小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

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『騒動』







翌日、街が活発になり始めたころにルフィたちがやって来た。

話し合いの結果、船大工に船を見てもらい、ダメだと言われたら大人しく諦めるとの

こと。

(メンツが原作と違うな)

ドックでマクシムの作業具合を見ていたアスラはやって来たルフィたちのメンツに驚

いていた。ドックに現れたのはルフィ、ロビン、ウソップ、ナミ、チョッパーの五人

でどうやらCP9はまだ接触していないようだった。

そこへアスラたちより先に依頼していた海賊がもうすぐ完成すると言うのに一向に進

んでいないと文句を言いに現れた。

一発触発といったところだったが、

「悪いな、俺の船を依頼しちまったんだ。ドックの奴らをほとんどそっちにまわしち

まってな」

「ま、魔槍!? な、なら俺たちは後でいいぜ、じゃ、邪魔したな!!」

海賊たちは走って去って行った。

「何だったんだ? まぁいいかそれよりもルフィたちが先決かな」

ルフィたちは船を見てもらいたく依頼する。丁度そこへ休憩していたカクが現れる。

「いいじゃろう、ワシがひとっ走り見てこよう」

カクそう言って崖から飛び降りた。

驚愕していたが、そこへアイスバーグが現れる。

「ンマー、お前らが魔槍が言っていた麦わらの一味だな?」

挨拶を交わしたところでドック内を見ているとそこへ換金した金を盗もうとする男た

ちがいた。

「おい! その金返せ!」

「ははは! これはフランキー一家が頂いたぜ!」

「させるか」

「げっ!?」

ヤガラと呼ばれる乗り物に乗って逃走を図ろうとした男たちの前にアスラが現れた。

「同盟仲間なんでね。手を出させてもらう。それにその金にはあいつらの人生が掛か

ってるかもしれないんでな」

一人ひとり蹴り飛ばして水路に落とす。カバンを回収してルフィたちに渡した。

「ちゃんと管理しろ」

「ありがとうアスラ!」

「はぁ、しっかりしてくれよ船長だろ?」

「ワリィ、ワリィ」

「ンマー、ついてこい。ドックの中を案内しよう」

「アスラも来るのか?」

チョッパーがアスラに尋ねる。

「ああ、今マクシムを強化してもらっているんだ」

「あれを強化する意味があるの?」

「意外と生活スペース無いんだぜあれ」

ロビンの問いかけに答えるアスラ。

「ふー今戻ったぞい」

「ンマー、ご苦労だったなカク、どうだった」

「正直ここまでよくこれたのう、尊敬に値するわい」

「やっぱり……」

「ああ、あの船は限界じゃ」

「そっか……」

「くっ、メリー」

「お別れか……」

ルフィ、ウソップ、チョッパーは悲しい表情をする。

「どわああああ! なんだこのハレンチ娘は!」

「えっ?」

「落ち着けパウリ―クルッポー」

沈んだ空気を破るように男が顔を赤らめながらもナミを指さし怒っていた。

それを肩にハトをを乗せた男――ルッチが落ち着かせる。

「ハトがしゃべった―!!」

ルフィのテンションが上昇する。

「おいおい、騒ぐな落ち着け、クルッポー」

「すっげぇ!! どうやってんだ!?」

「ンマー落ち着け、でだ。どうするんだ?」

「そりゃ、新しい船を作ってもらうしかねぇな」

ルフィはカバンを持ち上げるが、

「ん? 軽い」

「なわけないでしょ……いや――!! ない!」

「どうしたんだナミ!」

「何かあったの?」

周りを見て回っていたチョッパーとアスラと話していたロビンが騒ぎを聞きつけやっ

て来た。

「二億ベリー消えてるのよ! それにウソップもいない!」

「あー、さっきの奴らに連れて行かれてるな」

アスラは覇気で探知する。

「まずいな、ウソップの奴攻撃されてる。多少は防衛出来てはいるが」

「何!? どこだ、ウソップはどこに!?」

「落ち着け、案内するからついてこい」

「よし、いくぞ!」

アスラとルフィはドックから姿を消した。

ナミとチョッパー、ロビンは残りの一億を守る為固まる。

「……」

ふとカクとルッチがロビンへ近づくが、

「ヤハハハ、そろそろ、作業に戻ってもらえるか?」

『っ!』

背後に現れたエネルに動きを止める。

「アスラにお前たちがニコ・ロビンに近づけないよう言われているのでな。悪いが作

業に戻ってもらえるか?」

「海賊が生意気じゃな」

「……」

「ヤハハハ、生憎私はお前たち程度に負けはせん」

「作業に戻ろうカク、クルッポー」

「ああ、そうじゃな」

「ああ、言い忘れていたが、もしそっちが何かするようだったら、容赦はしない」

「それは脅しかのう?」

「ああ、そうだ」

エネルはそう言って姿を消した。





「酒場の大男を見張れか……アスラも変なことを言うもんだ」

「船長はあんな感じなのか?」

「フフフ、そうねあんな感じよ」

ファーゴ、カポーティ、ポーラは酒場で酒をたしなみながらバーテンダーをしている

男を見張っていた。

「それにしてもなんでこんな命令を?」

「さぁな、アスラのことだから何か読めたんだろ」

「読む?」

カポーティは何のことだか分からないようで首をかしげていた。

「見聞色の覇気をアスラは使えるのよ、それによって人の心や物の声を聴くことがで

きるの」

「すげぇな、さすが億越えの化け物は違うな」

「お前もその化け物の一味にいるんだぞ」

「そうだな、期待に答えなきゃな」

「まぁ嫌でも鍛えられるから覚悟しとけよ」

「十分味わったぜ?」

「フフフ、あれは序の口よ」

キセルから紫煙が天井へと登る。

