小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

『逆襲のかませと辛い現実』





第三戦のコンバットの準備中、アスラたちに近づいてくる一団があった。

「おーい! アスラー!」

「ルフィか、こんなところで会うとはな」

「偶然だなー」

「これも巡り合わせだろう船長」

「そうみたいだなオーガ―」

アスラは先ほど手に入れた銃を分解していた。

「ふむ、こうなっているのか」

「なにしてんだ?」

「武器を作ろうと思ってな」

「へー、アスラ、武器作れんのか?」

ウソップが売店で売っていた食べ物を手に持ちながらやって来た。

「いや、正直自身はない。まぁ仲間のためだから頑張るさ」

「そっか」

「ところでアスラ、これなに?」

フォクシー海賊団が作っている客席を見てナミが質問する。

「デービーバックファイトをしている」

「んな!? おい、大丈夫なのか!?」

焦った表情をするウソップにアスラは笑った。

「大丈夫だ。今に連勝中だし」

「そうか、よかったー」

「何なのそのデービーバックファイトって」

分からなそうにしているナミたちにウソップが簡単に説明していると、実況者が騒ぎ

始めた。

「さぁさぁ第三戦が始まるよ、対戦カードは両者ともに賞金首だよー! では、紹介

しよう! コンバット920連勝中のわれらが船長、フォクシー!」

「オヤビ―――ン!!」

会場が一斉に騒ぎ始める。

「さぁ、その対戦相手は六千万ベリーの船員、エネル!」

「あー!! あいつ空島で!」

ルフィは現れたエネルに驚いていたが、アスラがちゃんと説明した。

「賭けをしてたんだ。お前に負けたら仲間になる。勝ったら俺の命をくれてやるって

な」

「あれアスラの命かかってたのか?」

「まぁ勝つと信じてたし」

「そっか、よかった〜」

そんなこんなで試合が始まろうとしていた。

ルフィたちも全員観戦していた。

「それでは試合開始!」

ゴングを鳴らした瞬間、エネルは姿を消した。

「どこに行った!?」

「五千万ボルト」

「はっ!!?」

フォクシーの背後で声が聞こえ、振り返ろうとしたが、その時には手遅れだった。

「放電!」

フォクシーの海賊船が光に包まれた。

そして船の上に立っていたのはエネルだった。

「ヤハハハ、終わったぞアスラ」

「お疲れ」

リボルバーのフリントロックから顔を上げねぎらう。

「し、し、試合終了! 勝者エネル!」

「オヤビーン!」

「オヤビン!」

船員たちは驚きを隠せないようだった。

「オヤビンの無敗伝説もここで終わりを告げてしまったー! 強い、強すぎる! フ

ィオナ海賊団恐るべし!」

「やっぱり、ゲームなら勝てるなんて思ったから……」

一人の船員の呟きをアスラは聞き、うっすらと笑った。

「まぁ、これじゃ、一方的な遊びだったな」

「ところでアスラ」

「ん?」

「最後ぐらい、だれか取ったらどうだ?」

ファーゴがそう提案してきた。

「んー、そうだな」

提案を受け入れたアスラはフォクシー一味を見る。

「さぁ、どうやら今度こそ船員を招き入れるようだよ、いったい誰を指名するのか」

「んーじゃあお前」

指を向けた先にいたのはカポーティだった。

「おーとっ! 指名したのは魚人カポーティだ!」

「いいのか? 医者とか大工とか仲間にしなくて」

「良いんだよ、何とかなるさ」

「はぁ……」

アスラの呑気な答えにため息を漏らすファーゴだった。

「よろしく頼むぜ船長」

「ああ、よろしくなカポーティ」

がっちりと握手を交わしたあと三試合が終わった為その場を去ろうとしたが、フォク

シー一味はルフィたちに勝負を挑んだ。

挑発されたルフィはそれに乗ってしまい受けることになった。

カポーティがいないフォクシーは一試合目をドッチボールとした。

しかし、このドッチボールは多くのルールがありすぎてルフィたちは敗北してしまっ

た。

「船医、トニートニー・チョッパー!」

それによってチョッパーがフォクシー側に行ってしまった。

二回戦。グロッキーリングに参加したゾロとサンジは当初こそもめていたが、すぐに

挽回して、勝利を得た。

「まぁ無難な勝利だな」

「辛口だね〜」

エネルの評価にからからと笑うアスラ

「それでどうするんだアスラ、このまま見ておくか?」

「ん〜どうするか……あん? あの竹動いてね?」

「……確かに、少し変ね」

キセルを吹かすポーラ

「船長、その竹の上に人がいる」

「マジかよ……」

仰天するファーゴ

「連れてくる」

アスラは月歩で上へと飛ぶと、一人の初老の男がいた。

「よお、じいさん、下に降りるなら手伝うぜ?」

「おお助かるぞ」

男――トンジットをつれ下まで向かう。

その後事情を聞いたアスラたちは皆がいる島まで連れて行くことを約束する。

エネルに船を持ってくるように言ったあと、ルフィたちの下へ再び向かう。

丁度試合が終えていたようでルフィが雄たけびを上げていた。

(原作よりボロボロじゃないな)

その後、ルフィたちに挨拶をしておき、敵がいないか覇気を使って確認すると、

(助けて……)

「ん? これは……」

アスラは右手で頭を押さえる。

「……メリー、ルフィ! メリーが誰かに襲われてるぞ」

「なっ! 分かったありがとう!」

ルフィたちは急いでメリー号へと走って行った。

「……こいつはいろんな意味でまずいな」

「どうかしたの?」

ビビが不思議そうに尋ねる。

「海軍大将まで来てる。正直今のルフィたちじゃまだかてねぇ、俺たちも行くぞ、ゲ

ダツとオーガ―はマクシムの方に行ってくれ」

「了解した」

「んーん!」

「下唇」

「はっ!」うっかり!

