小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

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『造船島』






『元気か? 神じゃよ

 今日は最後の特典をやろうと思っての。まさか麦わら一味にはいらんとは思っても

いなかったがな。まぁ船長として頑張ってくれ。ああ、武器を作る才能を入れておい

たから安心して武器を作るといい。他の特典は下記に記してあるからまぁ頑張って過

ごすがよい。じゃあな


 特典


 騎士は徒手にて死せず……万が一の為に持ってけ

 鉄球……スティール・ボール・ランが面白かったから

 武器作りの才能……仲間に何かくれてやれ

 以上じゃ、毎度のことで手を放したら燃えるぞい』


「まぁ、感謝しておくか、つーかマンガ読むぐらいなら仕事しろよ」

アスラは手紙から手を離して作業に改めてかかった。

「リボルバーの原理を使って……あと丸い部分を鍔の部分と差し替えて……これでい

いかな?」

様々な模索を続けて数時間後、ようやく完成した。

「ふー、出来た。あとはビビに渡すだけと、おーいビビ?」

デッキへと上がるとそこには横たわるカポーティの姿があった。

「どうした?」

「全員でトレーニングをしていたらこうなった」

ファーゴが淡々と説明する。

「キャハハ、でも流石魚人族よね、数時間ずっと手加減していたとはいえ動き続けた

んだもの」

「ヤハハ、これで能力者だったら面白いな」

「魚人の意味がなくなるわよエネル」

面白そうなことを提案するエネルと呆れるポーラ。

(そういえば原作じゃ呪いとか言っていた魚人がいたような……その辺は読んでない

しな)