「あれで序の口って……」

カポーティはため息をついた。





「はぁはぁ、ウソップ!」

「わりぃ、ルフィ、金を奪われた……せっかく新しい船を作れるってのに」

ウソップは涙を流す。

「すまねぇアスラ、お前に鍛えてもらったのに……」

「謝るな、お前が悪いわけじゃない。ルフィ、人が多すぎてここじゃ集中できない、

少し別の場所から覇気を使う」

「分かった! ウソップ、チョッパーを呼んでくるからここで待ってろよ!」

アスラとルフィはその場から離れた。

「…………あの金は俺たちの夢を……つなげるための物だ……」

ウソップはよろよろと立ち上がる。






「ええっ!? ウソップが!?」

「ああ、だからチョッパー!」

「分かった。連れて行ってくれ」

「よし、ついてこい!」

ルフィはチョッパーを連れ再びウソップのいる場所へ向かう。

「ンマー、おかしなことになり始めたな」

「一度船に戻りましょうかロビン」

「そうね」

ナミはカバンを持ち、ロビンと共にドックを出る。

「待て、ニコ・ロビン」

「何かしら?」

「てめぇが何を考えてるか知らないがも「平気よ、私はもう海賊だから」……そうか

ならいい」

ロビンはアイスバーグに笑いかけ、ナミと共に出て行った。






「くそっ、どこだ? 人が多すぎる……天眼に集中できないし声が多すぎて聞き取れ

ない」

アスラは高い位置から覇気を使っているがうまく探せないでいた。


一方でルフィは途中で買い物中のサンジと合流、共にウソップの下へと向かったがそ

こにはウソップはいなかった。

「くそっ、どこに行った」

「血が流れてる。けど途中で止まってる……これじゃ後を追えない」

「どうする? ルフィ」

「……一旦船に戻ろう。アスラも手伝ってくれてる」

「分かった。急ごう」

三人はヤガラに乗って船の近くまで急いだ。

その途中でナミとロビンに合流、事情を話すとナミがパウリ―からフランキー一家の

拠点を聞いたとのこと、そこでルフィたちは船で寝ているゾロを起こして、ルフィ、

ゾロ、サンジ、チョッパーの四人でナミが教えてくれた場所へと向かう。


「ん? ルフィたち……なんで海岸線を歩いてんだ? ……あれか! くそっトレー

ニング不足だな」

アスラは剃刀を使ってルフィたちの下へと向かった。



「さて、先輩たちが動けないなら俺が行くしかないっしょ、シャウ!」

帽子をかぶった男がメリー号へと近づく。



フランキー一家の拠点近くにウソップは倒れていた。いくらアスラが鍛えたとはいえ

回避の類であり、攻撃的なことは教えていない。

ウソップは血を流しながら、意識はある。

「すまねぇ、役に……立てなくて……」

「アスラ」

「ん?」

「薬とか渡すからウソップの治療お願いできるか?」

「いいぜ」

チョッパーはカバンから薬や包帯をアスラへと回す。

「待ってろウソップ、あのふざけた家壊してくる」

四人は怒気をにじませながら歩いて行った。





「うっ!」

「航海士さん!?」

「シャウ! CP9に逆らうからこうなるんだ」

「やめて! 目的は私でしょ! 彼女には手を出さないで!」

「それは無理だな。この女は海賊だからな、それに中途半端な六式使いやがって、ま

ぁ俺も最近なったばかりだけどな」

男はロビンの首を絞めたままナミへと近づく。

「あばよ指銃」

ナミは目を瞑る。

「やめてぇぇぇ!」

ロビンの叫びが響く。

「クエ――!!」

「っ!」

突然霧がナミを包み移動させた。

「だれだ! シャウ」

「心配でメリー号に来てみれば、大変なことになってるわね」

「クエ」

「ビビ……カルー……」

「アラバスタの王女か、お前は処刑するっしょ!」

ロビンを離してビビへと攻撃を仕掛ける。

「カルー、ナミさんとロビンさんを!」

「クエ!」

羽で敬礼した後、カルーは二人を船から引き離した。

「新しい武器の実験にはちょうどいいかもね」

「シャウ! 俺はCP9の新入りネロ、つい最近六式使いになったばかりっしょ」

「フィオナ海賊団ネフェルタリ・ビビ、同盟仲間の為、戦うわ!」





「嫌な巡りあわせだ」

大工たちの邪魔にならないようにマクシムのデッキにいたオーガ―は海を覗いて呟い

た。

「あれは海軍の軍艦か……」

オーガ―は立ち上がり、移動を開始した。

「ゲダツ、ドルトン」

そして同様に船にいた二人を呼ぶ。

「どうしたオーガ―」

「んーん! んんん」

「下唇」

「はっ!」うっかり!

「海軍の軍艦が来ている。警戒しておいて損はないだろう」

「分かった。他の者たちに知らせてこよう」

「俺も行こう」

「ゲダツ、座ったままでは移動できないぞ」

「はっ!」うっかり!





「……私をつけて何の意味が?」

「キャハハハ、わかんない。アスラがあなたを見ててくれって言うから」

「…………何も聞かされていないんですか?」

「何も、でも大方の予想はついてるけど、あっこのレモンティー美味しい」

(私は……)




『お客様にお知らせします。ただいまアクアラグナの予報がされましたつきましては

海列車はウォーターセブンに引き返すとします』

「兄貴……」

「だわいな」

「しかたがねぇな、アクアラグナがすんだらまた行くか」



物語は動き出す。


<あとがき>

どうも八咫です。

色々考えたうえでこうなりました。ネロが六式使いになっていますが気にしないでく

ださい。

次回はひと波乱ありのウォーターセブンです。

-45-
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