アスラたちはルフィの後を追って走る。

アスラを先頭に全員剃か能力で後を追う。カポーティはまだ使えていないためカルー

に連れていってもらう。



先行していたメリー号の下へたどり着いたルフィたちは、メリー号をいたぶっている

ベラミーたちを見つけた。

「ベラミ――――!!」

「はははは! 麦わら、会えてうれしいぜ! どうだ? 自分たちの船が壊れていく

のを見るのは、大砲で沈めるのはもったいなくてな」

「黙れ」

「あ?」

「それ以上しゃべるな……ギア2」

アスラたちが着いた時にはルフィたちは怒気に満ち溢れていた。

「ランブル!」

チョッパーもランブルボールを食べていた。

「ははは! いいだろうぶっ潰してやる! あんときのようにいく――」

ベラミーが最後まで言う前にルフィはすでに殴っていた。

「しゃべるなって言ってんだ」

「ぐっ! 殺れ!」

「うおおおお!」

ベラミーの部下たちが一斉に攻撃を仕掛けるが、ゾロの

「三刀流百八煩悩鳳!!」

サンジの

「パーティテーブルキックコース!」

がさく裂、一気に敵は吹き飛ぶ、しかし、正面以外にも敵は存在しており、それには

他の者があたった。

「三連火薬星!」

「サンダーボルト・テンポ!」

「桜並木!」

「百花繚乱・クラッチ」

ウソップ、ナミ、チョッパー、ロビンがそれぞれ敵を倒していき、残るは数人となっ

ていた。

「くそっ、舐めやがって!」

サーキースが刀を持ってゾロへと襲い掛かるが、

「一刀流……閃駆」

体得した剃で行う一閃で撃破した。

「がはっ」

「引っ込んでろ」

そして残るはベラミーだけとなった。

「ちくしょうが、俺は五千五百万ベリーの大型ルーキーだぞ、てめぇみてぇな奴に負

けるわけ無いんだ!」

「ゴムゴムの……JETバズーカ!」

「ごふっ」

草原の奥へと吹き飛ばされベラミーは立ち上がらなかった。

ルフィたちは急いでメリー号へと近寄る。

「酷い」

「治せるかウソップ」

全員で話し合っているとアスラがつぶやく。

「……無理だな」

「え?」

「何言ってんだアスラ」

「メリー号は次の島までにしろ、丁度ウォーターセブンがあるからな」

「何言ってんだアスラ」

「メリーはもうこの先進めば確実に沈没する。それでもいいなら勝手にしろだが、も

しメリーを仲間だと言うのならわか――」

アスラが最後まで言う前にルフィに殴られた。

「勝手なこと言ってんじゃね! お前は船大工じゃねぇだろ!」

「なんでメリーがベラミーに攻撃されてるのが分かったと思う?」

「……」

「覇気でメリーの声が聞こえたからさ、そして今メリーから限界が近いことを知らさ

れた」

「ふざけんな!」

ウソップがアスラの襟元を掴む。

「メリーは仲間だ! おいていける訳ねぇだろ!」

「はっ、仲間だ? 笑わせんな、ボロボロになって壊れていくのを見れば満足するの

か? ルフィてめぇもだ。それでも船長か?」

「ふざけんな、ぜってぇ認めねぇぞ!」

「いい加減にしやがれ!」

