っていた。

「そうだな」

同意するかのようにファーゴも立ち尽くしていた。

アスラも鐘の音を聞いていた。





その後運んだ鐘を渡すと皆その輝きと大きさに惹かれていた。またさきほど音色を聴

いていたが為に魅了されていた。

アスラは柱の一本を折ってしまったことを謝罪するが、皆笑顔で許してくれた。鐘を

持ってきてくれた礼として折れた柱を貰ったアスラはエネルに伝熱で溶かして、ブロ

ック状に分けた。

マクシムの金の顔も溶かしておいた。簡易的であるがそこへ木を打ちこんでおいた。

「ウォーターセブンまで持ってくれさえすればあとはどうにでもなる」

というアスラは神と書かれた側面部分を消し、大きくフィオナ海賊団のシンボルマー

クであるドクロにクロスした槍を書き、宴を楽しむルフィたちには、

「先に青海に戻ってる。ウォータセブンで会おう」

といって全員船に乗り込んだ。

「さぁて、マクシムをゲットしたし、楽しく行こうかね!」

エネルが動力に雷を流し、マクシムは浮上した。

アスラの新たなる船旅が始まった。


<あとがき>

どうも八咫です。

マクシム&エネルが追加されました。ルフィに一度は負けたエネルですが、アスラの

下で五分のバトルが出来るほどには成長していきます。

ちなみにビビは今後能力者にする予定がない為武器や身体能力を上げまくります。

ここから少し原作から離れてオリジナルを数話やりたいと思います。

ルフィたちがアニメで青海に帰ってみたら海軍基地に!? というところの裏でアス

ラたちは……といった形を取りたいと思います。

ルフィたちには視点を置きませんのでご了承ください。

では次回『うっかり温泉』で、失礼します。

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