生前のアスラが読んでいたのは魚人島編の佳境にはいる少し前だったためうろ覚えと

なっている。

「まぁおもしろいっちゃ面白いな」

アスラもその提案にのる。

「ところで、船長、何の用で?」

オーガ―に尋ねられたアスラは本件を思い出した。

「ああ、そうだったほれビビ」

「えっ、私に?」

「おう、能力者じゃないし、色々な武器を試した方がいいだろ? 嫌だったら別の奴

にやればいいし、まぁ試してみろ」

「うん!」

「とりあえずこの丸い中にはダイヤルが入ってる。この引き金を引くと中のダイヤル

が右回りに動く。それによって色々な効果を刀に加えることが出来る」

ビビは言われた通りに引き金を引く右に回ると赤いラインが入った部分がてっぺんに

くる。

「フレイムダイヤルだな。効果を使ってみたいなら引き金を長押しだ」

二秒長押ししていると刀が炎を纏った。

「ほお、ダイヤルをこうも使いこなすとは」

感心しているエネルに笑いかけながらアスラは次々と説明していく。

「ちゃっかり空島からダイヤルを頂いていったからな色々あるぞ、初めのはアックス

ダイヤルが入ってたんだ。切った周辺にプラスの斬撃を与えられる。

 そして今のフレイム。意表をついたり環境にあった状態でつかっえもらえればいい

と思う。

 次がインパクト。切ると同時に衝撃が伝わる。ただし、一度衝撃を吸収してもらわ

ないといけない。

 次がエレキ。これは少し前にエネルに貰った雷を蓄えてある。

 次がミスト。分かると思うがカルーの霧だ。ダイヤル自体を貰ったんでなこうして

使っている訳さ」

説明を終え、ビビを見ると嬉しそうに笑っていた。

「ありがとうアスラさん! 私頑張る!」

「ああ、頑張れよ」

アスラが微笑んでいると周りから、

「私にもなにか作って」

と言う声が続出した。その為アスラはウォーターセブンに着くまで缶詰状態だった。




数時間後ようやくたどり着いたものの問題が発生した。

「どこに止めるよ?」

『う〜ん』

マクシムは巨大な船である為止めづらい。

「うし、エネル悪いんだけど滞空させておいてくれるか? その間に離しつけてくる

からさ」

「分かった」

「なら私も行こう」

「私も行っていい?」

ドルトンとビビが同行を求めた。

「いいぞ、来い。他のみんなは悪いが待機していてくれ。万が一に備えてな」

『了解』

「クエ!」

アスラ、ドルトン、ビビは真下辺りにある工場へと降り立つ。

「失礼、ふ――おわ!」

「何者だ」

「いきなり攻撃って、まぁ上から突然来たのは謝ります。すいません。で仕事をお願

いしたいんですけど」

アスラは目の前にいた大工に丁寧にお願いした。

「あん? お前、魔槍か?」

「まぁそうだが?」

「はは、ここに来ちまうとはな! 政府の玄関が近くにあるって言うのによ!」

「海軍は何度も負かしてあるからいいんだよ」

「はは! いいね! んで仕事ってのは?」

「あの船を少し改造してもらいたい」

アスラは上を指さす。

「……すげぇ船だな」

「だろ? どうだやってもらえないか?」

「ああ、任せろ。アイスバーグさんに話してくるから少し待ってろ」

「サンキュー」

船大工に礼を言ったあと色々見て回っているドルトンとビビに近寄る。

「中々良い物を取り扱っているようだ」

ドルトンが辺りを見回しながら言う。

「これすごいなんて言うのかしら」

「嬢ちゃん知らないのか? デミ・カリヴァリン砲だよ」

大砲を磨いていた男がビビに説明する。

「へぇ、うちの船にはないからなんだか新鮮ね」

「船にない? ああ、そりゃ魔槍がいれば話は別さ、魔槍の方がよっぽど強い」

「うれしくねぇ……」

少しへこむアスラに、

「ンマー、お前が過去にしてきたことを考えれば妥当だと思うが」

「ん? ああ、あんたがアイスバーグか?」

「無礼者!」

女性の声が聞こえた瞬間アスラに蹴りが入りそうになった。

「あぶね」

足を抑え攻撃してきた女を見る。

「大丈夫アスラさん!?」

「やろうと言うのなら」

「落ち着け、平気だ。それになんで攻撃してきたのかは分かる。悪かったなあんたと

か言って」

「いえ、分かっていただけたなら結構です。私はアイスバーグさんの秘書カリファを

言います」

「ンマー、改めてアイスバーグだ」

「アスラだ。仲間のドルトンとビビだ」

「よろしく」

「どうも」

礼を交わすとアイスバーグはカリファに尋ねる。

「カリファ」

「はい、調査済みです。魔槍のアスラの九億五千万ベリーを筆頭に一味のほとんどが

懸賞金が掛かっています。

 総合賞金額は十五億二千万ベリー。結成は海軍の軍艦を奪ったところから始まり現

在でも仲間を増やしている模様です」

「つい最近十一人目が仲間になったんだ」

「ンマー、とんでもない奴らだ。他の海賊が可愛く見える」

「でだ。別に調査されようが構わねぇが見てくれんのか?」

「いいよ」

「軽っ!」

あまりの軽さに驚くアスラだったが、

「あんな面白い船を見る機会はそうそうないからな。一番ドックの連中と他のドック

の奴らを回そう。優先順位を速めておこう」

「俺に脅されたとか言っておけば何とかなるだろ」

「ンマーそうしよう」

その後ビビにマクシムへと伝令を頼み降下させた。

その隙にアスラはカリファに近寄る。

「船に変な真似をしたらただじゃおかないぞCP9」

「っ!」

「んじゃよろしく」

「……」

大工たちが次々とマクシムへと乗り込む。

「それより金は大丈夫なのか?」

「ああ、ほれ」

アスラはある一点を指さす。

「……」

「空島ってところで取って来たんだが、邪魔でさ、いっそここで使おうかなと思って

いるんだがってどうした?」

「海賊の割には金持ちなんだな」

「んーそういえな金に困ったことはないな」

などと雑談していると、

「アイスバーグさん、この船は中々骨のある仕事になりそうじゃ」

「カクか、まぁ優先度を上げれば何とかなるだろ」

「そんなに急いでないぜ?」

「最近政府の連中がよく来るんじゃ、お前さんたちをあまり長居させるとまずいんじ

ゃ」

鼻が角ばっている男――カクが説明する。

「そうか……よく考えたら俺、今一番警戒されてる海賊か」

「鈍いの……」

「ンマー大物なんだろ」

「時間は?」

「そうだなこれだけの物を最高な出来に仕上げるのだとずいぶん時間が掛かるが?」

「あー急いでないからゆっくりやってくれ、その間俺たちは観光でもしてるからさ、

あーそれと一応用心のために数人残しておくが構わないか?」

「ンマー良いだろう」

マクシムをドックに停泊させドルトン、ゲダツ、カルー、オーガ―、エネルに船で待

機させた。

女性陣は服などを買いに行き、アスラとファーゴは金の一部を換金へと向かった。




「いやー運がいいな。多少の金塊で三億とはな」

「覇気を使って嘘を見破るなよ」

「最初あいつは一億って言っただろ? その時どうせ価値が分からないだろって言っ

てたんだ。だからああなった」

「はぁ」

換金所を出て一旦船へと戻ろうとしたが、そこに仮面を被った人物が現れた。

「…………ファーゴ、悪いが金を持って先に戻ってくれ、少し用事が出来た」

「……分かった」

ファーゴは三つのカバンを持ってマクシムのある一番ドックへと向かう。

「抜けだしていいのかい? カリファさんよ」

「……貴方を排除します」

「一人でか?」

「生憎他の者は来れないので」

「ここじゃなんだ。岬に移動しよう」

「分かりました」

二人はその場から瞬時に姿を消す。

(剃を使いこなすと言うのは本当のようね、やはり危険だわ)

岬にたどり着いた二人は向き会う。

「覚悟してもらいます」

「悪いが死ぬつもりはない」

アスラは腰のベルトから二つの鉄球を取り出す。

「槍を使わないのですか?」

「女を傷つけるのは痛まれる」

「舐めていると死にますよ!」

「そりゃ、気を付けないとな」

アスラVSカリファ

その戦いは岬で静かに始まった。

<あとがき>

どうも八咫です。

調子に乗った43ページをお送りしました。

スティール・ボール・ランが分からないという人がいるかもしれませんので軽く説明

します。

1890年アメリカを舞台に南のニューメキシコ付近から、ニューヨークまでの道の

りを一頭の馬で横断するレースです。

鉄球は主役のジャイロ・ツェペリという男が持っている武器です。

回転を武器にあらゆることをしていきます。

興味があればぜひ読んでみてください。

次回はアスラVSカリファです。

-43-
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