アスラはウソップを殴った。

「泣きてぇのは俺もそうだ。さっきからメリーが謝ってくるんだよ……辛い役割をさ

せてごめんてな」

「……」

「メリー……」

「次の島は造船島と呼ばれている場所だ。そこでメリーと別れろ。そうしなければお

前たちは海に沈む。そこで夢は終わりだ。それでもいいなら勝手にしろ」

アスラはその場を去ろうとしたが、ふと立ち止まる。

「何の用だキジ野郎」

「あらら、そんな言い方ないでしょ」

「さっきから気が付いてたんだがな、お前一人か?」

「まぁそうなのよ自転車でね」

「バカか?」

そんなやり取りをしている中ロビンが怯えたような表情を見せる。

「青キジ……」

「いい女になったじゃないのニコ・ロビン」

「おい、ロビン! こいつ誰だ?」

「海軍大将の一人、青キジよ……」

「た、大将! トップクラスの人間じゃねぇか!」

「あー今日は別に何もしないぜ? アスラがいたんじゃおそらく手が出せない」

「んじゃ何で来たんだよ」

「昔言った言葉通り生きてんのかなと思ってな、それだけだ。じゃあな、ああ、そう

そう、お前たちの船マジでやばいよ? 速く造船島に行った方がいい行くならな」

「おい、こいつら連れてけよ」

「面倒だからヤダ。それにこいつらじゃこの先は生きていけねぇよ」

青キジはそれだけ言って去って行った。

「……」

無言が辺りを支配する。そこへマクシムが現れる。

「俺たちは先に行く。まぁウォーターセブンで会うだろうがな」

アスラたちは全員船に乗り、ウォーターセブンへと向かう。



船内


「本当にメリー号はダメなのアスラさん?」

「ああ、本当だ。正直、空島の時から悲鳴を上げてたみたいだ」

「そう……」

「あいつらが仲間の意味を理解すればメリーとは別れるさ」

「意味?」

「船だって仲間だ。奪った軍艦時代も仲間だと接してきた。だから空島で別れた時声

が聞こえた。メリーの魂を引き継ごうとする意志があればあいつらは次に進める。そ

れを嫌がるならそこまでの奴らだったってことだろ」

「クエ……」

「悲しむなよカルー、形じゃないんだ。心で捉えなきゃ」

「クエ?」

「はは、いつか分かる時が来るさ、さて行こうか、マクシムを改造してもらわなきゃ

いけないし、新しい仲間をさらに増やしたいし」

「次はどんな奴を?」

「面白い奴」

「決まってそれだな」

「面白ければ何とかなるさ、ああ、カポーティの歓迎とトレーニング方法を考えなき

ゃな」

一行の船は造船島ウォーターセブンへと進路をとる。


<あとがき>

どうも八咫です。

変化球でカポーティが仲間入りです。これから普通に強くなります。

次回は最後の特典付加とビビへの武器進呈とウォーターセブン編です。

-42-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




フィギュアーツZERO モンキー・D・ルフィ ‐FILM Z 決戦服Ver.‐
新品 \980
中古 \1100
(参考価格:\2310)