小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

『デービーバックファイト』







「うーん、どうするかな」

アスラはドルトンが持ってきたオームの武器をどう使うかを考えていた。

「はぁ、せめて武器を作る才能があればいいんだがな」

「アスラ、そろそろ食料が尽きるんだが」

「ん? そうか、ならどこかに止めてくれ漁でもしてくる」

ファーゴが知らせてくれた後、槍を持って甲板に出る。

「船長、広大な草原が広がる島がある」

「んじゃ、そこに止めようか、その後は好きにしてくれ」

「了解」

一行は草原が広がる島へと上陸した。

アスラは槍を持って海へと潜って行った。



アスラを覗いた面々は自由にしていた。

エネルとゲダツの空島出身者は興味深そうに島を散歩していた。

他の面々は茶を楽しんだり、寝たり、黙々とトレーニングをする者に分かれていた。

のんびりと過ごしていると一隻の船が近づいて来た。

「ん? あれは……海賊船か」

最初に気が付いたドルトンは素振りをしていた斧を置いて汗を拭きながら、様子を伺

う。

「キツネの船首なんて変わってるわね」

ビビも海賊船を確認したのち、オーガ―の方を見た。

「オーガ―さん、相手の様子は見える?」

「問題はない。何かの指示をしているようだ」

「攻撃の準備かしら?」

キセルを吹かしながらポーラは戦闘態勢をとる。

すると海賊船はマクシムから少し離れた場所に停泊した。

数分後三人の男女が近づいてくる。

「フェフェフェ、船長はいるか?」

「今は漁をしているからいないわ。何の用」

強い口調で質問するビビに相手は臆することなく笑っていた。

「そう警戒するな。俺たちは決闘を申し込みたいだけさ」

『決闘?』




数分後中型の海王類を倒し、帰って来たアスラに相手の海賊――フォクシーは高らか

に言った。

「フィオナ海賊団船長アスラにわれらフォクシー海賊団はスリーコインオーソドック

スルールに基づくデービーバックファイトを申し込む!!」

「……いきなりなんだよ……」

嫌そうな顔をするアスラだったが、

「まぁいいけどさ、その前に船を見せてくれないか? そしたら宣言するが」

「フェフェフェ、悪いがそれはできねぇな」

「……まぁいいけどさ」

アスラはビビから銃を借り、空へ構えた。そして二発の銃声が響いた。

「フェフェフェ! これで人員が補強できるぜ」

「さて、良いトレーニングの機会だ。軽く倒して来い。ん? エネルとゲダツはどう

した?」

「散歩よ」

「んじゃ後で話すか」




その後戻ってきた二人に説明をした後、メンバー七人を選出した。

一回戦 ドーナツレース

ファーゴ、リモーネ、カルー


二回戦 グロッキーリング

ドルトン ポーラ ゲダツ

三回戦 コンバット

エネル


というメンバーになった。

ビビとオーガ―にはフォクシー海賊団の船に潜入させ、めぼしい物がないか探させて

いた。

すでにオーガ―は剃は習得しており、手慣れた者だった。




「一つ!! デービーバックファイトによって奪われた仲間、シンボル、全てのもの

はデービーバックファイトによる奪還のほか認められない」

「一つ!! 勝者に選ばれ引き渡された者は速やかに敵船の船長に忠誠を誓うものと

する」

「一つ!! 奪われたシンボルは二度と掲げることを許されない」

「以上これを守れなかった者を海賊の恥とし、デービー・ジョーンズのロッカーに捧

げる! 守ると誓いますか?」

「誓う」

フォクシーが余裕の表情で答える。

「誓う」

その隣でアスラは少しだけ上の空だった。彼はオームの武器をどうするかで悩んでい

たからである。


デービーバックファイト第一回戦 ドーナツレース


「さぁさぁまずは第一回戦、島づたいを走る一周妨害ボートレースだよ!」

実況担当の男が声を張り上げる。

レースに使うオール二本と空樽三個を使ってボートを作ると言うが、アスラたちは船

大工がいないため全員で作ることに、結果、沈まなきゃいい理論で作られた船は一人

ほどの座る場所が確保された物となった。

「フィオナ海賊団から参加するのは戦闘員のファーゴ、リモーネとアラバスタ王国で

最速を誇る超カルガモのカルーだ!」

実況のアナウンスにフォクシー側の者たちは、

「うおおお! あの女いい!」

「あのカルガモも興味あるぞ!」

「だが、野郎はいらん!」

「ああ、いらん!」

などと言っていた。

「まぁ、好きかって言うのはいいがその内に気が付くだろうな」

「キャハハハ、そうねアスラからさっさと三タテして来いって言われたもんね」

「クエ〜」

「さぁさぁ、両者スタート位置について、レディ〜〜ドーナツ!」

と同時にフォクシー側が妨害をしようとしたが、エネルの雷で全員撃沈、および対戦

相手の船をファーゴが爆発させるという状況から始まった。

「あーと! いきなりキューティワゴン号大ダメージだ!」

「アスラが妨害して良いと言うからな」

エネルが腕から電気を出したまま言う。

「構いやしねぇよ、どうせ奴らも卑怯な手でくるんだ。ならこっちだって文句を言わ

せない程度にやればいいだけだ」

アスラは倒れた者たちを見ながらどうでもよさそうに言う。



快調に飛び出したファーゴたちが乗るミニマクシム号は霧になったカルーに後ろから

押してもらっている。現在リモーネは体重を極端に減らしており、実際の船の重さは

ファーゴ一人分となっている。

「クエー!」

「快調に飛ばしていくミニマクシム号! このままだとぶっちぎりだー!」

というものの現在スタート位置にいるフォクシーの者たちはフォクシーを含めて全員

ダウン。キューティワゴンもなんとか立て直したが、ボロボロだった。

カジキの魚人カポーティとホシザメのモンダが追い上げようとするが、その途中でフ

ァーゴが仕掛けていた空気の爆弾に当たり再びダウン、再起は見込まれなかった。

「ゴ―――ル!!! 勝者、フィオナ海賊団!」

「さて、ビビ、オーガ―めぼしい物は?」

「そうね、大体こんな物かしら」

「大した出会いはなかった……」

「さぁさぁ、勝者した船長アスラ、欲しいのは何かな?」

実況が空から聞いてくる。

「んじゃ、この武器くれ」

空島で貰った映像貝に欲しい物を映す。

そこに映し出されたのは一本の刀だった。

「お――っと! 船長アスラはその様な刀を指名してきたぞ、そんなものでいいのか

な?」

「いいから、早く持って来い」

「フェフェフェ、いいだろう、おい! あの武器を持って来い」

「へい!」

数分後、指名した刀がやって来た。

「確かに」

アスラは刀を受け取り、仲間の下へと去って行った。

「さぁ、取引も終えたところで二回戦と行ってみよう!」

するとフォクシー海賊団の船首から三人が現れた。

「フォクシー海賊団が誇る最強の三人が登場だ!」

その登場に場外は騒がしくなる。

「四足ダッシュの奇人ハンバーグ、タックルマシーンのピクルス、そして最後に巨人

と魚人のハーフビックパンの登場だ!」

「ほぉ、世の中広いな」

「フフフ、興味深いわ」

「ん? どこにいる? 姿が突然……」

「白目になってるわよ」

「はっ!」うっかり!

ポーラに指摘されてうっかりしていたゲダツをよそに実況者は司会を続ける。

「そしてフィオナ海賊団からは全員賞金首の登場だ! 斧を使うドルトン、スタイル

のいいポーラ! そしてさっきから白目をむいているゲダツだ!」

「はっ!」うっかり!

「おたくらのボールマンは?」

「彼よ」

ポーラはゲダツを指さす。

「ほい」

フォクシーの船員がゲダツの頭にボールを模した帽子をかぶせる。

コイントスが行われ、相手がボールを取った。

ゲダツは相手陣の円にはいった。

「さて、行くとしようか」

「ええ、アスラの命令は三タテ、私たちがこんなところでもたもたしていられないも

のね」

「それでは……試合、開始!!」

審判のホイッスルが響くと相手方のピクルスがゲダツにタックルを仕掛けてくる。

「ん? ジェットパンチ!」

近づいてきた敵を殴り飛ばしたゲダツ、それに驚くハンバーグだったが、

「寝ててくれる? スティッキー・シュート!」

短い棘を足に出す。そのまま顔面を蹴り飛ばす。

「ぶへ!」

「あーと開幕そうそう二人が吹き飛ばされてしまった!」

「月歩!」

ドルトンは空中を蹴ってビックパンへと近づく。

「なんだー! 空中を飛んでる!」

実況者は驚いているが、アスラたちにとっては常識である為、普通の光景だった。

「あ?」

しかし、敵に気が付いたビックパンは体を倒して、うつぶせで寝そべってしまった。

「ならば」

ドルトンはビックパンの足を掴み持ち上げる。

「も、持ち上がった――!! あのビックパンが持ち上げられている!」

「ぬううう!!」

バックドロップのようにそのまま後ろにあるリングに叩きつけようとするが、

「ノロノロビーム!」

フォクシーから放たれた光線がドルトンに当たり、ドルトンの動きが遅くなってしま

った。

「能力者だったのね」

「んん! んんんん」

「下唇を噛んでるわよ」

「はっ!」うっかり!

「ビックパン! 今のうちに脱出しろ!」

「ぬうう!」

ビックパンはドルトンの手から逃れることに成功そのまま斧を取り出す。

「おーと、ビックパン、斧を取り出した。これは反則だ。しかし審判がストレッチで

後ろを向いていて見ていない!」

「まずいわね」

「そのようだ」

ポーラとゲダツは剃で一気に近寄る。

その後方ではハンバーグとピクルスが武器を構えて襲う準備をしていた。

二人はポーラとゲダツに近づこうとするが、突然霧が発生、前が見えなくなった。そ

して次の瞬間爆発が起きた。

ハンバーグとピクルスはそのまま動かなくなった。

「ふぅー、妨害がありならこれぐらい文句ないだろ」

「クエ」

ファーゴとカルーは一仕事終えた感じで茶を飲んでいた。

「ぐぬぬぬ! ビックパン! 潰せ!」

フォクシーが吼えるが、その時にはポーラとゲダツは足元と背中を攻撃していた。

そしてドルトンの動きがよくなり、今度は口を掴んで持ち上げる。

浮いた体はあとは落下するのみとなり、ドルトンの手によって叩きつけられた。

「試合、終了! 勝者、フィオナ海賊団!」

「うおおおお!!」

周囲は大きく賑わいだ。

「あ、あいつらすげぇ」

「あの三人を簡単に」

士気は完全にアスラたちが握っていた。

「さぁ、船長アスラ、今度の欲しいのはなんだい?」

「んじゃ、この武器で」

映し出されたのは銃だった。

「持ってけ!」

フォクシーの一言で今度は銃が渡された。

「うん確かに」

「さぁそれでは三回戦コンバットを始めよう!」


<あとがき>

どうも八咫です。

デービーバックファイト一、二回戦をお送りしました。

まぁ鍛えてればこんなもんかなと思います。

次回はまぁオヤビンですが、相手がエネルですしね。

そんでもって次こそかませを出します。

-41-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




Portrait.Of.Pirates ワンピースシリーズ NEO-DX キラー
新品 \5290
中古 \5000
(参考価格:\7560)